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3/3【スターダム】岩谷が世志琥との同期再会対決制す 「これから一緒の未来を味わってみたい」

『レック Presents スターダム10周年記念〜ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA〜』東京・日本武道館(2021年3月3日)
〇岩谷麻優vs世志琥×

 岩谷が世志琥との同期再会対決に快勝。ノーサイドで握手を交わした両者は口をそろえてネクストを希望した。

 現在SEAdLINNNGに所属する世志琥はスターダム旗揚げ戦となった2011年1・23新木場大会のメインイベントでデビュー。3年7ヵ月後の2014年8月には第4代ワールド・オブ・スターダム王者に君臨した。2015年2・22後楽園大会で安川惡斗に重傷を負わせたのが原因で一度は引退したものの、2016年2月にSEAdLINNNG所属となって復帰。電流爆破マッチに挑戦するなど新境地を開いてきた。

 そんな世志琥が古巣・スターダムに高橋奈七永とともに殴り込んだのが昨年12・26後楽園大会。「スターダムは正直本物の女子プロレスだと思ってない。SEAdLINNNGが一番熱いし刺激的」と挑発的な言葉とともに古巣に宣戦布告した。

 迎え撃つのは“スターダムのアイコン"を自負する岩谷。世志琥と同じくスターダム旗揚げ戦でデビューし、後塵を拝し続けたものの、ワールド・オブ・スターダム王座を2度戴冠するなど、この10年間でスターダムの主要タイトルを総なめ。世志琥が去ったあとのスターダムをまさに団体の象徴的存在として支えてきた。そして10周年記念大会となったこの日の武道館で、同じ1期生・世志琥との同期対決を迎えた。

 試合前から世志琥は中指を突き立てて挑発。ショルダータックルをぶちかまして先制し、顔面ウォッシュ、サッカーボールキック連打と荒々しく攻め立てると、足取り式の変型卍固めで捕らえた。岩谷はフライングヘッドシザースで反撃し、トペスイシーダ、ミサイルキックを次々に発射したが、ドラゴンを阻止した世志琥が急角度の逆片エビ固めで拷問。すかさずダイビングセントーンで腰を狙い撃ちした。

 なおも世志琥が正調ダイビングセントーンを投下したが、岩谷は逆打ちで叩きつけて逆襲。一気にドラゴンスープレックスを仕掛けると、世志琥は意地で決めさせず。ならばと岩谷はジャーマンで投げ、世志琥のラリアットをキャッチしてドラゴンスープレックスを爆発させた。

 世志琥も3カウントを許さない。岩谷が放ったムーンサルトを両足で撃墜した。意地のエルボー合戦は岩谷がフルスイングの一撃で押し込んだが、世志琥は頭突きで徹底抗戦。ショートレンジラリアットを連打すると、アティテュードアジャストメントを敢行し、ダイビングセントーンを放った。

 だが、岩谷はいずれも肩を上げる。世志琥のカミゴェをかいくぐった岩谷はトラースキック、顔面蹴り、トラースキックと蹴りまくって一気に挽回。二段式ドラゴンスープレックスでニアフォールに追い込むと、ムーンサルトプレスを発射して3カウントを奪った。

 岩谷が世志琥との同期対決を制した。団体の威信を背負った対抗戦だったが、試合後はノーサイド。「世志琥、6年ぶりに試合してくれてありがとう。6年前と何にも変わってないって言おうと思ったけど、めちゃくちゃやっぱり強かった」と感謝と敬意を表した岩谷は「何回も心折れそうになったけど、自分はスターダムのリングで10年間やってきた。世志琥ちゃんもSEAdLINNNGのリングでずっと引っ張ってきた。今までは別々の道だったかもしれないけど、これから違う一緒の未来っていうのを自分は味わってみたいなと思いました」と世志琥とのネクストを希望。「本日はこの日本武道館という舞台で世志琥ちゃんと、世志琥選手と戦えてよかったです。ありがとうございました」と改めて感謝した。

 一方、世志琥も「岩ちゃん…岩ちゃんじゃない。岩谷、おめぇ強くなってんじゃねぇかよ。マジで悔しいけど、お前がアイコンって呼ばれるその理由が今日この武道館で岩谷麻優とシングルをやってわかった気がしました」と岩谷を認めると、「ウチの同期はスターダムにお前しかいないんだよ。ウチが生まれたスターダムにお前しかいないんだよ。だからウチはお前との未来をこれからもずっとつなげていきたい」とこちらも続きを希望。岩谷が右手を差し出すと、世志琥も握手に応じた。

【岩谷の話】「勝った。勝った。10年間、10年間やってきたことが無駄じゃなかった。やめなくてよかった。その一言だけ…」

【世志琥の話】「ありがとうございました。スターダム10周年、この日本武道館で試合する。その中で自分が岩谷とシングルができたのも奇跡だと思うし、何だろう。岩谷とも自分はやめてから試合とかも一切みてなかったし、あんなに強くなってるとは正直思ってなくて、びっくりしたんですけど、お互い別々の道を今までこの6年ぐらい歩んできて、やってきたこともお互い違うと思うし、でも自分はその中でも自分なりにいろんなところでいろんな経験を積んでやってきたという自信があったんで、今日も負けるつもりも一切なかったんですけど、今日は正直、本当に負けて悔しいけど、勝ち負けじゃない部分というのも自分の中にはあって、それが結構でかくて、岩谷から試合後にああいうマイクを言ってくれて、自分も今日、岩谷と試合して思ったし。本当にやめなくてよかったなって改めて思ったし、自分には最高の同期がまだまだ日本に、そしてスターダムにいるんだなって改めて今日思い知らされました。今日の収穫は自分のこの10年間の中で凄い大きいものだったと思います。だからこそ、ここで終わらせたくないし、ここからつながるものを作っていけば、もっともっと明るい女子プロレスの未来を見せられると思うんで。今日は岩谷とシングルマッチできてうれしかったけど、このままで済むと思うなよ。そこんとこ、よろしく」

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