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3/30【新日本】飯伏、新ベルト「勝つまで巻かない」 両国へ最終前哨戦制す

『Road to SAKURA GENESIS 2021』東京・後楽園ホール(2021年3月30日)
○飯伏幸太&天山広吉&小島聡vsウィル・オスプレイ&グレート-O-カーン&ジェフ・コブ×

 IWGP世界ヘビー級王者の飯伏がオスプレイの眼前でコブを仕留めて、4・4両国大会前最後の前哨戦に勝利。今大会で新ベルトがお披露目となったが、「次の両国、勝つまでベルトは巻きません」と覚悟を示した。

 4・4両国大会でNEW JAPAN CUPを制した最強の挑戦者・オスプレイを迎え撃つ王者・飯伏。決戦を5日後に控え、今大会の開始前にはIWGPヘビー級王座とIWGPインターコンチネンタル王座のベルトを返還し、初代王者として真新しいIWGP世界ヘビー級王座のベルトを受け取ると、「このベルトを日本だけじゃなく、世界に向けて、そして今までの歴史を絶対に継いだまま、もっともっと大きく、新しくしていきたいと思います」と決意を新たにした。

 飯伏は受け取ったベルトを肩にかけて、最後の前哨戦に出陣。オスプレイの眼前でベルトを掲げる。のっけから2人は気持ちをぶつけ合った。奇襲を仕掛けたオスプレイはコーナーで馬乗りになってナックルパンチを連打。飯伏のフランケン狙いも踏ん張って阻止する。だが、新王者も強烈なミドルキックで返答。早くも戦いはヒートアップした。

 勢いで勝るUNITED EMPIREが試合を掌握するが、ベテランの天山&小島が奮戦すると、飯伏も発奮。オスプレイと再び対峙すると、スピーディな先読み合戦をレッグラリアットで制し、その場飛びムーンサルトプレスで観客から手拍子を巻き起こす。オスプレイもリバースブラディサンデー、スワンダイブ式エルボーと大技で巻き返すが、オスカッターやストームブレイカーは不発。それでも王者のカミゴェ狙いをかいくぐってフックキックをぶち込むが、倒れない飯伏はこん身のラリアットを振り抜いた。

 飯伏はここでタッチをできず、代わったコブのランニング式ブレーンバスターやアスレチックプレックスの餌食になって大ピンチに。それでもツアー・オブ・ジ・アイランドを阻止すると、オーバーヘッドキックで反撃開始。テンコジはオーカーンの介入をテンコジカッターで防いで好フォローを見せる。飯伏はオスプレイが切り込んでも、コーナーに逆さ吊りにして固定し、胸板を蹴りつけると、テンコジが押さえつけて動きを封じる。ここがチャンスと、飯伏は強烈なハイキックでコブを蹴り倒し、オスプレイの眼前でカミゴェを叩き込んで最終前哨戦を制した。

 昨日はオスプレイに勝利を見せつけられたが、キッチリとお返しし、両国へ向けて弾みをつけた。試合後には、ベルトを挟んだ状態でオスプレイと視殺戦を展開。オスプレイが「俺がお前からベルトを取ってやる。俺がナンバーワンなんだ」と言い放って去っていくと、飯伏も観客の前でマイクを取った。

 初めてオスプレイを見た時、「自分に似ている」と感じたという飯伏は「このキャリアであれだけできて、あれだけ強いのは、自分よりも上だと思っている。本当に実際。そして、彼のこともリスペクトしている」と最大限の評価をしつつも、「でも、彼に足りないものはまだたくさんありますから。その部分で僕は見せたいと思いますよ」と“違い"を強調。そのうえで、「その部分を持っているヤツがそこにいますけど」と実況席にいたNJC準優勝の鷹木信悟に意味深げに視線を送った。そして、「いつもいつも僕が言っている通り、全てから逃げない、負けない、諦めない。そして、裏切らないから」と観客に誓って後楽園大会を締めくくった。

 「去年の『G1 CLIMAX』で当たった時のオスプレイとも、全然違うし。穴がやっぱり1つ、2つ、3つ。僕はすでに、彼の中に見つけましたね、今日までに」とオスプレイ対策が万全だという飯伏。「勢いはね、凄いですよ。その勢いでやっぱり、今日は圧倒されたんで、じゃあ自分の持ってる技術のほうでいこうかなと思ってます」と技術で対抗する作戦を明かすと、「このベルト、ホントはね、巻きたかったんですよ。でも、まだ、巻かない。僕は、勝つまでは巻かない。次の両国、勝つまでベルトは巻きません。勝ったら、巻きます」と真新しいベルトを見つめ、タイトル死守を誓った。

