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2/28【新日本】デスペラードが悲願のジュニア初戴冠&二冠達成 ファンタズモ&BUSHIとの大混戦制す

『CASTLE ATTACK』大阪城ホール(2021年2月28日)
第89代IWGPジュニアヘビー級王座決定戦3WAYマッチ 〇エル・デスペラードvsBUSHIvsエル・ファンタズモ×

 デスペラードがファンタズモ、BUSHIとの3WAY戦を制し、高橋ヒロムが返上したIWGPジュニア王座を獲得。歓喜の雄叫びを挙げたデスペラードは悲願のIWGPジュニア王座初戴冠を果たすと同時に、IWGPジュニアタッグ王座を併せて二冠を達成した。

 左大胸筋断裂で全治半年と診断されたヒロムはIWGPジュニア王座を返上。ヒロムに挑戦する予定だったファンタズモ、ヒロムの指名を受けたロス・インゴの盟友・BUSHI、2・25後楽園大会でIWGPジュニアタッグ王座を奪回し、自ら名乗りを挙げたデスペラードの3人によって、新王者を決める3WAY戦が行われる運びとなった。デスペラードにとっては実に5度目の挑戦となった。

 序盤からそれぞれらしさを発揮しつつ、攻守が何度も入れ代わるシーソーゲームが続いたが、BUSHIとファンタズモが連続場外ダイブを決めたところで試合は大きく動く。ファンタズモは花道でデスペラードのマスクを引き裂き、ゴッチ式パイルドライバーを強行。デスペラードを叩きのめし、戦線離脱に追い込んだのだ。BUSHIとのシングル状態に持ち込んだファンタズモはTシャツを使ってのチョーク攻撃や股間踏みつけなどやりたい放題に暴れ回る。トーチャーラックスピニングネックブリーカー、ダイビングボディプレスと大技も面白いように決まった。

 凶器が仕込まれている疑惑のある右足のシューズでスーパーキックを狙おうとするが、別のマスクを装着したデスペラードがここでようやく帰還。怒り心頭の様子で、ファンタズモにスピアーを突き刺すと、場外に蹴散らし、ロープの間をすり抜けてのトペコンヒーロで突っ込んだ。リングに押し戻すと、ブレーンバスターから雪崩式ブレーンバスターの構えに。急行したBUSHIがファンタズモごとデスペラードにパワーボムを決めて、相手2人に大ダメージを与えると、リング上は大接戦に。

 BUSHIはファンタズモの右足をロープに引っかけて、延髄斬りを見舞って足止め。残るデスペラードにフィッシャーマンスクリューを決めると、コードブレイカーもさく裂した。が、ファンタズモがBUSHIを場外に投げ捨てて好機を横取り。デスペラードをスタイルズクラッシュ、VトリガーとBULLET CLUBの元リーダーの必殺技で攻め立て、片翼の天使へ。

 粘るデスペラードはこれをエル・エス・クレロで丸め込むと、スパインバスターからヌメロ・ドスに捕獲したものの、ファンタズモはさらに先を読んでクルリ。デスペラードは猛抵抗を見せるが、ファンタズモは疑惑の右足でデスペラードをのつま先を踏みつけ、腹部を蹴りつけ、さらにスーパーキックもクリーンヒット。CRIIに繋げて勝負に出る。

 勝負あったかと思われたが、BUSHIが浅見レフェリーの手を押さえてカウントを妨害。コードブレイカーでファンタズモの動きを止めると、エムエックスへ。が、回避したファンタズモはBUSHIが不時着した瞬間、スーパーキックを一閃。BUSHIはたまらず場外に転落した。

 ファンタズモは再びスーパーキックを狙うが、両足を開いて回避したデスペラードはロコモコ(ナックルパンチ)をズバリ。今度こそとピンチェ・ロコの構えに。ファンタズモがリバースしてもクラッチを離さず、ブリッジして立て直すと、ロコモーション式でピンチェ・ロコを2連続で畳みかけ、接戦を制した。

 5度目の挑戦でついに悲願のIWGPジュニア王座戴冠を果たしたデスペラードは勝利の雄叫び。IWGPジュニアタッグのベルトを合わせて3本のベルトを持ってカメラマンのフラッシュを浴びた。ヒロム欠場の非常事態の中、わずか5日間で二冠となったデスペラードが新日ジュニアの中心に立った。

