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3/13【DDT】岡田佑介インタビュー 後楽園メインでユニバ王座挑戦「“良い試合"ではなく“俺が獲る試合"する」

 あす(14日)のDDT後楽園大会メインイベントで岡田佑介が上野勇希の持つDDT UNIVERSAL王座に挑戦する。

 昨年末に全日本を退団してフリー転向。師・秋山準の背中を追ってDDTマットに足を踏み入れた。

 28歳、キャリア4年での一念発起。今でも全日本は“大好き"だが、それ以上に秋山への思いと、新世界への探究心が勝った。

 「DDTでの居場所は自分で作れ」。秋山からもそう言われた。同じ大阪出身でキャリアも近い上野には1・23大阪大会の一騎打ちで敗れているが、「これから大きくなりたい人」を挑戦者を募った上野に挑戦表明。後楽園メインでの王座挑戦をつかんだ。

 参戦わずか2ヶ月で自ら動いてつかんだチャンス。存在証明の絶好機へ“命がけ”の覚悟を口にした岡田に心境を聞いた――。


【岡田佑介インタビュー】

――改めてDDTに新たな戦場を求めた理由は?

▼岡田「ファンの人もなんとなく想像していたとは思うんですけど、やっぱり自分には秋山準という師匠の存在が大きかった。全日本プロレスに対するこだわりは正直大きくて、いまだに全日本プロレスは大好きな団体です。ただ、プロレスもそうだし、プロレス以外の部分でも教わってたのが、付け人をやってた秋山さん。あの人に教えてもらったことは……プロレスも、プロレス以外のことも一番だと思ってるし、全日本プロレスで拾ってもらったのも秋山さんだと思っているので。それで秋山さんがDDTにレンタル移籍することになった時、なんとなく『もう全日本プロレスに戻ってくることは無いのかな』って思っていたんですけど、最初は正直、秋山さんがDDTで試合をするってことに全然イメージがつながらなくて。ただ、自分自身も殻を破らないといけないといけないと思っているなか、幅を広げるという意味で、新しく違う人達から吸収することも大事なんじゃないかなと思うようにもなって。その意味ではDDTが一番適してるんじゃないかな、とも思うようになって。僕自身は別にあの団体、この団体の…っていうんじゃなくて、プロレスすべてのファンでもあるから、いろんなプロレスに触れてみたいし、DDTのプロレスを吸収したいと思ったから…っていうのが理由ですね」

――DDTに対する抵抗感のようなものはまったくなかったと?

▼岡田「はい、全日本の頃に他団体にたくさん出ていたワケではないですけど、そこは他団体に出ようが自分の色が変わらずにやるのは同じことであって。抵抗はなかったですけど、戸惑いはありましたね。僕がやってるプロレスがお客さんとまったくシンクロしないというか。全日本だったらお客さんの拍手が来るような場面でも、DDTだと『ん? 何やってんの?』みたいな空気を凄く感じる…っていうのがあって。そこを悩んで、それこそ秋山さんにも相談したし、DDTでやってる大石(真翔)さんにも相談して。だけど『そのままでいい。貫き通したほうがいい』と言ってもらえて。助言ばかりもらってると思われるかもしれないんですけど、僕は“他人の話を聞ける人間が自分のものを生み出せる"と思ってるので」

――掴めてきているものもある?

▼岡田「まだ確信持って『つかめました!』とはまだ言えないですけど、なんとなく認知されてきたとは思います、DDTのファンの方々に。だからこそ自分がどういうインパクトを残すのは大事だと思うんで、『何やってんの?』と思われても、浸透させるまでやっていって、そうすれば“岡田佑介"ってレスラーが徐々に染み付いていくと思う。今はその段階ですね」

――その中で自分の居場所を作る意味でもベルトは必要だと?

▼岡田「そうですね。安易っちゃ安易ですけど、チャンピオンだったら周りが何も言えないと思うんで。会社もチャンピオンを出さないわけにはいかないでしょうし。ただ、今回は“ベルト"という要素よりは、1月に上野選手とシングルマッチをやって負けていて、そのリベンジっていう意味合いが本質的には一番強いのかな、と。もともと1月のシングルで勝ってたら『ベルトよこせ』って言おうとは思っていたんですけど、負けてしまったし、何も触れずに終わっていて。ただ、上野選手が川崎大会で防衛して“これから大きくなりたい人"を募集した時、もう『これは俺に投げてるな』と思ったんで。大阪の試合の後は『組もう』みたいな話もしていたんですけど、やっぱり負けた事実も直視しないといけないな…と。だから『もう一回やらせてほしい』と。しかもタイトルマッチ。だから、プロレス入って本当に言ったことなかったんですけど『死ぬ気で獲りにいきたい』『命がけで』と会見でも言わせてもらいました。『命がけで』とか『死ぬ気で』っていうのは、口に出すまでも無いことだと思ってたし、軽々しく言うことでもないと思っていたんですけど、あえて言おうと。それだけマジで、自分を追い込む意味でも」

