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1/24【全日本】諏訪魔が熱闘三冠V5、“有観客"で芦野撃破 耕平が挑戦名乗り

『2021 NEW YEAR WARS』東京・後楽園ホール(2021年1月24日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○諏訪魔vs芦野祥太郎×

 諏訪魔が7ヵ月ぶりの再戦で芦野を激闘の末に返り討ちにし、三冠王座5度目の防衛に成功。佐藤耕平が次期挑戦者として名乗りを上げた。

 1・3後楽園大会で青柳を下し、V4を果たした諏訪魔は次期挑戦者に芦野を指名。昨年6・30TVマッチで史上初の無観客による三冠戦で芦野とシングル初対決を果たしたが、有観客での再戦を熱望してこの日のV5戦が決まった。

 両者は決戦前に「男と男の真っ向勝負」に合意。芦野はEnfants Terriblesのセコンド勢の介入も拒んで2度目の三冠挑戦を迎えた。まずは互いのバックボーンであるレスリングの技術を競い合うと、先手を取ったのは諏訪魔。激しいエルボー合戦をダブルチョップで制し、抱え込み式バックドロップ、逆エビ固めと腰攻めに出た。

 しのいだ芦野はショルダーレッグブリーカーを口火に、アンクルロックへの布石となる左足へのピンポイント攻撃を開始して譲らない。低空ドロップキックやフェンスを利してのレッグロックで狙い撃ち。マフラーホールドで絞め上げるなど何度も諏訪魔に悲鳴を上げさせた。

 反撃に転じた諏訪魔もアンクルホールドで立て直しを図ると、ジャーマン合戦、エルボースマッシュとラリアットの打ち合いで渡り合ったものの、アンクルホールドをアンクルロックで切り返され、ついにアンクル地獄に捕まってしまう。一度は振りほどいてもドラゴンスクリューを挟んで再びアンクルロックで絞め上げられ、ギブアップ寸前。意地で耐え抜いたが、ジャーマン、俵返し、ジャーマンと投げられまくった。

 敗色が漂いつつあった諏訪魔だったが、全日本では初公開となる芦野のムーンサルトを自爆させてようやく光明を見出した。激しい打撃戦を経て、かんぬきスープレックスでぶん投げると、ドロップキック、バックドロップ、延髄斬り、バックドロップの猛反撃でようやく流れを変えた。粘る芦野を対角線を走ってのラリアットで吹き飛ばすと、バックドロップホールドを爆発。激闘に終止符を打つ3カウントが入った。

 諏訪魔が芦野との再戦を制して三冠王座5度目の防衛を果たした。前回に勝るとも劣らない激闘となったが、「今日は間違いなく、あいつは面白いっていうか、ハートが熱いヤツなんだよな。小細工しねぇよ。それはやっぱし日体大レスリング部って感じだな。気持ちがいいよね。強いよ」と再認識。だからこそ、試合後は自ら求めて握手を交わした。「これから三冠のベルトとかさ、世界タッグ、そういうのを間違いなく獲っていく人間になると思うよ」と芦野を絶賛した諏訪魔は、「あいつと会話なんかないけどさ。本当にリングの上だけだよね、会話するのは。体と体でしか会話しない。でも、面白いよ。魅力あるな。まだまだ試合は続けたいな、あいつとさ」とこれからも続くであろう芦野との戦いに思いをはせた。

 試合後のリング上では「三冠のベルトを巻いたのは3月。だから、3月までまずは防衛して、まずは1年だよ。1年、三冠のチャンピオンとしての姿を見せたい」と目下の目標を定めた。それまで残り2ヵ月となった中、次なる挑戦者が現れた。元ZERO1の耕平だ。「俺の師匠でもある橋本真也も巻いたことのある、その強さの象徴のベルト。挑戦を受けていただきたい」と礼を尽くして名乗りを上げた耕平に、諏訪魔も拒む理由はなく「佐藤選手だったら実績も申し分ないよ。俺も真っ正面から佐藤選手との三冠戦、やりたいと思う。ぜひよろしくお願いします」と快諾した。

 両者は大日本の2015年12・20横浜文体、2016年1・2後楽園大会と2度タッグ対決している。それから時を経て、三冠ベルトをかけたシングル初対決が決定的に。「物凄い強敵が出てきたんだ。重いんだよね、攻撃一発一発が。俺よりデカいしさ、迫力があった」と過去の対戦における感触を振り返った諏訪魔は、「申し分ないよ。真っ向勝負できる相手だな。楽しみにしててください。三冠の価値は上げていきます」と誓ってみせた。

