プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

3/26【全日本】13年ぶりCC制覇へ諏訪魔の原動力は大田区と来年50周年 三冠最多防衛記録更新にも色気

 『2021 Champion Carnival』に三冠ヘビー級王者として臨む諏訪魔。2008年の初優勝以来、春の栄冠から遠ざかっているものの、三冠自己最多防衛となるV7を達成したばかりで「全盛期」を証明中だ。13年ぶりV2を飾り、2年ぶりのビッグマッチ5・16大田区大会で挑戦者を指名するつもりの諏訪魔は、来年の全日本プロレス創立50周年を三冠王者として迎える大目標を掲げ、最多防衛記録更新にも色気をみせた。

 5年連続16度目のカーニバル出場となる諏訪魔。最多出場記録を更新することになるが、その中で優勝したのは2008年の一度だけ。長年にわたって春の栄冠と無縁で、年齢とキャリアを重ねていくごとに「リーグ戦というのは年々しんどくなってくるよね。きついなと思いますよ(苦笑) 一発勝負だったら大丈夫なんだけど、連戦になると体力がなかなか」と苦手意識にも似た感覚ができつつある。

 ましてや今年は総当たりリーグ戦。「今回はコロナってものがあるわけで、そういう敵もいるわけだ。それは気をつけないといけないよね。完走しなきゃ話にならねぇし、それが大前提。そのうえで結果を出さないといけないわけだから」と気を引き締めた。中でも諏訪魔が心待ちにしているのがZERO1・大谷晋二郎との初遭遇。「相当、修羅場をくぐってきてる人」と一目を置き、「俺が知りたい、触れてみたい部分ではあるね。俺には絶対に必要な戦いなのかもしれない」と定めた。大谷に宿るZERO1イズム、破壊王イズムを体感してみたいからだ。

 一方で警戒心を抱いているのがジェイクだ。TOTAL ECLIPSEを結成し、生まれ変わったジェイクは諏訪魔にとっても未知な存在。かつて諏訪魔がブードゥー・マーダーズを脱退直後に初優勝を飾った時のように、ジェイクがこの春、大爆発する可能性は十分。諏訪魔も「物凄く強い人間が今、生まれようとしてる」との予感があり、「まだ未完成だと思うんで、完成形になる前に叩いとかないといけないな。ここで結果出させたら、あとあと厄介になっちゃうな」と出る杭を打つ構えをみせた。

 昨年も三冠王者として出場しながら負け越しという不名誉な結果に終わっているが、今年は精神的に大きく違う。2年ぶりのビッグマッチとなる5・16大田区大会、そして来年の全日本旗揚げ50周年を控えるからだ。「50周年というのは俺の中で一番大きな目標。三冠王者として迎えるっていうのがね。優勝して、大田区で三冠防衛して、来年に向けていいスタート切りたい」と見据えた諏訪魔は、13年ぶりV2を50周年へ向けた第一歩と定めた。

 カーニバル優勝者が三冠王者に挑戦するのが通例だが、王者の諏訪魔は「俺が優勝したらもっと刺激のある奴とできるかもしれない。逆に俺、指名する権利があると思うんだよね。その権利を奪いたい」との意向を改めて強調。2年ぶりのビッグマッチでインパクト大の防衛戦を実現させるつもりだ。

 そして、その先には三冠最多防衛記録更新も視界に入ってきた。現在、諏訪魔は第10代王者・三沢光晴と4位タイ。5・16大田区大会での三冠戦は決定済みだが、例年の日程に沿って考えると、王道トーナメントが開催される9月、最強タッグが開催される11〜12月の三冠戦はなしと考えてよさそう。それでも月イチペースで防衛戦を行えば、大田区も含めて5回タイトルマッチを行え、年内でV12を達成できる計算になる。

 最多防衛記録V10を樹立しているのは第32代王者・川田利明と第62代王者・宮原健斗。特に諏訪魔が意識するのは若手時代の高い壁だった川田だ。「50周年を迎えるにあたって、それはモチベーションになるよね。俺としてはやっぱり川田さんの記録を抜きたいっていうのが大きいよ」と記録更新に色気をみせた。「ただ、それはあくまでも数字だからね。それをもって川田さんを超えたなんておこがましくて言えない」と考えているが、「三冠チャンピオンとしてもプロレスラーとしても、川田さんという偉大な存在に一歩でも近づけるように」と尊敬する先輩の背中を追いかけ続ける構えをみせた。

 そのためにも史上8人目となる三冠王者のカーニバル優勝を成し遂げ、50周年イヤーへ向けた大きな第一歩を踏み出すのみ。2年ぶりビッグマッチ、最多防衛記録更新、そして50周年と、大目標達成を原動力に諏訪魔は16度目の春の祭典に臨む。


【諏訪魔の話】
――『2021 Champion Carnival』の開幕が迫り、諏訪魔選手は2008年以来、実に13年も優勝から遠ざかっているが?