――改めて上野勇希の印象を

▼岡田「僕の中では“スーパーヒーロー"なんだろうな、って。実は僕も“スーパーヒーローになりたい人"なんですけど、自分自身のスタイルから考えて、もしかしたら“ヒーロー"くらいにはなれるかもしれないけど、スーパーヒーローにはなれないんだろうな…って。上野選手はやっぱり“生まれ持ったもの"“天性のもの"がありますよ。プロレスの試合でもそうだし、コメントでもそうだし、お客さんの上野選手に対する反応もそうだし。やっぱり彼はスーパーベビーフェイスのスーパーヒーローやと思うし。前までの僕やったら、そういう選手を『潰してやろう』『引きずり下ろしてやろう』とかムキになってたと思うんですけど、そういう気持ちにならないというか。スーパーヒーローに正々堂々と立ち向かいたい、っていう気持ちが強いというか、そういう気持ちしかない。上野選手のことを落とすようなことは何も思ってないし、僕は本当は“相手を落としたい"タイプなんですけど、そもそも彼にそんなことを言っても無駄だってことも分かったので」

――確かに天真爛漫としていて、のれんに腕押しというか、不思議なタイプではある

▼岡田「はい、でもそれが不快じゃないんですよね。スカされたり、かわされたりしても『ナメてんのか?』って感情が出てこない。だからそういう意味でもスーパーヒーローなんだなと」

――ユニバーサルのベルトに対する思いは

▼岡田「ぶっちゃけ…上野選手が聞いたら不快かもしれないですけど、このベルトの価値というものは正直分かってない。上野選手が巻いてるベルト、その上野選手が磨きをかけようとしているベルトだから獲りにいきたい。それが一番。調べたら、まだまだ真新しいベルトで、まさにこれから価値を上げていく、というベルト。だからこそ上野選手も『まだまだ王者としてやりたいことがある』と言ってたと思うんですけど、僕はその上野選手からベルトを引っ剥がして、自分がやりたいことをやっていきたい。でも、そうなっても俺はずっと言い続けますよ。『俺はあの上野勇希から獲ったんだ』って」

――“世界"をコンセプトにしたベルトだが、海外を回りたい、外国人選手と闘いたい…という思いも特段なく?

▼岡田「そうですね。そこは獲ってからの景色になってくると思うんで、獲った後にどう心境が変わるか…ですかね。世界どうこうって言っても…まぁ僕は『自分が世界じゃ』って思ってるんで(笑)」

――秋山がKO-D無差別を持っているタイミングで、自身もユニバーサルを獲ることができたら何かの意味合いも生まれそうだが?

▼岡田「そうですね。秋山さんがKO-D無差別のベルトを持ってて、俺がユニバーサルを獲ったら単純に面白いでしょう。DDTの選手はよく思わないでしょうね。そこで噛み付いてきた選手に、言い返せないようなことを言ってやろうとは思ってるんで。DDTの選手はあんまり噛み付いてくるタイプはいないように思うんですけど、自分は“噛みつかせたい"って思いも強くて。そういう選手がいるんだったら、俺はそういう選手とやって跪(ひざまずか)かせたい!」

――揉めていた渡瀬瑞基は左腕を骨折して欠場中だが?
▼岡田「まぁまぁ、名前も出す価値もないところへ言っちゃいましたけど。俺に居場所どうこう言っといて、自分の居場所がなくなってますから。俺がベルトを獲ったとして、彼と闘うことになったとしても、(渡瀬)自身のしょっぱさを証明する試合にしかならないと思うんで、しっかり修行を積んでから俺にはかかってこい…って感じですね」

――改めてDDTでの存在を証明する大一番、かつDDT後楽園のメインイベントでの試合となるが、どんな勝ち方を?

▼岡田「ぶっちゃけDDTのファンの皆さんが喜ぶような勝ち方にはならないかな…と。ファンの人が喜ぶこと、見たいものを提供するのがプロレスラーだと思ってるんですけど、それはベルトを獲ってからの話にしたいなと。お客さんを意識しないのは絶対ダメだとは思うんですけど、今回の一戦に関しては、お客さんのことを無視してでも。それくらい本気で獲りにいく。だから“良い試合"じゃなくて“俺が獲る試合"をしたいと思います。どんな姿をさらしても、何がなんでも勝つ!」

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