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3/20【新日本】地震発生で異例の中断も初代IWGP世界王者・飯伏が初陣快勝、ジェイはNEVER王者・棚橋に挑戦要求

『NEW JAPAN CUP 2021』宮城・ゼビオアリーナ仙台(2021年3月20日)
○飯伏幸太&棚橋弘至&オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイト&KENTA&高橋裕二郎×

 試合中に宮城沖地震が発生。異例の試合中断となったものの、飯伏が初代IWGP世界ヘビー級王者としての初陣に快勝。一方、ジェイは「史上初の4冠王」を新たな目標に定め、NEVER王者・棚橋に挑戦を要求した。

 3・4武道館大会でエル・デスペラードとの二冠戦を制し、初代IWGP世界王者となった飯伏。4・4両国大会でNJC覇者との初防衛戦を控える中、この日、王者としての初陣に登場した。しかもNEVER王者・棚橋、オカダと豪華トリオを結成。ジェイ&KENTA&裕二郎のBULLET CLUBトリオを迎え撃った。先入場の豪華トリオ。3人が並び立つと壮観そのものだったが、オカダは3人並んでの写真撮影を拒否。不穏なムードが前触れだったかのような事態が待っていた。

 試合前からジェイに挑発された飯伏は先発を買って出てジェイと向き合った。エルボーやストンピングでめった打ちにされてもレッグラリアットですぐさま反撃。ジェイを自陣に連れ込むと、オカダが飯伏の背中を強めに叩いて交代。ロープ越しのサマーソルトドロップを投下した。

 そしてBULLET CLUBが場外戦に持ち込んでペースをつかもうとした18時9分、強い揺れが会場を襲った。宮城県沖で最大震度5強の地震が発生したのだ。このため試合が一時中断され、阿部誠リングアナウンサーが「今しばらくご自分の席に着席したまま、落ち着いてお待ちください」とアナウンス。飯伏ら選手も落ち着くようジェスチャーで示した。

 会場となったゼビオンアリーナ仙台の所在地である仙台市太白区は震度5弱を記録。地震の状況を確認のうえ、会場側と大会を継続するか否か協議されることになった。飯伏&棚橋&オカダはリングサイドで待機する一方で、ジェイはIWGPヘビー&IC&NEVERの3本のベルトを勝手に持ち去り、KENTA&裕二郎とともにいったん控室へと下がった。

 その間、棚橋は客席を向いてポーズ。場内から再開を望む手拍子が発生する中、阿部リングアナから会場の安全確認のため15分から20分の時間を要することがアナウンスされた。そこで棚橋が急きょエアギターを披露したり、飯伏&オカダと3人並んで撮影タイムを設けたりと場をつないだ。そして、ようやく大会の再開と、次に大きな揺れが確認された時点で大会が中止となることが発表された。その場合の避難場所も案内された。場内は喜びの拍手に包まれた。

 中断から約25分後、無事に試合再開となった。3本のベルトを持って戻ってきたジェイらBULLET CLUB勢が攻勢。ジェイは天井に吊るされた巨大なスクリーンを気にしながらも棚橋にネックブリーカードロップを敢行。KENTAはニードロップ連打からの顔面蹴りからスリーパーで絞め上げたが、棚橋もミドルキックをキャッチしてのドラゴンスクリューで逆襲。代わったオカダが観客の不安をかき消すかのように「仙台!」と絶叫し、串刺しジャンピングバックエルボー、DDTの連続攻撃で巻き返した。

 KENTAがリバースネックブリーカーを阻止し、DDTでお返ししたが、オカダは代わった裕二郎をフラップジャックで叩きつけて主導権を譲らず。飯伏が目で訴えてきてもタッチせず、マネーインクで絞め上げた。そのまま自軍コーナーにもつれると、飯伏は先ほどのお返しとばかりにオカダの背中を強めに叩いて交代した。

 飯伏は裕二郎にソバット、ミドルキック、その場飛びムーンサルトの波状攻撃を浴びせて躍動。ジェイのブレードバスターで動きを止められ、裕二郎のインカレスラムで攻め込まれたが、オカダが飛び込んでフロントハイキックで裕二郎を鎮圧。KENTAを棚橋がスリングブレイドで、ジェイをオカダがドロップキックでそれぞれ蹴散らすと、飯伏がオカダを押しのけて裕二郎にジャンピングニー、カミゴェを立て続けにぶち込んで3カウントを奪った。

