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4/4【新日本】棚橋がジェイからタップ奪取 逸材流実験でNEVER王座戦受諾

『SAKURA GENESIS 2021』東京・両国国技館(2021年4月4日)
○棚橋弘至&小島聡vsジェイ・ホワイト&バッドラック・ファレ×

 棚橋がNEVER王座挑戦を要求しているジェイから試合後テキサスクローバーホールドでタップを奪取。“逸材流実験"で受諾した。

 NEW JAPAN CUPで優勝を逸したジェイは二冠復活の野望もついえたものの“4冠制覇"にシフトチェンジし、新日本に現存するヘビー級&無差別級のシングル王座で唯一未戴冠のNEVER王座に照準。王者・棚橋にNJC2回戦で勝利している実績を盾に挑戦を迫った。棚橋も「彼はまだ若いから、IWGP(世界ヘビー級)に行く前に、ちょっくらNEVER寄り道したって、時間はあるでしょう」と前向き姿勢だったが、一転して「理由が欲しいのよ、戦う理由が」と拒否していた。

 この日、棚橋とジェイがそれぞれ小島、ファレをパートナーに激突。この日も試合前から肉体美を誇示し合ってから先発で対峙。ヘッドロック地獄に引き込んだ棚橋は、ジェイがラフ殺法で応戦しても、セカンドロープに飛び乗ってのダイビングボディアタックで先制打を放った。

 その後も棚橋が小島とのダブルタックルで追撃したが、外道の介入もあってジェイが逆転。場外戦に持ち込んで棚橋をフェンスに投げつける。ここからBULLET CLUBは小島に的を絞って主導権を握った。

 小島がコジコジカッターでジェイに逆襲すると、棚橋がフライングフォーアームやダイビングサマーソルトドロップと得意技を連発して巻き返す。スリングブレイドをジェイが回避すると、目まぐるしいバックの取り合いからグラウンドドラゴンスクリューで逆襲。ブレードバスターで叩きつけ、お株を奪うテキサスクローバーを仕掛けた。

 棚橋も何とか振りほどき、ドラゴンスクリューで反撃。ファレのラリアットなどで守勢に回りながらも、ジェイをスリングブレイドで蹴散らし、ファレにはツイストアンドシャウトをさく裂。小島が剛腕ラリアットで援護射撃すると、すかさずハイフライフローを発射してファレから3カウントを奪った。

 ジェイの眼前で棚橋が快勝。試合後、それでも飽き足らない逸材はジェイをテキサスクローバーホールドで絞め上げた。たまらずジェイはマットを叩いてタップを意思表示。すると棚橋は英語で「ジェイ、お前の挑戦を尊重する」と前置きし、「お前は俺のテキサスクローバーホールドでタップアウトした。ジェイ・タップアウト、JTOだ」と勝ち誇った。

 王者に勝利した選手が挑戦表明した時点でタイトルマッチが決まるのが通例。それをよしとしなかった棚橋は「年齢、勢い、相手にとって不足はないよ」とジェイの挑戦資格を認めながらもあえて拒否。試合中ではないもののタップを奪ってキッチリ雪辱を遂げた上で受諾した。「いろんなものを、ちょっとしたことを少し変えるだけで、プロレスってまだ可能性が広がるから」と言うように、タイトルマッチに至る新たな形を表現してみせた。

 「今回、実験的にいろいろやってみるよ。今の時代だからこそ、みんなに、皆さんにプロレスを届ける、そして楽しんでもらうことに努力を怠っちゃいけないと思うから」。そう話したように、今回のケースは逸材流の実験。それがNEVER王座の新たな価値観を生み出すことになるかもしれない。「俺の準備は整った」と言い切った棚橋はNJCの借りをNEVER戦で返すのみだ。

【試合後の棚橋&小島】
▼小島「棚橋弘至とG1 CLIMAXのリングで戦ったのが11年前。この両国国技館で戦ったのが11年前。それから11年経って、こうやって2人きりのタッグチーム組めるなんて、ホントにプロレス人生なんか分からないよ。だけど、俺はもう後ろを振り向いてないから、別に。それはそれでいい思い出だけど、俺は今はもっともっと先のことを見てる。今日、勝ったこともそう。棚橋弘至と組んだこともそう。もっともっと先の未来、まだまだ俺にはあると思ってる。そして、まだまだあると信じてるから。天山もいる、永田もいる、他の選手もまだまだいっぱいいるけど、その中で俺はまだまだ頑張ってやっていこうと思ってるから。ありがとうございました」