【試合後の諏訪魔】
▼諏訪魔「いやぁ、芦野の足攻めが的確すぎて、じん帯が伸びたというかさ。厳しかった。強い。あいつは強いよ。正面切ってさ、ああやって戦ってくる。ちょっと小細工してくるのかなと思ったけどさ、まったくそれはないよ。やってて面白いよね。スカすこと一個もねぇんだもん。面白いよ、芦野祥太郎ってヤツは。もっともっとやりたい。まだまだ。前回の無観客での三冠戦も初めてやったわけで。ぞの時はこいつ面白ぇヤツだなと思ったけど、今日は間違いなく、あいつは面白いっていうか、ハートが熱いヤツなんだよな。小細工しねぇよ。それはやっぱし日体大レスリング部って感じだな。気持ちがいいよね。強いよ。ああいうハートの強いヤツっていうのは、絶対俺はこれから三冠のベルトとかさ、世界タッグ、そういうのを間違いなく獲っていく人間になると思うよ。それぐらい焼きつけられた人間だね。それがさ、またWRESTLE-1のチャンピオンをやっていたという。不思議な感じだよね。でも、似てるよね。レスリングもやってたしさ、馳さんに誘われたっていうのもあるでしょ。武藤さんが師匠であってさ。(カズ・)ハヤシさんからも散々習ってるんでしょ? まったく境遇が一緒なんだよね。違うのは歳だけなんだよ。あいつと会話なんかないけどさ。本当にリングの上だけだよね、会話するのは。体と体でしか会話しない。でも、面白いよ。魅力あるな。まだまだ試合は続けたいな、あいつとさ。まだ俺だって元気なんだ。やっと5度だよ、5度。5度防衛したわけで。とにかくリング上でも言ったけど1年。まずこの緊急事態の中での1年間というのを俺は乗り越えることを目標にやっていきたい。それにはさっきリング上に出てきたけどさ、佐藤耕平選手。物凄い強敵が出てきたんだ。重いんだよね、攻撃一発一発が。俺よりデカいしさ、迫力があった。申し分ないよ。真っ向勝負できる相手だな。楽しみにしててください。三冠の価値は上げていきます」

――耕平選手とは大日本でタッグで対戦したことがあるが、その時の印象は残っている?

▼諏訪魔「その時もさ、俺が今度テンション高く行ったんだけどさ、なんていうのかな、すれ違ったんだよね。あの時って6人タッグだったし。あの時の印象もありますよ、正直言って。でも、今回は目が違うっていうか。向こうに野心みたいなものがあるから、こういうふうに来たわけでさ。なんだろうね、そういうタイプがあるんだろうね。来られるより、自分が行くほうが燃えてくる人なのかもしれないしさ。それは人それぞれだから。でも、俺はやれる機会がやっと来た。そこは何年越しだろうね? まだ俺だってチャンピオンなんだ。どんな戦いになるかわからないけどさ。みんなには喜んでもらえるように、ガンガンやるのもやってみようかな」

【芦野の話】「本当に逆指名してくれた諏訪魔さん、ありがとうございました。今までこういうシチュエーションでのタイトルマッチはやったことなかったし、ここで獲れれば、いろいろ変えられたんだけどね。やっぱり、ここはまだ力が足りなかった。もう一歩…いや、まだまだかもしれないです、本当に。ただ、2回挑戦して、2回とも負けて、3度目の正直、あるでしょう。もう1回、俺は下から這い上がりますよ。この全日本のリングで下から」

【耕平の話】
▼耕平「今、リング上でも言ったように、橋本さんも巻いてたし、歴史のあるあの三冠ベルト。なかなかね、縁がなかったんですけど、巡り巡って、いいタイミングで強いチャンピオンがいるんで。それに挑戦したいって伝えたら、しっかり受け止めてもらえたんで、楽しみです」

――諏訪魔選手の印象は?

▼耕平「当然、サイズもデカいし、強いし。それでいて、結構器用だなって印象があります。なかなか同じような選手って、いても団体が違ったりって形で当たることがなかったんですけど、フリーになったことでこういう縁があって。むしろワクワクしています。ちょうど1年って言ってましたよね? で、次は6度目ですよね? 阻んでやろうかなと思います」

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