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2/28【新日本】棚橋がNEVER王座V1 オーカーンに大苦戦も鮮やか逆転勝利

『CASTLE ATTACK』大阪城ホール(2021年2月28日)
NEVER無差別級選手権試合 〇棚橋弘至vsグレート-O-カーン×

 棚橋が逆転勝利でオーカーンを返り討ちにし、NEVER王座初防衛に成功した。

 棚橋は1・30名古屋大会で鷹木との熱戦を制してNEVER王座初戴冠。試合後、オーカーンが襲撃して挑戦を表明し、1・4ドームで棚橋が勝利して以来となる両者の再戦がNEVERのベルトをかけて実現することになった。

 開始早々、オーカーンがエリミネーターを仕掛けたが、阻止した棚橋はモンゴリアンチョップをかいくぐって低空ドロップキックで先制した。場外戦になるとオーカーンがエプロンへのスタンガンで反撃して主導権を握る。俵返しで引っこ抜き、棚橋をコーナーに追い込んでその上に鎮座するとパロスペシャルで絞め上げた。

 しのいだ棚橋はフライングフォーアームで反撃を開始。太陽ブローとエルボーを連打し、ダイビングサマーソルトドロップを投下していく。ドラゴンスクリューを連発し、テキサスクローバーホールドで捕獲。耐えたオーカーンはココナッツクラッシュで反撃するものの自らの右足にダメージ。それでもブレーンバスター式フェースバスターで叩きつけた。すかさず変型フェースバスター、一回転式バックドロップと大技を連発し、エリミネーターを狙ってアイアンクローで捕らえたが、棚橋もアイアンクローで応戦。左張り手でオーカーンをねじ伏せた。

 手拍子に押されてスリングブレイドを狙って突っ込んだ棚橋だが、オーカーンはレフェリーを盾にして不発に終わらせた。レフェリーが昏倒するスキに、オーカーンは右ストレートをグサリ。棚橋への造反を迫っていた辻陽太にイスを渡すよう要求したが、辻は応じず。棚橋にイスを渡した。その上に鎮座した棚橋は突っ込んできたオーカーンをカニ挟みでイスに激突させ、ツイストアンドシャウトをお見舞い。オーカーンがエリミネーターを仕掛けてもスリングブレイドで切り返した。

 スタンドでのハイフライフローでたたみかけた棚橋だったが、正調・ハイフライフローは痛恨の自爆に終わる。ジョン・ウー、フライングフォーアーム、串刺しラリアットで畳みかけたオーカーンは、棚橋がスリングブレイドを連発しても、意地で立ち上がってカウンターのラリアットで応戦する。アイアンクローで捕らえたままバックブリーカーで担ぎ、そのまま旋回して豪快に叩きつけたが、エリミネーターは棚橋が回転十字固めで切り返してガッチリ。オーカーンは返せず、棚橋が逆転の3カウントを奪った。

 棚橋がオーカーンに連勝し、NEVER王座初防衛に成功。「俺自身にNEVERのベルトを巻く資格が今あるかどうか。NEVERを巻く日は、俺が納得して、納得した自分で初めて巻くんだと思います。それが明日かもしれないし、その先かもしれない」としていたが、この日も腰にベルトを巻くことはなかった。

 それでもオーカーンとの抗争の中で新たな目標が見えてきた。それはNEVERの変革だ。「正直言うと、NEVERの意味、扱い、存在、価値……もう考えに考えて、考え抜いて、メシ食っては考え、筋トレしては考え、寝る前に考えて……今のままじゃイヤだと思ったんです。みんなが抱いているNEVERのイメージを変えたい。時代も変わる。人も変わる。じゃあ、ベルトの存在価値も変わっていいんじゃないか」と棚橋。そのベルトの扱い方については、前王者の鷹木信悟やオーカーンからも苦言を呈されてきたが、棚橋は「俺、頑固なんで。信念があるんで。このNEVERのベルトと駆け上がったっていいじゃん。格付け? ランキング? そんなのクソ食らえ。俺が全部ひっくり返してやる。決して起きないことが、NEVER NEVER HAPPEN……二重否定で起こりうるんじゃないかな、と思うんですよ」と意に返さなかった。

