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1/1【ZERO1】田中が世界ヘビー奪回、両国でCIMA迎撃へ 陥落・田村はリベンジャーズ入り

『ZERO1 謹賀新年』東京・後楽園ホール(2021年1月1日)
世界ヘビー級選手権試合 ○田中将斗vs田村ハヤト×

 ZERO1恒例の元日興行で田中がJUST TAP OUT(JTO)の若き外敵王者・田村を破って世界ヘビー級王座奪回に成功。試合後に現れたCIMAの挑戦表明を受諾し、ZERO1旗揚げ20周年興行となる3・14両国大会で「田中vsCIMA」の王座戦が決定的となった。

 キャリア1年ながら3度の防衛に成功してきた田村に、新春興行メインで“切り札"田中が挑戦。序盤からやはり目立ったのは田村の“怪物っぷり"だった。

 序盤に田中のテーブルクラッシュ式スーパーフライを浴びても、「もっと来いよ、将斗!」と大先輩を“将斗"呼ばわり。「誰に言っとんのや!!」と怒りの田中から強烈な張り手やエルボーを無数に浴びても止まらず、逆に強烈なラリアットや師匠TAKAみちのくばりのクロスフェイスで押し返した。

 中盤にはお株を奪う「スーパーフライ!」予告まで放った田村は、田中から阻止されてもブレーンバスター合戦、ラリアット合戦を真っ向から展開。ラリアットで競り勝ち、続くエルボー合戦でも押し込んでみせた。

 田中も意地の逆水平で抵抗し、立て続けにスライディングDを発射したものの、田村はまだまだ止まらず。逆に2発目のスライディングDを避けるや、スライディング式のダブルニーアタック、ジャックハマーで一気に巻き返し、コーナー上でも頭突きを見舞って雪崩式ハヤトドライバーを敢行だ。かろうじて肩を上げた田中も、続く正調ハヤトドライバーを着地するや、腕を引っ張りながらのエルボーを連発。ところが、すべて受け止めるタフガイっぷりを発揮した田村は、逆にカウンターで担ぎ上げると今度こその正調ハヤトドライバーで突き刺して勝負あり…かと思われた。

 だが、田中もギリギリでキックアウト。逆にこん身のローリングエルボーで田村をなぎ倒すや、間髪入れずにスライディングDで突っ込む。肩を上げられても、再びスライディングDを重ねて3カウントをもぎ取った。

 田中がZERO1への王座奪回と2年ぶり5度目の世界ヘビー級王座戴冠に成功。工藤めぐみGMから受け取ったトロフィーを高々と掲げた新王者だったが、勝利の余韻に浸る間もなく一人の男がリングに上がってきた。

 CIMAだ。#STRONGHEARTSの首領は即座に得意のマイクを持つ。

 「田中さん、チャンピオンおめでとうございます。それから田村ハヤト! お前にもアッパレや。でも、田村ハヤトを褒めれば褒めるほど、それを超えていった田中将斗。アンタが凄いってことや。#STRONGHEARTSがZERO1に上がった一つの目的は弾丸戦士がこのリングに居てるからや。しかし、20代のピチピチ相手にあんなタフマンコンテストみたいな試合で勝ちやがって…。かたや(田村が)座ってんのに、アンタは仁王立ちって…なんちゅーチャンピオンや! ZERO1の田中将斗っていうのは恐ろしい選手やな。相手にとって不足なしや! 田中さん、今の試合を見て、アンタのことが怖くなったよ。でも怖くなったと同時に、レスラーとして心臓がバクバクしてきたわ。田村ハヤトは1年そこそこかもしれん。でもCIMAは24年間、世界でプロレスして回ってきたんや。今日みたいなタフマンマッチやったら、俺は潰されてしまうかもしれん。でもCIMAにはCIMAのやり方がある。そのやり方で、田中将斗、そして世界ヘビーのベルトに挑戦させてもらう。日付はいつでもいいですわ。あなたが決めてください」。そう迫った。

 すかさず田中も「海外でアンタもやってきて、俺もやってきて、世界のCIMAvs世界の田中将斗。やるところは両国しかないやろ!」と即断。「#STRONGHEARTSのアンタとやるのは楽しみやし、その次にはT-Hawkもリンダマンも順番にやったる。世界のCIMA、現役バリバリのT-Hawk、元気者のリンダマン。すべて俺の前に寝かせたるから、覚悟しとけよ」と通告した。

 負けじとCIMAも「聞き捨てならんぞ! 俺の次はおらんのや! 次のチャレンジャーもチャンピオンも俺なんや。俺の次はいないんや。なんでか分かるか? 田中将斗、俺を誰やと思うてんねん。俺、CIMAやぞ?」とキメながら応戦。かくしてZERO1旗揚げ20周年記念興行となる3月14日・両国国技館での「田中vsCIMA」王座戦が決定的となった。

 一方でCIMAが去っても王座陥落となった田村はリング上で大の字のまま。今度はそこへ田中が語りかける。

 「おいハヤト。ベルト獲ってから凄い重圧やったやろ? でもお前はすべて跳ねのけてきたな? 俺から言わせてもらうよ。このベルトの価値、上げてくれてありがとう。こいつが最初、ベルト獲った時、ツイッターとかで誹謗中傷みたいな声もあったよ。でも、こんだけやれるこいつを見て、誰も何も言えへんやろ? 言うヤツおったら、俺が許さんぞ! こんだけの試合ができたんや! 言えるもんやら俺の目の前に来て言うてみい!」。そう男気あふれるマイクで、田村の力量を称えた。

 目頭を押さえた田村も「将斗、泣かせんなよ。……今日は将斗…いや、田中将斗とやって、改めて世界の田中将斗なんだなって痛感させられたよ。そんなに凄いレスラーと短期間でこんなに当たることができて、最高の経験になったし、本当に将斗ありがとう」とノーサイドで感謝。一方で「もちろん闘うのも最高に楽しいけど、アンタのそばに行くこともすげー楽しいんじゃないかな…って今日思った。あんたの凄いところを全部吸収して、あんたの弱点もいっぱい研究して、絶対! お前にリベンジしてやるからな。でも…別に俺はこのZERO1に入るわけじゃないけど田中将斗、あんたと素直に組みたいと思った。あんたのそばに行って、もっとレベルアップしたい! 答えを聞かせてくれ、田中将斗さん」とタッグ結成を直訴した。

 田中も「俺とやりたいってことは、リベンジャーズと組むってこと? そうなんか。ウチの女王(朱崇花)が『イケメンやからいい』って言うから、ええよ。でも入れてもらうには入れてもらうなりの言葉遣いってもんがあるから。これからしっかり、ウチのメンバーとしてやってもらうけど、口の聞き方、先輩への礼儀、すべてを叩き込んでやる。それでもええか?」と確認し、田村も了承した。

 改めて最後は「昨年はいろんなことがあって、年末にも(離脱が相次いで)皆さんを不安にさせることも多々あったと思いますけど、俺らは前しか見てないから。ZERO1旗揚げの時、人数何人おったよ? その人数より、今のほうが多い。あの時にやれて、今の俺達にできひんことはないから。俺は絶対にやるから!」と誓いを立てた田中。リベンジャーズの一員となった田村とともに「スリー、ツー、ワン、ゼロワーン!」を唱和して新春興行を締めくくった。

 破壊王によって産み落とされ、幾度となく運営会社や団体名も変化し、文字通り“破壊と創造"を繰り返しながらも20周年イヤーへとたどり着いたZERO1。節目の大舞台を前に、まだまだ衰え知らずの弾丸戦士が仁王立ちしている。

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