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2/27【新日本】オカダが因縁のEVIL粉砕 IWGP奪還へNJC優勝宣言、二冠戦は「つまんねえ」

『CASTLE ATTACK』大阪城ホール(2021年2月27日)
〇オカダ・カズチカvsEVIL×

 オカダが因縁のEVILをレインメーカーで粉砕した。至宝・IWGPヘビー奪還に狙いを定めると、それにつなげるべくNEW JAPAN CUP優勝を宣言。自身がきっかけを作った二冠戦線を「つまんねえ」とバッサリ斬り捨てた。

 タイトル戦線から一歩後退していたオカダが、再浮上のキッカケにすべくアピールしたのが昨年7月のNJC決勝で敗北を喫したEVILとの雪辱戦だった。2・11広島大会ではシングル対決が緊急実現したものの、EVILのセコンド・ディック東郷が乱入して反則裁定となり、遺恨がさらに激化。ついに決着戦として、NJC決勝と同じく大阪城ホールを舞台に雌雄を決することになった。

 オカダが正攻法の首攻めで先制。EVILはラフファイトで応戦し、前哨戦で痛めつけた腰攻めに持ち込んだものの、気持ちで引かないオカダはEVIL&東郷を花道DDTでまとめて黙らせた。その後もEVILの反撃をキッチリと鎮圧しつつ、フラップジャックやリバースネックブリーカー、ミサイルキックなど得意技で攻め立てる。

 しかし、EVILが雪崩式ブレーンバスターで反攻すると、オカダは腰を押さえて苦もん。見逃さないEVILはスコーピオンデスロックで絞めに絞めた。オカダはなんとかロープに逃れたものの大ピンチに。暗黒王は首をカッ切るポーズからEVILへ。

 間一髪振り払ったオカダはマネークリップに捕獲して活路。顔面をかきむしられて脱出を許すと、場外から東郷にパイプイスで痛打されてしまったが、EVILをドロップキックで蹴り倒し、再びマネークリップへ。EVILが海野レフェリーのシャツを掴んで強引に逃れても、ツームストンパイルドライバーを挟んで、再捕獲した。

 ここでEVILは悪らつな作戦に出る。オカダを海野レフェリーごとコーナーに押し込んで無法地帯を作り上げると、ここぞとばかりに東郷が乱入。スポイラーチョーカーで首を絞め上げた。だが、オカダはその東郷をツームストンでKO。EVILが金的攻撃を放っても、急所蹴りでお返しし、旋回式ツームストンからまたもマネークリップへ。バックブリーカーを挟んで絞め落としにかかった。

 粘るEVILはギリギリでロープエスケープ。ハーフネルソンスープレックスからこん身のラリアットを振り抜いて決死の逆襲に出る。しかし、オカダは沈まず。掟破りの逆EVIL、逆レインメーカーを狙い合うスリリングな攻防になだれ込むが、オカダは大一番でしか出さない秘密兵器の変型開脚ドライバーをズバリ。1・4東京ドーム大会以来となるレインメーカーでダメ押しし、暗黒王を葬った。

 オカダが7ヶ月越しにEVILに雪辱。この日、行われたCHAOSとBULLET CLUBのシングル5連戦でも勝ち越しを決めた。マイクを掴んで「大阪城!」と絶叫したオカダは「凄い個人的なことを言わせてもらうと…すっきりしました。こういう状況の中、BULLET CLUBのクソみたいな戦いを皆さんにお見せしてしまって、本当に申し訳ありません。でも、今日の戦いで、皆さんもすっきりしていただけたんじゃないかと思います」と満足げ。完全復活の足がかりを掴んだレインメーカーは「でもさ、まだすっきりしてないのはわかってるんです。そろそろ行っていいよね? IWGPの戦いに行っていいよね?」と昨年1月から遠ざかっていたIWGPヘビー級王座の奪還を明言した。

 とはいえ、即挑戦が実現するとは考えておらず、「でも、やっぱり大人の世界には正しい順序というのがあるから、次から始まるNEW JAPAN CUPを優勝して、あの戦いに入っていこうと思います」と2年ぶり3度目のNJC制覇を次なる目標に掲げた。

 さらに、オカダは「俺はみんなの気持ちわかってるよ。二冠戦つまんねえなって」と昨年1月から続く二冠戦路線をバッサリと斬り捨てた。そもそも2本のベルトを同時に保持するようになった1つのキッカケは、オカダがファン投票を呼びかけたことにある。「俺がここ大阪で投票しようと言ってしまってから、つまらない戦いが始まってしまって。じゃあ、誰の責任? 俺の責任でしょう」と自らケジメをつける覚悟を見せたオカダは「しっかりNEW JAPAN CUP優勝して、IWGPヘビーのベルトを獲って、また新日本プロレス盛り上げていきたいと思います」と大阪のファンに誓って締めくくった。

 「今までたくさん乱入されてる僕が、クソつまんないなって思ってしまったっていうのは、相当なものがお客さんに伝わっていると思うんでね」と観客のフラストレーションを肌で感じていたというオカダ。だからこそ「やっぱりこういう元気のない世の中だからこそ、しっかりと、スカッとする戦いをお見せしないとダメだなと思ってたんで、それができてよかったと思います」と安堵の表情を見せた。