 「ベルトへの気持ち……巻く巻かないはあるけども、リスペクトの気持ちがあるだけじゃダメかな? 横並びなんです、NEVERと棚橋は。一緒に駆け上がっていくんです」とベルトに対する思い入れをあらわにした棚橋は、「せっかく防衛したことだし、俺の野望を手っ取り早く言っときましょうか。IWGPまで引き上げてやる」と目標を高く掲げた。

 IWGPヘビー級王座でも、IWGPインターコンチネンタル王座でも独自の王者像を築き上げた逸材が、NEVERのベルトとどんな新風景を見せてくれるのか。棚橋の新たな挑戦は始まったばかりだ。

【試合後の棚橋】
▼棚橋「(※用意されたテーブルの上にベルトを置き、祝杯用の自身がデザインされた缶ZIMAを並べて)この感じ、久しぶり。(1・4)東京ドームからそれほど時間を置かずに今、再戦となりました。ただ正直言うと、NEVER(無差別級)の意味、扱い、存在、価値…もう考えに考えて、考え抜いて、メシ食っては考え、筋トレしては考え、寝る前に考えて…今のままじゃイヤだと思ったんです。みんなが抱いてるNEVERのイメージを変えたい。時代も変わる。人も変わる。じゃあ、ベルトの存在価値も変わっていいじゃないか。そして、それが俺にできる。スケールは小さいけども、(IW)GP(ヘビー級)、インターコンチ(ネンタル)の統一問題が、ベルト問題が話題になってる。棚橋がなぜNEVERのベルトを腰に巻かないか、ちょっと話題になってる。(NEVERのベルトが)嫌いじゃないんだよ。鷹木選手も言ってた。オーカーンも苦言を呈してきた。それでも俺、頑固なんで。信念があるんで。このNEVERのベルトと駆け上がったっていいじゃん。格付け? ランキング? そんなのクソくらえ。俺が全部ひっくり返してやる。決して起きないことが、NEVER NEVER HAPPEN…二重否定で起こりうるんじゃないかなと思うんですよ。まだいっぱい言いたいことがある。まだいっぱい言いたいことがあるけど、なに言うか忘れた。ただ、ベルトへの気持ち…巻く巻かないはあるけども、リスペクトの気持ちがあるだけじゃダメかな? 横並びなんです、NEVERと棚橋は。一緒に駆け上がっていくんです」

――もともとインターコンチネンタルにしろNEVERにしろ、最初に設立された時の意味合い、コンセプトとは変わっているが?

▼棚橋「だから、だからこそ、これからも変わることはありうる。せっかく防衛したことだし、俺の野望を手っ取り早く言っときましょうか。(※しばらくの沈黙ののち)IWGPまで引き上げてやる(※ベルトを右肩にかけて写真撮影を促しながら)いつになく真剣な顔で」

――考えてみれば「ベルトの価値はそれを持ってる者が決める」と昔から言われてきたが?

▼棚橋「それはね、チャンピオン1本の時代の話だし、時代の変化ですよ。選手もファンの気持ちも変化する。ベルトも変化し、たくさんベルトがある今だからこそ、面白いことやりますよ」

【オーカーンの話】「(※フラフラした足取りでコメントスペースへ。たどり着くなり崩れ落ちる)クソッ! クソッ! (※近くにいたスタッフに向かって)イス持って来い! (※イスに座ると上半身を起こし、前かがみながらも腕を組んで)最後に、逆転できてよかったな、棚橋。思い出したよ。そういえば貴様、疲れない男だったな。なめるなよ! 余はあきらめない男だ。名古屋で言った通りだ。何度だって、何度だって同じ目に遭わせてやる。辻、次からは貴様もいっぱしの選手として処刑してやる」

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