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3/7【新日本】ザックが技巧戦制して2回戦へ 2年連続初戦敗退もキッド大善戦「目指す道がハッキリ見えた」

 『NEW JAPAN CUP 2021』アイメッセ山梨(甲府)大会が7日、行われ、ザック・セイバーJr.が技巧戦となったゲイブリエル・キッドとの英国対決を制して2回戦に進出。2年連続で1回戦敗退に終わったものの大善戦したキッドは「今日やっと自分の目指す道がハッキリと見えた。イギリスのプロレスをもっと世界中に広めていきたい」と方向性を見出した。

 2018年覇者のザックは1・4東京ドーム大会でタイチと保持していたIWGPタッグ王座から陥落し、現在は無冠。3年ぶり2度目の優勝を狙うNJCは失地回復を図る絶好の舞台となる。対するキッドは2年連続2度目の出場。昨年は石森太二に敗れて1回戦敗退に終わっている。その後も上位陣からの結果を出せない日々が続いているが、その成長ぶりは目覚ましいものがあり、NJCで飛躍のきっかけをつかみたいところだった。

 試合は英国対決ならではの技巧戦が展開された。相手の両腕をクロスしての変型スリーパーを決め合うなど一進一退にせめぎ合うと、キッドがヘッドシザースと足首固めの複合技を決めて食らいつけば、ザックもチキンウイングアームロックで捕らえて譲らない。

 ロープワークを駆使して試合が動き出すと、読み合いの末にザックがネックツイストで先手を取った。エルボースマッシュ、フロントハイキック、ミドルキックと打撃を織り交ぜつつ、チキンウイングアームロックで捕獲。ニアロープで獲り逃しても、ネックロックでねちっこく絞め上げた。しのいだキッドは足関節を狙ったザックを丸め込み、師匠・柴田勝頼ばりにコーナーに追い込んでのエルボー連打でねじ伏せると、張り手の打ち合いにも競り勝って気を吐いた。

 だが、ザックが脇固めで捕まえて自分の流れに持ち込む。ローキックで何度も胸板を蹴り飛ばすと、引かないキッドもドロップキックをカウンターでさく裂。フロントネックロックで絡みついたザックを垂直落下式ブレーンバスターで突き刺し、ジャーマンで追い討ちをかけたが、ダブルアームスープレックスは決められず。これを腕取り式のコブラツイストで切り返したザックが三角絞めで絡みつき、粘るキッドをギブアップさせた。

 キッドとの英国対決を制したザックが2回戦進出を決め、3年ぶり2度目の優勝へ向けて好スタートを切った。「思ったより時間はかかったけど、だから何だって言うんだ? 俺にとって久々のシングルだったからゆっくり時間をかけてやったんだ」と言い張ったザックは「カツヨリはどこだ? (日本語で)ゲイブ、サビシイね? やっぱりゲイブはLA道場から追い出されたんだと思う。ペットが病気になったら飼えないって捨てる家族がいるけど、動物の保護活動をしている俺からすると本当に悲しいよ。でもゲイブは見た目もブサイクだからな」と言いたい放題にキッドをこき下ろした。

 ザックの2回戦は3・14尼崎大会。相手はこの日のメインで天山広吉を破ったウィル・オスプレイに決まり、再び英国対決に臨む。

 一方、大善戦したキッドは無念にも2年連続で1回戦敗退に終わった。それでも英国仕込みのテクニックで渡り合い、互角に近い展開に持ち込んだことで、「今日のこの試合を通して、また新たな学びがあった。これまでも分かってるつもりでいたけど、今日やっと自分の目指す道がハッキリと見えた」と気づきがあった。

 それは「イギリスのプロレスをもっと世界中に広めていきたい」というものだ。「イギリス人レスラーとして日本、アメリカ、そしてヨーロッパ全土のリングに上がってきた、俺たちイギリスプロレス界の可能性を開いてくれた先駆者だ」とザックに敬意を表したキッドだが、今度は自身が「イギリスのプロレス界にとって、未来のリーダー的存在」となって母国のプロレス界をけん引していくつもり。師匠・柴田からも「もう次の段階に進む時が来た」と背中を押されており、キッドは「これからの俺がどうなるのか見守っていてほしい」と現状打破を見据えて言い切ってみせた。

【ザックの話】「まあ、思ったより時間はかかったけど、だから何だって言うんだ? 俺にとって久々のシングルだったからゆっくり時間をかけてやったんだ。楽しかったよ。これでますます気合いが入ってきた。ピーター・ガブリエル、お前がNEW JAPAN CUPでこの俺と対戦できるなんて相当恵まれてるぞ。カツヨリはどこだ? (日本語で)ゲイブ、サビシイね? やっぱりゲイブはLA道場から追い出されたんだと思う。ペットが病気になったら飼えないって捨てる家族がいるけど、動物の保護活動をしている俺からすると本当に悲しいよ。でもゲイブは見た目もブサイクだからな。“本物"のピーター・ガブリエル以上にブサイクだ。シバタ、いつか絶対、お前の居場所を突き止めてやる」

【キッドの話】「最近、俺は人間として、そしてプロレスラーとしていろんなことを学んでいる。そして今、俺は敗者としてここでコメントをしているが、今日のこの試合を通して、また新たな学びがあった。これまでも分かってるつもりでいたけど、今日やっと自分の目指す道がハッキリと見えた。多くのイギリス人レスラーがザック・セイバーJr.を目標にしている。ザックはイギリス人レスラーとして日本、アメリカ、そしてヨーロッパ全土のリングに上がってきた、俺たちイギリスプロレス界の可能性を開いてくれた先駆者だ。今はニュージャパンのリング一本で戦ってる。だけど、イギリスのプロレス界にとって、未来のリーダー的存在がいるだろうか? 自分がその一人になって、イギリスのプロレスをもっと世界中に広めていきたい。それがこれからの俺にできることだと思う。でも今のままじゃ全然ダメだ。今の俺に何ができる? シバタサンのインタビューを読んだけど、俺はもう次の段階に進む時が来たと言っていた。これからの俺がどうなるのか見守っていてほしい。(日本語で)アリガトウゴザイマシタ」

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