※と小島が控室に向かおうとすると、棚橋がやってくる

▼棚橋「小島さん!」

▼小島「あ、また! 棚橋選手!」

▼棚橋「テンコジは歴史も伝統もとてもすごいチームだけど、僕、ヘナーレがUNITED EMPIREに行っちゃって、今、タッグパートナーがいません」

▼小島「えぇっ!?」

▼棚橋「だから、“タナコジ"も考えてください」

▼小島「(※食い気味に)あーっ、もう、全然! もう、はい、大丈夫です、もちろん」

▼棚橋「“タナコジ"のポーズもできてますんで」

※2人で背中合わせに並び、腕の筋肉を見せつけるようにして

▼棚橋「タナ!」

▼小島「コジ!」

▼棚橋「ありがとうございました!(※と小島に握手を求める)」

▼小島「(※握手を返しながら)ありがとうございました!(※と、先に控室へ)」

▼棚橋「ヨシ! 調子に乗っちゃうぜ。プロレス界一番のお調子モンは俺だから。100年に一人のお調子モンだから。(ジェイは)ギブアップしたよね?(※と手の甲を何度も叩く) もう、これでもかって10回ぐらいギブアップしたよね? (※通路の反対側でジェイがコメントしているのを確認して叫ぶ)You Tap Out! タップアウトしたからね。ヨシ、準備は整った。俺の準備は整った。向こうの準備は整ってたけどね。ヨーシ、ヨーシ! ジェイは年齢、勢い、相手にとって不足はないよ、最初から。いろんなものを、ちょっとしたことを少し変えるだけで、プロレスってまだ可能性が広がるから。今回、実験的にいろいろやってみるよ。今の時代だからこそ、みんなに、皆さんにプロレスを届ける、そして楽しんでもらうことに努力を怠っちゃいけないと思うから」


【試合後のジェイ、外道】
▼ジェイ「(上村の肩を借りてコメントスペースに現れ、床に座ると)俺はタップしてないぞ。タナ、こんなもので俺が動揺するとでも思ったか? 俺はタップしてない、そうだろ?」

▼外道「(英語で)もちろんだ」

▼ジェイ「(上村に向かって)俺、タップしたか?」

▼上村「はい」

▼ジェイ「ハイ?」

▼上村「イエス」

▼ジェイ「してないだろ!」

▼外道「(日本語で上村に向かって)タップしてないな?」

▼ジェイ「俺がタップしたと言いたいのか?」

▼上村「イエス」

▼ジェイ「本当に? この俺がタップしたって?」

▼上村「イエス」

▼外道「ノー、ノー、ノー」

▼ジェイ「いや待てよ。タップしたのかもしれない。これでタナハシはようやく俺の挑戦を受けた。タップしたのかもしれない。『ギブアップ』と言ったのかもしれない。(上村に対し)こっちに来い。(上村を座らせて、その胸を触りながら)もしかしてお前が言うように、俺は堪えきれずにタップしたから、やっとあのプライドの高いタナハシが挑戦を受ける気になった。そう言うことか?」

▼上村「イエス」

▼ジェイ「(上村に対し)これで俺が狙った通りになった! タナに『俺の思い通りに動いてくれてありがとう』と伝えて来い(と言って、ようやく上村を解放する)」

▼外道「(英語で)アイツ、わかってないよ」

▼ジェイ「わかってたことだけど、(上村は)やっぱりバカだな。英語が全然わかってない。タナハシはお前よりもっと英語が上手いぞ。しかも全部英語でアピールするとは大したものだ。お前のテキサスクローバーホールドで俺がタップアウトしたから、“JTO(ジェイ・タップド・アウト)"だと言ってきたな。そうだ、俺はタップしたんだ、ゲドー!」

▼外道「そうか?」

▼ジェイ「ああ、JTOだ! 俺がギブアップしなければ、挑戦を受けてはくれなかっただろう! でもテキサスクローバーホールドは効いたぞ。タナ、お前がここまで焦らさなかったら今日、リョーゴクのスモーアリーナでタイトルマッチをすることだってできたのに。でも、お前はリョーゴクと世界中のファンが見ている中で俺の挑戦を受けたんだから、もう逃げられないぞ。ありがとう、タナ」

※ファレはノーコメント

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