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2/12【NOAH】58歳・武藤がGHCヘビー初挑戦・初戴冠! 清宮名乗りも10年ぶり武道館でノア急展開

『ABEMA presents DESTINATION 2021 〜BACK TO BUDOKAN〜』東京・日本武道館(2021年2月12日)
GHCヘビー級選手権試合 ○武藤敬司vs潮崎豪×

 “天才"武藤敬司が潮崎豪を破って、58歳にしてGHCヘビー級王座初挑戦・初戴冠に成功。ノア約10年ぶり帰還となった日本武道館大会のメインで“I AM NOAH"を標ぼうする王者を奥の手・フランケンシュタイナーで撃破し、新たな偉業を成し遂げた。試合後には清宮海斗が奪回に名乗りを上げたが、武藤は無反応。区切りの大舞台で方舟マットがまさかの急展開を迎えた。

 2010年12月以来、約10年ぶりにかつての“聖地"に戻ってきたノア。約13ヶ月間に渡ってベルトを守り続けてきた潮崎が大舞台のメインに立った。

 だが、主導権を握ったのは武藤。執ようなまでの足攻めに出ると、何度も足4の字地獄に引き込み、広い武道館に潮崎の悲鳴が響き渡った。何とかしのいだ潮崎は雄たけびもろとも豪腕ラリアットを叩き込んで逆襲ののろしを上げた。武藤がシャイニングウィザードで応戦してラリーとなっても、潮崎はゴーフラッシャー、リミットブレイク、豪腕ラリアットを次々に爆発させた。

 いずれもフィニッシュ級の大技ばかり。潮崎は勝機の連続となったが、武藤はことごとくギリギリでキックアウト。潮崎のムーンサルトを自爆させると、シャイニングウィザードを乱れ打った。さらには三沢光晴さんばりのエメラルドフロウジョンまで敢行し、不発に終わったものの「もうこれしか俺がこいつを破る技はない」と封印したムーンサルトを狙いにいき、そのたびにどよめきを起こした。

 負けじと潮崎も三沢さんばりのローリングエルボー、ランニングエルボーで応戦し、豪腕ラリアット、ムーンサルトで一気に逆転を狙ったが、それでも3カウントを奪えない。続く豪腕ラリアットに武藤は仁王立ちすると、2発目を狙った潮崎に電光石火のフランケンシュタイナーをさく裂させて3カウント。まさかの結末にコロナ禍で“声援禁止"の場内も大きくどよめいた。

 58歳の武藤がGHCヘビー初挑戦・初戴冠。「俺の夢に付き合ってくれ」。そう潮崎に挑戦表明してから約2ヶ月。高山善廣、佐々木健介に続く史上3人目の3大メジャータイトル(IWGPヘビー、三冠ヘビー、GHCヘビー)制覇を成し遂げ、夢を現実のものとした。

 とはいえノア側からすれば、10年ぶり武道館の舞台でまさかの結末。試合後、すぐに清宮が飛び込んできて奪還をアピールしたものの、武藤は意味深に“スルー"。足を引きずりながら花道を下がってLOVEポーズを決め、祝福と困惑が入り混じった独特の空気が武道館のエンディングを包んだ。

 試合後の武藤はさすがに「今はもうあんまり思考が出てこない。疲れた。交通事故に遭ったみたいで、全身痛えよ」と疲労困ぱい。清宮の挑戦表明もあって今後が気になるところだが、「まだ、今後は。せっかく頂上に立って、まだ霧で見えねえよ、周りが。ちょっと休ませて」としたうえで明言を避けた。

【試合後の武藤】
▼武藤「まず言わなきゃいけないのは、潮崎選手ですか。俺の夢に付き合ってくれた、本当にに。もしかしたら、潮崎に関して言うと、俺に勝ってもそんなに浮かばれなかったかもしれないけど、俺のほうはね。なんかいろいろ効果がありそうで、俺自身に。リング上でそうやって言おうとしたら、あいつまだ反発心があるみたいで、フラれたけど。まあ、今はもうあんまり思考が出てこない。疲れた。交通事故に遭ったみたいで、全身痛えよ。なんか質問は?」

――かなり厳しい攻撃が立て続けにあったが、カウント2で返せたのは?