▼諏訪魔「そうだね(苦笑) 他の奴らより多く参加してるから、リーグ戦というのは年々しんどくなってくるよね。きついなと思いますよ(苦笑) 一発勝負だったら大丈夫なんだけど、連戦になると体力がなかなか。気持ちがあっても体がついていかなくなるんじゃないかなって気がしてますね。勢いで今まで乗り切ってた部分があるんだけど、そろそろ戦い方もリーグ戦なりの戦い方をしていかないといけないなと思いますね」

――去年も三冠王者として出場しながら負け越しと芳しくなかったが?

▼諏訪魔「そうでしょ。みんなチャンピオンに(照準を)合わせてくるからね。それはやっぱししんどいよね。また今年も諏訪魔がチャンピオンでいるのか?と。ある意味、そういう無言のプレッシャーを感じるわけだからさ。でも前回、俺に勝った奴は今年はやられんじゃねぇかって思ってるかもしれないね。そういう精神的な部分で俺は去年のプレッシャーよりも今年は少ないわけだから、逆に思い切りできるんじゃないかなと」

――しかも総当たりという過酷な状況が待っているが?

▼諏訪魔「そうなんだよね。きついな。肉体的にもきついしさ、過去には違うリーグ戦(最強タッグ)だけどさ、インフルエンザで出られなくなった奴もいたしさ。今回はコロナってものがあって、そういう見えない敵もいるわけだ。それは気をつけないといけないよね。完走しなきゃ話にならねぇし、それが大前提。そのうえで結果を出さないといけないわけだから。それに前回のチャンピオン・カーニバルからスパンが短いんだよね。そこがまた精神的な疲労も出てきそうな気がするんだよね。とにかく今年は俺、誰よりもシングルマッチ一番やってるから。戦ってる試合時間も相当長いはずだよね。そういう意味で言うと俺が一番有利だと思うよ。シングル慣れしてるからね。勘は全然鈍ってないし、それどころか研ぎ澄まされてる。他の奴らは初戦から入りづらいんじゃないかな」

――出場メンバーを見渡して、何度も戦った選手もいれば、初対決の選手もいるが特に誰が気になる?

▼諏訪魔「厳しいね。大谷選手なんかやっぱし相当、修羅場をくぐってきてる人ですからね。戦うのは楽しみですよ。まったく今まで絡んでないからね。この間、佐藤耕平選手と三冠戦やって、かなり厳しい戦いだったんだけど、その根底には大谷さんという名前があるはずだから」

――さらにその奥には橋本真也さんの存在もちらつくのでは?

▼諏訪魔「そうだね。俺が知りたい、触れてみたい部分ではあるね。俺には絶対に必要な戦いなのかもしれない」

――ZERO1イズム、破壊王イズムを肌で感じたいと?

▼諏訪魔「そうだね。そこは今までまったく触れてこなかった部分だから」

――では警戒する存在というと?

▼諏訪魔「やっぱしジェイクじゃないかな。あいつ自身が強い決意をもって今チャレンジしてるよね。そういう人間って怖いんだよね」

――TOTAL ECLIPSEに入ってからのジェイクをどう見ている?

▼諏訪魔「触れたことがないんで何とも言えないんだけど、物凄く強い人間が今、生まれようとしてると思うんだよね。まだ未完成だと思うんで、完成形になる前に叩いとかないといけないな。ここで結果出させたら、あとあと厄介になっちゃうな。止めなきゃいけない。そういう意識はありますよ」

――確かに諏訪魔選手が2008年に初優勝を遂げた時もブードゥー・マーダーズ脱退直後で変化の途中だった。

▼諏訪魔「自分自身が変わったって意識はないんだけど、そういうものがあったんだろうね、今思うと。それは自分がイケイケでやってるからわかんないんだよね。逆にそういう奴がいるって気づかされたわけだから気をつけないとね。結構、あいつの餌食になる奴出てくるんじゃないかな」

――5・16大田区大会が優勝へのモチベーションになりそうだが?

▼諏訪魔「そうだね。チャンピオン・カーニバルの先には大田区体育館というビッグマッチがあるわけだからさ。そこで誰とやるのかっていうのが重要でさ。俺が優勝できなかったら優勝者になっちゃうかもしれないし、俺が優勝したらもっと刺激のある奴とできるかもしれないし、指名する権利があると思うんだよね。その権利を奪いたいと思う。もっともっと、こんな奴とやんの?って言わせたいよね」

――来年は全日本が旗揚げ50周年を迎えるが?

▼諏訪魔「その50周年というのは俺の中で一番大きな目標。三冠王者として迎えるっていうのがね。優勝して、大田区で三冠防衛して、来年に向けていいスタート切りたいよね」

――3・21京都大会で自己最多記録となるV7を達成し、このまま三冠を保持し続けられれば、最多防衛記録も樹立して50周年を迎えられそうだが?

▼諏訪魔「50周年を迎えるにあたって、それはモチベーションになるよね。宮原も並んでるんだよね? でも俺としてはやっぱり川田さんの記録を抜きたいっていうのが大きいよ。ただ、それはあくまでも数字だからね。それをもって川田さんを超えたなんておこがましくて言えないよ。三冠チャンピオンとしてもプロレスラーとしても、川田さんという偉大な存在に一歩でも近づけるようにっていう気持ちは常に持ってますよ」

プロ格 情報局