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3/18【全日本】全日本初ワンマッチ興行 石川がWボードデスマッチで葛西粉砕 GAORA王座奪還で「狂道」化阻止

『特別興行 血闘 葛西純 対 石川修司〜CRAZY MONKEY vs GIANT〜』東京・新木場1stRING(2021年3月18日)
GAORA TVチャンピオンシップ ガラスボードボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデスマッチ 〇石川修司vs葛西純×

 全日本史上初のワンマッチ興行で石川が葛西を「ガラスボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデスマッチ」で粉砕。相手の土俵での勝利で「狂道・全日本」化を食い止め、GAORA TV王座を奪還した。

 歴代王者が特色を打ち出してきたGAORA王座。葛西が手にしてからはベルトの色のように戦い模様が血に染まってきた。1・3後楽園大会でヨシタツをTLCマッチで破ってベルト奪取すると、1・24後楽園大会における初防衛戦ではブラックめんそーれを竹串の刑に処したうえで返り討ち。「王道・全日本プロレスでこの葛西純とデスマッチってやってみるっていう骨のあるヤツはいねえのか?」とついにデスマッチを要求し、「王道・全日本を狂道・全日本にする」と宣言した。

 これに名乗りを上げたのが元デスマッチファイターでもある大巨人・石川。「全日本プロレスはデスマッチ団体じゃない。ただ、やれっていうんだったら、やれるのは俺しかいねぇ」と出陣を決意した。しかも通常の全日本とは別枠扱いとすることを要望し、団体初のワンマッチ興行で実現することになった。

 試合形式は「ガラスボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデスマッチ」。二つのボードがコーナーに設置され、テーブル、ラダー、チェアー、そして+αの蛍光灯がリングに置かれると、葛西は十字架カミソリボードを持ち込む。異様な雰囲気の中、両者が対峙し、血闘のゴングが鳴らされた。

 序盤こそ正攻法のせめぎ合いで幕を開けたが、葛西が竹串を石川の脳天に突き刺し、デスマッチの様相を呈していく。負けじと石川は葛西を有刺鉄線ボードに投げつけると、ボードの破片を食い込ませながらのSTFで拷問。さらにガジェット攻撃を見舞い、葛西の急所にラダーをセットし、イスで何度も殴りつけた。

 だが、葛西もラダー上へのブレーンバスターで逆襲。リングサイドに設置したテーブルの上に石川を乗せ、パールハーバースプラッシュを発射した。カミソリボードによる殴り合いも制して石川の脳天から大出血させると、カミソリボードへのリバースタイガードライバーを狙った。

 これを阻止した石川はボディスラムで葛西をカミソリボードに投げつけてペースを奪い返す。花道に退避した葛西を捕まえ、リング上にセットしておいたガラスボードめがけてスプラッシュマウンテンで投げつけた。すかさずランニングニーリフト、ファイアーサンダー、蛍光灯を利しての串刺しランニングニーリフトで一気にたたみかけた。

 沈まない葛西は蛍光灯を手にした石川にラリアットを叩き込んで逆転。ガラスボードに血で十字架を書いてセットし、ラダーに上がると、雪崩式攻撃を狙った石川に「デスペラード!」と叫んでの右ストレートをさく裂。石川がガラスボード上に落下すると、葛西はパールハーバースプラッシュで勝負に出た。

 石川も意地で3カウントを許さない。ファイアーサンダーで逆襲し、ラリアットの打ち合いも制した。ナックルパンチによる殴り合いを葛西が競り勝っても、宮原殺し2019で鎮圧。スプラッシュマウンテンを敢行すると、葛西も1カウントで返し、中指を突き立てて意地をみせたが、石川は蛍光灯を利してのカミゴェをぶち込むと、ジャイアントスラムで豪快に叩きつけて28分41秒に及んだ死闘に終止符を打った。