▼武藤「ギリギリだよな、もう。潮崎強かったよ、全体的に。技も強烈だし、痛かったし。途中、『なんで俺こんなことしてんだろうな?』って本当に悩んだりしたよ。なんでこんな痛い思いしてるのかなって」

――コーナーに上がった時、ムーンサルトプレスにいくのかどうか、少し間があったが?

▼武藤「実際いこうと思ったんだけど、やっぱり体が反応しなかったよ。恐怖心なのかなんなのか。いこうとは思ったんだよ。もうこれしか俺がこいつを破る技はないなっていう風に思ったからさ。ただ、やっぱりキャリアの中で、『ああ、この引き出したも1個あったな』っていうので、フランケンシュタイナーが。一発勝負で幸い決めることができたけども」

――あらゆるベルトを巻いてきたが、GHCヘビー級の巻き心地は?

▼武藤「頂上に上がったけど、頂上に上がるまでに、崖から落ちたり、なんかしたり、やっと上がって。今はもうまだ霧で視界が見えねえよ。もしかしたら、ボクシング並みにタイトルマッチは年に1回とか2回でいいかな? それをノアに言ってみようかな? なんで、今は次のこと考えられねえ。それだけしんどかった。ただ、やっぱりこうやって苦労したわけであって、そのおかげで皆さんこうやって囲んでくれたりして、記事になったりするわけで。やっぱりなんだかんだ言って、レスラー冥利に尽きるというか。やっぱりレスラーって注目を浴びてナンボのもんだと思ってますよ。本当にこのチャンスをくれたノアという団体にも感謝一杯です」

――三沢さんのエメラルドフロウジョンも出たが?

▼武藤「あんなもの、ぶっつけ本番で出したらダメだな。1回失敗しちゃったよ。ただ、こう抱えただけでお客さんが反応してくれたからさ。『これ、もう1回やってみようかな?』なんて思って。もしかしたら、三沢光晴が潮崎じゃなくて、やっぱり俺の応援してたんだよ。だって、俺が弱かったら、永遠の恋人と言われた三沢社長も弱かったってことになっちまうからな。そういう部分で言ったら、やっぱり俺のことを応援してたんだよ」

――戦前、潮崎選手に三沢さんや小橋さんの影が見えると言っていたが、その影ではない潮崎選手は見えた?

▼武藤「うーん、どうかな? たぶんあのチョップとか、小橋譲りなんだろ、きっとね。ムーンサルトだって小橋譲りだったりして。ただ、パワーというか、このクソ力というか、強引な力っていうのは、もしかしたら小橋以上にあるんじゃない? どんな体勢でも強引に持っていきやがるから、アノヤロー。大したもんですよ」

――試合後に清宮選手が出てきたが、それについては?

▼武藤「まだ、今後は。せっかく頂上に立って、まだ霧で見えねえよ、周りが。ちょっと休ませて。だから、ボクシング並みにちょっと1年に1回か2回でいいんじゃないの、タイトルマッチは。疲れたよ。チャンピオンって少し権限があるんだろ? ただね、試合やりづらいんだよ。無声援でさ。リングサイドにレジェンドが解説してて、観客の声が聞こえねえんだよ。それが本当にやりづらくて。やっぱり早く、俺がベルトを巻いている以上はね、ここでフルハウスのお客に囲まれて試合したいよ。あのレジェンドの声が聞こえないぐらい。聞こえても、天龍さんは何を言ってるかわからないからね。だけど、気になっちゃうんだよ。たぶん悪口言ってるなと思っちゃうんだよ」


【潮崎の話】「(コメントは)いらないだろ? ああ!!」

【清宮の話】「武藤さんの偉大さは分かってます。でも、今じゃないと思ってます。もともと俺が潮崎さんにベルトを獲られてるんで。武藤さんからベルトを取り返すのは俺しかいないと思ってます。あのベルトに俺が挑戦します」

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