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3/28【DDT】秋山が樋口“力"でねじ伏せKO-D初防衛 ディーノ指名で4・11激突決定

『Judgement2021〜DDT旗揚げ24周年記念大会〜』東京・後楽園ホール(2021年3月28日)
KO-D無差別級選手権試合 ○秋山準vs樋口和貞×

 KO-D無差別級王者・秋山が樋口を破って初防衛。“反抗"してきた樋口を力でねじ伏せて、その腰にベルトを巻かせた秋山は、“本道"をめぐって対立していた男色ディーノを自ら次期挑戦者に指名し、4・11後楽園大会での激突が決まった。

 2・14川崎大会でKO-D初戴冠を果たしてDDTに入団。ヘッドコーチにも就任し、「DDTにプロレスの本道をぶち込みます」と宣言した秋山に「外様」と一貫して“反発"の姿勢を貫いてきたのが樋口だった。

 昨年末のD王GP公式戦では樋口が秋山を破っており、王者・秋山としては初防衛戦での“雪辱戦"。と同時に、「勝って言うことをきかせる」「“はい"と言わせる」とヘッドコーチとしても威厳のかかった一戦となったが、試合で目立ったのは樋口の気迫だった。

 裸足で現れた樋口は、組み合って真っ向から秋山を押し込み、鉄柱に頭をぶつけられても気合のヘッドバットをぶち込んでいった。

 ヒートアップした秋山も腕攻めに転じるや、指まで極める鬼モードに突入したものの、樋口も屈さず。ダイナミックなドロップキックを放つや、アバランシュホールドで豪快に投げ飛ばす。秋山も強烈な逆水平を脇固めで切り返し、さらにはアームロックも繰り出して再び腕攻めに持ち込んだが、気迫の雄叫びで逃れた樋口も、エクスプロイダーとジャーマンの打ち合いに持ち込んで場内も熱を帯びた。

 意地でエルボーと逆水平を打ち合う消耗戦に突入しても、樋口は頭突きやラリアットで攻勢。ドクターボムからのアイアンクローはヒザ蹴りで切り抜けられ、エクスプロイダーで反撃を許しても、秋山のヒザを「来いこの野郎!」と真っ向から受け止め続けた。

 だが、秋山も樋口得意のアイアンクローは深入りさせず。強引に顔面をつかまれても、やはりエクスプロイダーで切り返してランニングニーバットをズバリ。リストクラッチ式エクスプロイダーもアイアンクローで切り返されたが、かろうじてカウント2でクリアするや、カウンターのジャンピングニーがドンピシャリでクリーンヒットだ。さらにはリストクラッチ式エクスプロイダーでぶん投げると、生ヒザ式のニーバットで樋口を後頭部から打ち抜き、なかば“KO"するかのように3カウントをもぎ取った。

 樋口をまさに“力"でねじ伏せて初防衛。マイクを握った秋山は、宣言どおりに「おい、お前。俺の腰にこのベルト巻け。あ? 返事は!? 返事だろ!」と非情に迫り、悔しさにまみれた樋口もついに「…はい!」と返答。秋山の腰にベルトを巻き、力によって“上下関係"が成立した。

 昨年末の雪辱を果たして初防衛。秋山は「これで、リーグ戦、負けたヤツ、全部リベンジしました。リング上で闘って勝負つけるヤツはいないのかな? ただ、一人だけメディアをにぎわしたヤツがいる」と切り出すや、「ディーノー!」と男色ディーノを呼び出した。

 かねてからディーノは、「DDTにプロレスの“本道"をぶち込む」と所信表明した秋山にツイッター上などで反発。DDTの持つ“振り幅の広い価値観"へのこだわりと誇り、そして危機感をあらわにして秋山に反発してきた。

 現れたディーノは、改めて思いの丈をぶちまけた。

 「準ちゃん!それはいけない。そのベルト持ってアタシを呼び込むのは、よくない。DDTは今日で24周年。そのうち私がDDTにいたのは20年弱、DDTのすべてを知ってるワケではない。でも私はそのベルトに思い入れがありすぎるわ。ポイズン澤田JULIE、高木三四郎、佐々木貴、MIKAMI、あと飯伏、ケニーが才能を見せつけ、入江茂弘がDDTの闘いを繰り広げ、佐藤光留は民意を背負って闘い、一瞬だけでも高梨、大家がその名を刻み、HARASHIMA、坂口、KUDOが看板を背負って闘ってきた。竹下、遠藤が扉を開いて、私が持ってる時もそうでない時も、思い出がぎゅーっと詰まってるのよ。そこに手が届かなかった人の名前もある。準ちゃん、アンタがDDTを知らなかった頃、私たちは私たちでもがいてた。DDTは今、ここまで来た。秋山準がDDTの一員になって、このシチュエーションを作り出した。私はね、そのベルトを持って呼び込まれたら、ずっとこの数年、抑えてきた気持ちが爆発してしまう。それでも! アンタは私を呼び込んだのね。いいでしょう。DDTはここまで来た! あとは、私が勝つだけだ」。そう感情をあらわにしながら、王者・秋山の“指名"を受けて立った。

 そのうえで「いつ!? 私が勝つ、その瞬間はいつ!?」と本部席に確認。今林GMも「早い方がいいと思いますので次回、4月11日、後楽園ホール大会で秋山選手とディーノ選手のタイトルマッチ、組ませていただきます」とその場で決定し、かくして「(王者)秋山vsディーノ(挑戦者)」のKO-D無差別級選手権試合が決定した。