 「統一だとか、インターコンチだけだとか、そんなの関係なく、強いヤツがベルト巻けばいいんですよ。そんな単純なことなのに、なんか違うことで戦って“それってプロレスなの?"っていう。だったら普通にリング上で強い人が好き放題やればいいじゃん」と明確に現在の二冠路線に“NO"を突きつけたオカダは、「強ければ、NEW JAPAN CUP優勝して、IWGP戦って、強ければチャンピオンになるだけですから。まあ、そこに向かって、やっぱりみんながプロレス終わって“楽しかったね"っていうようなプロレスをしていきたいと思います」と宣言した。

 自身の言葉を現実にするためには、NJC制覇とIWGPヘビー級王座奪還が必要になる。再び新日本にカネの雨を降らすべく、レインメーカーはこの春から頂点まで一気に駆け上がる構えだ。

【試合後のオカダ】
――おめでとうございます。久々のメインイベントで勝ってのマイクパフォーマンスだったが、今の気持ちは?

▼オカダ「そうですね、気持ちいいですね。やっぱり、メインイベントで戦って、こういう1対1の戦いでしっかりとこうお客さんに伝わる戦いをして勝って、マイクを(手にして)話して締めるっていう、やっぱりこれが一番のレスラーの快感なんじゃないかなと思います」

――これまでBULLET CLUBの戦い方であったり、二冠戦についても少しリング上でコメントがあったが、そういった戦いに自身が不満を持っていた中で、自身の戦いを振り返ると、どんな気持ちでリングに向かった?

▼オカダ「まあ、やっぱり今までたくさん乱入とかされてる僕がクソつまんないなって思ってしまったっていうのは、相当なものがお客さんに伝わってると思ったんでね。やっぱり今日は皆さんにスッキリとしてもらう戦いをお見せすることが…まあ何にもかかってないですからね。ベルトもかかってない中で、こうやって(メインイベントを)やらせてもらって、そこはしっかり…僕が今日負けてたらえらいことになってたと思いますし、やっぱりこういう元気のない世の中だからこそ、しっかりとスカッとする戦いをお見せしないとダメだなと思ってたんで、それができてよかったと思います」

――2020年は少し苦しい結果となった中で、今日EVIL選手に勝って『行っていいでしょうか、IWGP?』と。久々にオカダ選手の口からIWGPという言葉を聞いた感があるが、今日の勝利でひとつ清算できたという気持ちもある?

▼オカダ「そうですね。まあ(昨年の)NEW JAPAN CUP(決勝戦)で負けた相手でもありますし、EVILは元二冠チャンピオンですから、そこは別に僕が名前を出してもいいんじゃないかとも思いますし。でもね、やっぱり“勝ちました。じゃあ次いきます"っていうよりも、すぐNEW JAPAN CUPがありますんで、そこを勝ち上がっていかないとダメかなと。まあ、何年か前も同じようなことを柴田さんに対して言ったと思いますし、それで僕が好き勝手やるのは違うと思いますんで、しっかりとやっていきたいなと思いますね」

――ベルトの統一だとか二冠戦だとか、いろんな論争が行われてる中で、やっぱりオカダ選手はIWGP(ヘビー級王座)にこだわる?

▼オカダ「そうですね。だってもう、つまんないでしょっていう二冠戦。なんで誰も口に出さないのかなと。それ、やっぱIWGPがあるからこそ、誰も何も言えないんじゃないかと思うんですけど。結局、二冠戦で楽しんでる2人たちが明日やるだけであって、誰も何も…もうなんだろうな、統一だとかインターコンチ(ネンタル王座)だけだとか、そんなの関係なく強いヤツがベルト巻けばいいんですよ。そんな単純なことなのに、なんか違うことで戦って“それってプロレスなの?"っていう。だったら普通にリング上で強い人が好き放題やればいいじゃんっていう。僕はそう思いますし、なんかそれでお客さんも戸惑ってるのもあると思いますし。まあ、強い人がチャンピオンなわけですから。もう散々なんですよ。そういうもので。ただでさえ、こういう状況で、いろいろと不満がある中で、プロレスでもそういう不満が溜まるようなことをしててもしょうがないですし。それは今回、僕もそうですし、また別のIWGP、その二冠の戦いに対してもそうだと思いますし。(そんなこと)関係なく、強い人がチャンピオンなんですよ。まあ別に統一だろうとインターコンチだけだろうと、僕は知ったこっちゃないですけど。チャンピオン…そしたら、強ければNEW JAPAN CUP優勝して、IWGP(ヘビー級のタイトルマッチを)戦って、強ければチャンピオンになるだけですから。まあ、そこに向かって。やっぱりみんながプロレス終わって“楽しかったね"っていうようなプロレスをしていきたいと思います」

――最後に、NEW JAPAN CUP優勝宣言も出たが、そこに向かって意気込みを。

▼オカダ「そうですね。まあNEW JAPAN CUP、まだ旗揚げ記念日(3・4日本武道館)もありますし、いろいろとまあプロレスでどんどん…もうこんなに、こういうコロナ禍の中でしっかりと試合ができてるっていうのは、他のスポーツでもないと思いますし、他のエンターテインメントの世界でもないと思うし、新日本プロレスだけだと思いますから、僕たちは胸を張ってですね、そういうことをしてるんだと。それをまた、プロレスファンの人にも胸を張れるように、しっかりと、つまらない戦いじゃなくて、みんなが元気になって明日も頑張ろうって思ってもらえるような試合をしていきたいと思います、その上で、NEW JAPAN CUPを優勝したいと思います」

※EVILはノーコメント

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