 石川が葛西との血闘を制し、GAORA王座を奪還。葛西が掲げた「狂道・全日本」化を食い止める形となった。「プロレスも非現実の世界ですが、デスマッチファイターはやっぱり凄い。尊敬する存在で、その中でもデスマッチのカリスマ、いや神様、そのデスマッチの神様・葛西純とデスマッチルールで戦えてうれしかったです」と敬意を表した石川は、「今日の葛西純といい、他のデスマッチ団体も体を張って凄い試合をしています。でも全日本プロレスは一番面白い団体に俺がしていきます。汗でも、何ならデスマッチじゃないけど血でも流して、体を張って、この団体を一番面白い団体にしていく」とこれからは全日本らしいやり方で盛り上げていく構えをみせた。

 GAORA王座はこれが初戴冠。「葛西純が価値を跳ね上げたベルト、めちゃめちゃ重いベルトになりました。でも俺は俺のやり方でこのベルトをもっと価値のあるベルトにしていきます」と誓った石川はこれから始まる防衛ロードを見据え、「もしフリーで全日本のリングに上がりたい、名を上げたい、そういう奴がいたら俺はどんどん来てほしいと思ってるんで、面白い奴がいたら無差別でもジュニアでも関係ないから。このベルトかけて戦って、やりたい」と広く挑戦者を募った。

 「全日本所属として最初で最後のデスマッチ」の決意とともに臨んだデスマッチで石川は「昔思ったデスマッチハイというか、最初は痛くて痛くてたまんなかったけど、その痛みが興奮なのか快感なのかわからないけど変わる瞬間」と久々の感覚を味わうことができた。また、葛西との戦いを通じて「自分の年齢を考えたらおとなしくてもいいかなという思いもあったんだけど、葛西純というエネルギーを前にして、それは必要ないなって。もっとギラギラしていいんだって教えられた気がします」とまだまだ最前線で戦っていく思いを強くすることもできた。

 全日本のリングでのデスマッチ開催には批判的な声もあった。「正直、僕も途中から入ってきた人間だから、王道とは?と言われたら僕はわかんない」とした石川は「俺が全日本にいる間はずっと全日本が一番面白い団体だって言わせたいと思ってるんで。そういう外野の声は無視して、それをとことん追求したい」と己が信じる道を突き進む構え。当然、GAORA王座戦線でもそれを有言実行していく。

【試合後の石川】
▼石川「何か昔思ったデスマッチハイというか、最初は痛くて痛くてたまんなかったけど、その痛みが興奮なのか快感なのかわからないけど変わる瞬間…自分の年齢を考えたらおとなしくてもいいかなという思いもあったんだけど、葛西純というエネルギーを前にして、それは必要ないなって。もっとギラギラしていいんだって教えられた気がします。でも、リング上で言った通りデスマッチは全日本所属として最後って言ったんで、だからお客さんもこれだけたくさん来てくれたと思うし、嘘はつかずに違うことでこのGAORA TVのベルトの価値を上げて、全日本をリング上で言った通り一番面白い団体にしていきたいなと」

――批判の声もあったが、それを吹き飛ばす戦いができた?

▼石川「途中ね、声は聞こえてきましたけど、正直、僕も途中から入ってきた人間だから、王道とは?と言われたら僕はわかんないし。ただ、一番面白いものを見せられる団体でいたいとずっと思ってるんで。俺が全日本にいる間はずっと全日本が一番面白い団体だって言わせたいと思ってるんで。そういう外野の声は無視して、それをとことん追求したいと思います」

――葛西選手が獲って価値が跳ね上がったと表現したベルトをこれから背負うことになるが?

▼石川「僕もデスマッチは4年ぶりぐらいだったかな。やっぱりその昔があって今、所属として、全日本の一員として頑張ってるんで。もしフリーで全日本のリングに上がりたい、名を上げたい、そういう奴がいたら俺はどんどん来てほしいと思ってるんで、面白い奴がいたら無差別でもジュニアでも関係ないから。このベルトかけて戦って、やりたいなと思ってます。だから、どんなフリーでもいいし、他団体だったら、その団体の許可を得ないとダメかもしれないけど、どんどん来てもらって、全日本のリングでこのベルトかけて勝負したい。待ってます。決めるのはPWFかな。俺じゃないんですけど、助力はしますんで」

※葛西はノーコメント

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