 秋山は「あいつを一切バカにする気持ちなんてまったくないし、何ならあいつのことはこのDDTで一番俺がリスペクトしているかもわからない」と強調した一方で、「DDTが上がってきたのは、もしかしたらあいつの力がかなりあるのかもわからない。で、俺がちょろっと入ってきて、俺が今チャンピオンになって。これはもう、みんなあいつに応援してやってくれ。100対0でもいいから。俺はそれに慣れてるから。全員ディーノを応援してやってくれ」と覚悟。

 そのうえで「俺は俺のやり方でやるから。ただ、俺も大人げないことはしないよ。さあ、どこまで俺がいくか、俺も考えないといけない。これもまた、あいつとやる楽しみでもあるから。どこまでいって、どこを絶つか。これもギリギリの勝負だね。」と腕をぶした。本道がDDTを飲み込むか、DDTが本道を飲み込むか。DDTに価値観の分岐点が訪れる。

【試合後の秋山】
▼秋山「正直、ホッとしてますね。俺の中にも少なからず緊張感はあったんで。まあまあ、いい試合できたかな。今風じゃないかもわからないけど」

――樋口選手から反発を受けながらの試合だったが、そういう気持ちは感じた?

▼秋山「いや、気持ちはずっと感じてますよ。だってあいつは、俺はわからないけど、俺が来てからずっと上がってんじゃないの? どうなの、見ている人は。俺は中にいるからわからないけど。以前の樋口がどんなもんか知らないから。俺は『言うこと聞け』って言ったけど、ヘッドコーチからひとつ言うとしたら、俺が来て伸びているってことは、別に今はいじる必要もない。お前は好きなように文句言って、俺がやることに反発してもいいよ。その代わり、自分の言動にはしっかり責任を持っていけ。それと、俺だけじゃなくて、誰に対しても今のスタンスを変えるな。俺にはそれ、でも他の人には違う。そうじゃない。ずっと今日の樋口を貫け。まあ、俺から言えるのはそれぐらい。それは別にヘッドコーチとかじゃなくて、先輩レスラーからのアドバイスだ。絶対それのほうがいい。だから、俺は今、あいつの俺に対する反発、そんなのは全然いじくったりしてないし、今日もあいつの反発がもっと来るように、『お前がベルト巻け』って。俺がベルトを腰に巻かなかったのは、そのためもあるから。あいつに俺の腰にベルト巻かせてやろうと思って。一番悔しいよ。何を言われるよりも。これ、DDTの最高峰のベルトでしょ? それを取り戻しに来た。俺なんか外敵にみたいになってるけどな。まあまあ、いいや。取り戻しに来た。それを巻かれた。そんな悔しいものはないよ。その悔しさでまた向かってこい」

――ベルトを腰に巻いた気持ちは?

▼秋山「気持ちいいね。久しぶりに腰に巻いて気持ちいいね」

――ディーノ選手との対戦が決まったが?

▼秋山「皆さんはどう思うかわからないけど、俺は別にディーノを簡単だからどうのこうのとか、そういう風に思ってあいつに言ったわけじゃなくて。俺の発言に一番最初にいろいろ反応しているのがあいつだったし、今もブックス・ロード、本道のなんかって言って。いつもいつも俺に反応しているし、そういうヤツにやっぱり来てもらおうと。ただ、俺は俺のやり方でやるから。ただ、俺もな、大人げないことはしないよ。さあ、どこまで俺がいくか、俺も考えないといけない。これもまた、あいつとやる楽しみでもあるから。どこまでいって、どこを絶つか。これもギリギリの勝負だね。俺のファンの人にどこまでいくのか。そこもやっぱりプロレスラーとしてのセンスが問われると思うし、センスがダメってなったら、俺のあれもダメになるだろうし。だから、逆に今の試合よりも、俺にとっては、ディーノの試合のほうが難しいかもわからない。頭を使うから。体力はアホみたいに自転車ガンガンこいで、心拍数上げて、練習してれば、まあまあなんとかついていける、若いヤツらに。ただ、あいつにはそれだけじゃなくて、ここ(頭)を使わないといけないから、大変だと思うよ。だから、俺はさっきもリング上で言ったけど、あいつを一切バカにする気持ちなんてまったくないし、何ならあいつのことはこのDDTで一番俺がリスペクトしているかもわからない。ここまで男色ディーノというものを作り上げてきた。DDTが上がってきたのは、もしかしたらあいつの力がかなりあるのかもわからない。で、俺がちょろっと入ってきて、俺が今チャンピオンになって。これはもう、みんなあいつに応援してやってくれ。100対0でもいいから。俺はそれに慣れてるから。全員ディーノを応援してやってくれ。お前(大石)はどうするんだ?」

▼大石「秋山さんです」

▼秋山「そうか。わかりませんって言っとけや(笑) まあまあ、そんな感じです」

【試合後の樋口】
▼樋口「今日の…今日の悔しさは絶対忘れません。必ずあのKO-Dのベルトを巻きます。絶対に今日の負けは忘れません」

――あれだけ反発していた秋山選手の腰にベルトを巻いた時の気持ちは?

▼樋口「悔しい。それだけです」

【ディーノの話】「さあ、見ての通りです。これ以上もこれ以下もない。秋山準と私がリングでタイトルマッチを争います。24年前の高木三四郎に言ってやりたいね。ここまで来たんだって。さあ、あとは私が勝つだけ。私が勝ったらベルトを持つわけでしょ? ということは、ひょっとしたら、次は何にすればいいかなあ。ア○ル電源とケツゾンビに反応してた。じゃあもう、いっそのこと、ア○ルキヤマジュンとして活動してもらおうかな? それぐらいの覚悟を持ってね、もう一度言います。秋山準、DDTへようこそ(中指を突き立てる)」

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