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1/9【DDT】上野がユニバーサルV2、坂口指名で2・14川崎で激突決定 翔太は“三冠"獲りならず

『GO TO DDT!vol.1』東京・後楽園ホール(2021年1月9日)
DDT UNIVERSAL選手権試合 ○上野勇希vs翔太×

 上野が翔太に快勝してUNIVERSAL王座V2。翔太の"三冠"獲りを阻止した上野は、次期挑戦者に坂口を指名し、2・14川崎での激突が決定した。

 昨年の11・3大田区でUNIVERSAL王座初戴冠を果たした上野。V2戦では12・27後楽園で直接ピンフォールを奪われた翔太を迎え撃った。翔太は現在、KO-D6人タッグ王座、インディージュニア王座を保持。“三冠"を狙うドインディー出身の伏兵はその実力を最大限に発揮して、上野の牙城に迫ってきた。

 のっけから翔太が主導権。突然丸め込んだり、空中殺法を仕掛けたりと揺さぶりをかけつつ、手首や首などねちっこく絞め上げる。このまま翔太ペースに飲み込まれるのを嫌がった上野は、エプロンに顔面から叩きつけ、そこにドロップキックを放って逆転。しつこい首攻めでリズムを掴んだ。

 ならばと翔太はバッククラッカー、雪崩式フランケンと大技で反攻。回転足折り固めで3カウントを迫る。キックアウトされた勢いで場外に転落したものの、上野があとを追ってきた瞬間、入れ代わるようにしてリングに舞い戻り、トペスイシーダを敢行。スイング式DDT、フロッグスプラッシュと一気呵成に畳みかけた。ここでシフトチェンジし、左腕に一点集中攻撃を展開する。

 引かない上野もトルニージョで反撃し、怒とうの大技ラッシュから得意のBME(ステップアップ式ムーンサルト)へ。前哨戦を制した一撃だったが、翔太は回避して自爆を誘うと、左腕を脇固めに捕獲。さらに、テクニックを思う存分に発揮し、回天十字固め、雁之助クラッチ、ロープに足をかけての横入り式エビ固め…と連続して丸め込む。上野はキックアウトするのに必死で防戦一方に。止まらない翔太は松井レフェリーと上野を交錯させて無法地帯を作り上げると、急所蹴りから首固めでクルリ。これでも上野が沈まないとみるや、再びフロッグスプラッシュへ。上野に剣山で撃墜され、ハーフネルソンスープレックスで投げ捨てられたものの、翔太はローリングラリアットを放って両者大の字に持ち込んだ。

 粘る翔太は延髄斬りを浴びせたものの、上野も高打点のドロップキックで譲らず。雁之助クラッチで切り崩されても今度は上手くしのいでみせる。翔太は天井を指差して視線を逸らそうとしたが、騙されなかった上野はドロップキックで蹴り倒すと、最後はWR(足かけ式前方回転DDT)で接戦を制した。

 翔太の三冠獲りの野望を阻み、上野がUNIVERSAL王座V2。試合が終わればノーサイドということで、「翔太さんにはいろんなことを教えてもらって、実は翔太さんから吸収しているものもたくさんあります。今日は2021年新年一発目に試合できてよかったです。翔太さん、ありがとうございました! 翔太さんは最高にうっとうしくて、最高に面白い対戦相手でした」と翔太に感謝のメッセージを送った上野は、次期挑戦者について問われると、坂口を自ら指名した。

 坂口がリングに姿を現すと、上野は「坂口さんには2020年たくさんのことを教えてもらいました。坂口さんには人に首を絞められて、脳に酸素が行かなくなって、フワフワした時のあの感じとか、起きた時に何が起きたんだろうと思ってたら、みんな心配している顔とか、頭蹴られて、ピカピカして、フワフワする気持ちとか。坂口さんには2020年たくさんお世話になりました」と恨み辛みを吐露し、「坂口さん、僕とこのベルトを懸けてやり合いましょう。殺すと書いてやりあうってヤツですよ」と迫った。

 一方、坂口は「ちょっと貸して」とベルトを奪い取り、肩にかけて上野と並んで記念撮影。そして、「上野、挑戦するのはいいけど、これが本来の姿なんだよ。わかる? お客さんもそう思いません? 俺がベルトを持っててこいつが挑戦者。だから、お前は一番挑戦者として呼んじゃいけない人間を指名したんだよ。よく覚えとけ。そして、そのニヤニヤしたツラ、また絞め落として殺ってやるから待っとけよ」と上から目線で受諾した。

 両者のアピールを受けて、2021年最初のビッグマッチとなる2・14カルッツかわさきでの対戦が決定。坂口からベルトを奪い返した上野は「2021年も僕はとても楽しいプロレス人生が送れそうです」とこれからの防衛ロードに思いを馳せた。

 新型コロナウイルスがさらに広がり、一都三県に緊急事態宣言が出たばかり。上野も「2021年、まだまだ当たり前に生活ができなかったり、当たり前にプロレスに来れたり、プロレスができたりはしないかもしれないけど…」としながらも、「みんなが嫌なことを忘れたり、何かに立ち向かえるような、元気はつらつなプロレス」をすると誓うと、「2021年も我々DDT全員でプロレスを沢山盛り上げていきますんで、皆さんもどうかどうか元気で2021年のプロレス生活を楽しみましょう!」と笑顔で締めくくった。

 UNIVERSAL王者として徐々に自分の形を築きつつある上野。世の暗いムードをその笑顔で払拭し、これからも若き王者としてDDTマットを明るく照らしていく。

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