 試合後、「俺、ぶっちゃけ、1回負けてるだろ? BUSHIがファンタズモのカバーを、レフェリーのこと止めてなきゃ、俺はもうそこで1回負けてた。それだけの削り合いの中で、唯一1回だけ俺チャンスあった。その一瞬で、なんとかなった。ただそれだけ。試合を見てみろ。コントロールしてるのは全部ファンタズモだ。チクショー……。こんなんで勝ったと言えるのか?」と悔しさをあらわにしたデスペラードだったが、「だけどな、あの3WAYで、結果その3WAYの勝者にベルトがある。どこに出したって恥ずかしくない一流のベルトのはずですよ」と王者としてのプライドを垣間見せた。

 「背中を押してくれたノブさんがいたから獲れたシングルだ」とパートナーの金丸義信に感謝を示したデスペラードは、「どんな楽しいことを考えようかなあ……。ただ、シングルでファンタズモにお礼参りしないとな。このまま帰って、もう日本に来ませんなんつってよ……。俺が向こうまで行ってやる」とファンタズモとの決着戦を見据えていた。

 メイン後にはIWGPジュニア初挑戦の舞台で敗れた因縁がある二冠王・飯伏幸太に宣戦布告し、3・4日本武道館大会での対戦が決定的に。王者として早くも次なる動きを見せたデスペラードがこの春から新日本ジュニアをけん引していくことだろう。

【デスペラードの話】「(※両肩にIWGPジュニアタッグのベルト2本をかけ、手にIWGPジュニアヘビー級のベルトを持ってコメントスペースにやってくる。その3本のベルトをテーブルに並べてイスに座り)挑戦する前に言ったよな。『1回、(ベルト)返上の段階で伝統は途切れちゃってる』って。あとになって調べたらヒロム、前回もな、首やったときで、あれも返上だろ、確か。プツンプツン…ベルトの価値は落ちねえとは思うが、伝統ってのは途切れてるわけだ。で、その一発目が大事な試合じゃん。トーナメントやるなりさ、なんなりしてさ、今やれる状態で挑戦者決めて、代表相手にシングルマッチでもやればいいんだけど、今回、大阪でな、ポッカリ穴が開いてな、ヒロムがBUSHIを指名した。ファンタズモはいいよ。あいつももともと挑戦者の権利あんだから。(問題は)俺だ。要はしゃしゃり出たわけだ。それでこのように3WAYとして(カードが)決定して。はっきり言やあよ、シングルのベルトなのに3WAYってどういうこと? な? 1対1のタイマンの強いヤツのベルトだろ、ホントはよ? でもな、どうしようもない3WAYじゃなかっただろ? ファンタズモ、BUSHI…俺なんか…あの2人が相手でよかったぜ。(※IWGPジュニアのベルトを叩いてから立てて)返上して、チャンピオンに勝ってないヤツがチャンピオンに勝って、価値は落ちたか? あの試合見て、あんなヤツらと戦って…俺ぶっちゃけ、1回負けてるだろ? BUSHIがファンタズモのカバーを、レフェリーのこと止めてなきゃ、俺はもうそこで1回負けてた。それだけの削り合いの中で、唯一1回だけ俺にチャンスあった。その一瞬でなんとかなった。ただそれだけ。試合見てみろ。コントロールしてるのは全部ファンタズモだ。チクショー。こんなんで勝ったといえるか? だけどな、あの3WAYで結果、その3WAYの勝者にベルトがある。どこに出したって恥ずかしくない一流のベルトのはずですよ、あの試合選んだからには。で、ここ大阪な。俺が初めてIWGP(ジュニアの)シングルに挑戦した場所、知ってる? 知らんだろ? 俺も忘れてたよ。大阪なんだ(2014年2・11大阪府立体育会館。当時の王者は飯伏幸太)。(※立ち上がりながらIWGPジュニアタッグのベルトを手にして)もちろん、これは俺とノブさん(金丸義信)の誇りと、いろんなもんの塊で、背中を押してくれたノブさんがいたから獲れた(IWGPジュニアの)シングルだ。どんな楽しいこと考えようかなあ。ただ、シングルでファンタズモにお礼参りしないとな。このまま(ファンタズモが英国に)帰って、もう日本に来ませんなんつってよお。(そんなこと言うようなら)俺が向こうまで行ってやる」

【BUSHIの話】「(※コメントスペースにたどり着くなりヒザから崩れ落ちる。大きく息を切らせながら上半身を少し起こして)正直さ、ヒロムのためだとか格好つけたけど、そりゃあ自分自身のためだよ、一番は。一番は自分自身のためだよ。俺がIWGPジュニア、シングルのベルトあきらめたら、もう終わりだろ。(※ゆっくり立ち上がりながら)でも、今日のチャンスでものにできなかった。それだけだ」

※ファンタズモはノーコメント

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