【飯伏の話】「(※IWGP世界ヘビー級のシンベルとを肩にかけて)あと、5日。最後の前哨戦も終わって、どんな感じか。うん。ジュニアの頃のオスプレイとも違うし、去年の『G1 CLIMAX』で当たった時のオスプレイとも、全然違うし。穴がやっぱり1つ、2つ、3つ。僕はすでに、彼の中に見つけましたね、今日までに。まあ、単純に、単純に言うと、僕の、彼と同い年だった頃と比べてみても、うん、やっぱレベルがはるか上で。それはでも、今の時代と当時のプロレスっていうのは、やっぱり違うわけで。11歳違うんで、11年前のプロレスと、今のプロレス、ちょっとやっぱり違うわけで。技術も違う。それをプラマイしてもどうかって部分はあるんですけど、僕が伝えたいのはそういうところじゃなくて、単純に勢いだけじゃなくて。でも勢いはね、凄いですよ。その勢いでやっぱり、今日は圧倒されたんで、じゃあ自分の持ってる技術のほうでいこうかなと思ってます。あと、(※肩にかけたベルトを見つめると)このベルト、ホントはね、巻きたかったんですよ。でも、まだ、巻かない。僕は、勝つまでは巻かない。次の両国、勝つまでベルトは巻きません。勝ったら、巻きます」

【天山の話】「いやー、カッコいいね、あのIWGP世界ヘビーね! 目の前で見させてもらったけど、いいんじゃないすか。飯伏がね、初代ってことで、これから何かいろいろあるかもしれんけど、でも、授与されたからにはしっかりと、これから歴史を作ってほしいな。偉大なる先人の分まで、もっともっと、歴史に名を刻むようなIWGP世界ヘビーを作っていってほしいと思います。何かチャンスがあったらいこうかな。うん、行っちゃうぜ、オイ。カマーン!」

【小島の話】「2021年にこうやって、正規軍の中でも、一つの大会でメインイベントを張れること、それはとても誇らしいことだと思うよ。このキャリアにして、テンコジが飯伏幸太という、今現在の素晴らしいチャンピオンの、太刀持ちとか露払いとか、助さん格さんとかボディガードとか、いろんな表現があると思うけど、それでも今、自分ができること、自分のやれる役割、それをちゃんと頭に入れてこういう大会に出れること、本当に誇らしいと思います。本当に、IWGPという名前がまだ残っている、その中に俺もまだ、入っていたい。飯伏君がさっき、試合後に言ってくれた。『このベルトの中に小島さんたちの名前が入ってます』って。ホント重たい言葉だったよ。背負ってるもの、それを俺も大事にして、これからも戦っていきたいと思います。ありがとうございました!」

【オスプレイの話】「確かに今日俺たちは負けた。アイツらの戦略勝ちだ。俺のベルト挑戦に納得がいかない声があるのは知ってる。あれは2015年のことだった。(イギリスのRevProの大会で)当時俺の憧れのAJスタイルズがIWGPヘビー級のベルトを巻いていた。試合後AJが攻撃されて、救出に入った俺がベルトをAJに手渡した。でも次の瞬間に観客からブーイングされて、俺なんかが触れていいベルトじゃないって罵倒された。でもAJはその時からいつか俺があのベルトを巻く存在になるって信じてくれた。それからタナハシやオカダも認めたくなかっただろうが、将来俺がトップに立つと分かっていたはずだ。ファンは俺が"世界最高の1人"と呼ばれるのはよくても、"ナンバーワン"とはどうしても認めることができないようだ。それは俺が道場出身の生え抜きじゃなくて、海外遠征にも行ってないからだ。自分が簡単にファンに好かれて応援されるような存在じゃないとは分かっているが、俺は自らの努力でここまで這い上がってきたんだ! お前たちが気に入らなくたって、AJスタイルズ、タナハシ、オカダ、イブシたちはみんな俺を新日本の選手の1人だと認めている! それに彼らの誰も俺の実力を否定しない! 今こそ俺がトップに立つ時が来た! 5年前、22歳だった俺はリョーゴクでニュージャパンデビューを飾った。そして俺は再びリョーゴクの舞台で今度はIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する。ニュージャパンの歴史に残る一戦になるぞ。なぜならこの一戦で未来が決まるからだ。もうお前たちファンもイブシも他の選手も俺がこの団体の中心に立つ未来が見えているはずだ! ウィル・オスプレイはレベルが違う!」

【オーカーンの話】「言いたいことが、たくさんあるんだよ。まず天山。なにもう我が物顔でチョップ使ってんだよ! みかじめ料払えつったろう、ボケ! それとな、余が腰を痛めてなけりゃ(※背中を向け、腰のテーピングを見せる)、今日も帝国の勝利だったんだ、運がよかったな、自称神様、あぁ!? だが、もう終わりだ。4月4日、帝国は“神殺し"のあだ名を冠する。そして、兵器も手に入れ、完全に帝国は、復興ではない、巨城を築く。今から、貴様ら愚民は帝国の下僕になっていたほうがいいぞ。なぜだか分かるか? 『好きなレスラーは?』と聞かれて、帝国の同盟者以外を答えたら、『え? あんなザコ、好きなの?』って笑われちまうぞ。これはな、アドバイスでもなんでもねぇ! 予告だ予告!」

※コブはノーコメント

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