 試合後、冷めた表情のオカダは勝ち名乗りを受けるとさっさと退場。ともあれ、飯伏がIWGP世界王者としての初陣を制した。大会中に地震が発生し、試合が中断となったのは異例の出来事。それでも飯伏は「何があっても僕はいつも逃げない、負けない、あきらめない。絶対に1mmたりとも逃げない。1mmも引かない」とキッパリ。それは当然、IWGP世界王座の防衛ロードにも当てはまることで、オカダらから批判的な言葉を投げかけられようと動じないと自らに言い聞かせているようだった。

 一方、ジェイはNJC制覇→飯伏からのIWGP世界王座獲り→IWGPヘビー&IC復活のプランが消滅。新たな目標として「史上初の4冠」をぶち上げた。これまでジェイはIWGPヘビー、IC、USヘビーと新日本のシングル王座を手にしてきたが、唯一未戴冠なのがNEVER無差別級王座。その4大王座を制した選手は誰もいない。「仮に俺が優勝し、イブシを倒してベルトを復活させたところで、振り出しに戻るだけだと気づいた。だから、俺はもう前を見て進んでいくことにした。過去は振り返らない」と言い切ったジェイは「あのイカれたイブシでさえ絶対に消すことのできない何かを成し遂げる必要がある。そう、俺が次に目指すものは、史上初の4冠王だ」と宣言。NJC2回戦でNEVER王者・棚橋を破っており、実績は申し分なし。「残すは一つ。タナハシ、お前は俺に借りがあるだろ? 俺はお前に勝ったんだから、NEVER王座に挑戦する権利がある!」と要求した。

 「NEVERのベルトを獲って、この俺が史上初の4冠制覇を達成する。そして俺の偉業は永遠に語り継がれていくことになる」。そう予告したジェイは未踏峰の偉業達成にシフトチェンジし、棚橋の首とNEVERのベルトを狙う。

【飯伏の話】「(※IWGPヘビー級とインターコンチネンタル2本のベルトを両肩に抱くようにかけて)何があっても、何があっても、僕はいっつも逃げない、負けない、あきらめない。これは必ず言い続けて。でも、もう絶対一番最初に。大丈夫かなって? 絶対やるから。何があっても。だからついてきてください。だからついてきて…。こうやって実際(ベルトをまとめることも)できてますし。もしも、なにか…本当に僕ひとりでは、押し切ることができないかもしれない。でも、でも絶対に1mmたりとも逃げない。1mmも引かない。だから、ついてきてください。本当に。逃げない、負けない、あきらめない」

【棚橋の話】「(地震で)試合中にここまで揺れたのは初めての経験だった。ああ…来てくれたお客さんの安全が第一だから。まあ、中止もやむなしであるという状況ですが、まあこの判断がね、どうだったのかってのは今日無事ね、興行が終わって、皆さんがしっかり家に帰って判断していただけたらなと。まあ僕が…やるも地獄やらないも地獄というか、苦しい判断でしたけども、まあ…本当に先をね、先手を打って言わせてもらうと、ホントに今日、この大会を開催継続が今後、問題になってくるかもしれない。まあ、即刻中止でよかったかもしれない。もうしっかりね…難しい判断ですが、まあ今日ホントに、無事に最後まで終わることを祈ります」

※オカダはノーコメント


【ジェイの話】「この数日はショックの連続だな。フィンレー、こないだの勝利に続き今日も勝てるのか? それに今日は試合中の地震ときた。これには驚かされたよ。もし俺がまだ生き残っていたなら、今(準決勝の)リングに上がっているのはこの俺だった。デビッド・フィンレーへの恨みはいつか絶対に晴らす。イブシ、お前と『SAKURA GENESIS』でのシングル対決はこれで消えた。NEW JAPAN CUP敗退により、(2本の)ベルトの復活も不可能になってしまった。俺は少し思い返した。仮に俺が優勝し、イブシを倒してベルトを復活させたところで、振り出しに戻るだけだと気づいた。だから、俺はもう前を見て進んでいくことにした。過去は振り返らない。俺はニュージャパンプロレスの現在であり未来である。イブシの手によってベルトに刻まれた俺の名前は抹消されてしまったが、ここから新たな章を切り開いていけばいい。そこで俺がすべきことは何かと考えた。あのイカれたイブシでさえ絶対に消すことのできない何かを成し遂げる必要がある。そう、俺が次に目指すものは、史上初の4冠王だ。これまで俺はIWGP USヘビー、インターコンチネンタル、そしてIWGPヘビー級のベルトを巻いてきた。残すは一つ。タナハシ、お前は俺に借りがあるだろ? 俺はお前に勝ったんだから、NEVER王座に挑戦する権利がある! NEVERのベルトを獲って、この俺が史上初の4冠制覇を達成する。そして俺の偉業は永遠に語り継がれていくことになる」

※KENTA&裕二郎はノーコメント

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