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4/29【NOAH】熱闘鎮魂歌…武藤V2、北宮のマサ継承にも太鼓判 丸藤との“天才対決"実現へ

『NOAH the GLORY 2021』愛知・名古屋国際会議場(2021年4月29日)
GHCヘビー級選手権試合 ○武藤敬司vsマサ北宮×

 GHCヘビー級王者・武藤が熱闘の末に北宮を下して2度目の防衛に成功。北宮の“マサ継承"に太鼓判を押した。次期挑戦者には丸藤正道が名乗りを上げ、『CyberFight Festival 2021』(6月6日、さいたまスーパーアリーナ)での“天才対決"によるGHC戦が浮上した。

 名古屋メインのGHC戦。キーワードは“マサ斎藤"だった。北宮が師事してリングネームを引き継いだ故マサ斎藤さんは、武藤にとっても心の師。ともに斎藤さんとのシングルマッチの経験はない。互いが互いに斎藤さんの影を重ねての一騎打ちでもあった。

 “マサの魂"を貫いて再びGHCヘビー挑戦権をつかんだ北宮が、悲願の初戴冠を目指して攻めに攻めた。この日ばかりは金剛の赤ではなく、濃紺のマサ斎藤スタイルのコスチュームで現れた北宮は、豪快なブレーンバスターでぶっこ抜いて武藤の動きを止めると、やはり人工関節の入った武藤のヒザに集中砲火。監獄固めへの布石を打ちまくっていく。

 武藤もドラゴンスクリューからの足4の字固めで巻き返したものの、止まらない北宮は武藤のストンピングを体を震わせながら受け止めるや、ラリアットやバックフリップで再び進撃を開始。武藤のシャイニング・ウィザードを浴びてもむっくり立ち上がるタフガイっぷりを見せつけ、逆にサイトースープレックスへ。さらにはニークラッシャーから満を持しての監獄固めで絞めに絞め上げた。

 悲鳴を上げた武藤も何とかロープを手繰り寄せたが、まだまだ北宮攻勢は続く。パイルドライバー、この日2発目のサイトースープレックスで武藤を徹底的に追い込むや、再び監獄固めへ。絞め上げながら武藤の額に頭突きを叩き込み、自ら流血しながらも血染めの獄門鬼と化してギブアップを迫った。

 前哨戦ではこれで敗れた武藤だったが、この日はロープへ。勝負に焦る北宮はレフェリーを突き飛ばしながら武藤に殺到したものの、武藤も倒れたレフェリーを踏み台にしてのシャイニング弾を発射だ。持ち味の“ひらめき"で戦況を一変させた武藤は、正調シャイニング弾をズバリ。なおも立ち上がる北宮のサイトースープレックスも今度は体を反転させて押しつぶすと、前後からのシャイニング弾を連発して3カウントまで持ち込んでみせた。

 “令和の獄門鬼"と化した北宮を退けてGHCヘビー2度目の防衛に成功。戦前「マサ斎藤さんのマサを継ぐに値するか査定する」と語っていた武藤だが、「マサ北宮、あっぱれだよ。受け継いでいいよ。マサ北宮、俺が後見人になってやるよ」と北宮の“マサ継承"に太鼓判を押し、「まだ彼は伸びしろがあるんだよ。マサ(斎藤)さんはもっとデカかったし、重かったからな。今からもっと精進して、マサ斎藤の名前を汚さないように頑張って欲しいと思います」とエールを送った。

 そして次期挑戦者には意外な男が名乗り。同じM's allianceとしてセコンドに就いていた丸藤だ。マイクを握った丸藤は「武藤さん、防衛おめでとうございます。武藤さん、ぜひ僕から戦ってほしい男がいます。丸藤正道はいかがでしょうか? そのベルトを懸けて、丸藤正道とタイトルマッチ、いかがでしょうか?」と挑戦表明。しばし逡巡した武藤だったが、LOVEポーズで丸藤と手を合わせて承諾した。

 GHC戦での「武藤vs丸藤」シングル初対決が決定的に。「試合やってる時も『マサさんが見てくれてるんだろうな』って思いながら試合やってたんだけどさ。でも最後、丸藤が突拍子もないこと言いやがって。そこから今度は天国の三沢社長に見られてんじゃないかな、なんて思ってさ。(※同じM's allianceで)本当は立場的にやりにくい相手なんだけど、多分三沢社長にたずねたら『武藤、やってくれよ』って言ってくれるような気がしてさ」と武藤は語った。

 大舞台での激突は決定的だが、「試合がいつになるのかは知らないけど、もし決まったならば、副社長としての経営業務なんてのは高木三四郎(社長)とか武田(執行役員)とかに任せてリングに集中して欲しいな。どうしても経営的な立場になると、いろいろ“まるく"おさめようとしてしまうことになるから。そこは俺からのリクエストだな」と注文もつけた武藤。天国のマサさんに熱闘鎮魂歌を奏でた58歳の王者は、次は故・三沢光晴さんの影もちらつく注目の“天才対決"へと向かう。


【試合後の武藤】
――試合を振り返って?

▼武藤「いやぁ、しんどい! マサ北宮、あっぱれだよ。勝ち負けっていうのはホントにギリギリのところだよな。俺は戦前『マサ斎藤のイズム、名前を受け継いでいいのか査定する』って言ってたけど、受け継いでいいよ。マサ北宮、俺が後見人になってやるよ。まだ彼は伸びしろがあるんだよ。マサ(斎藤)さんはもっとデカかったし、重かったからな。今からもっと精進して、マサ斎藤の名前を汚さないように頑張って欲しいと思います。またチャンスあると思うよ。多分アイツ、俺との闘いが決まってから凄い強くなったよな。客観的に見てね」

――闘っていて北宮にマサ斎藤さんの影は見えた?

▼武藤「今日はね、なんとなくね、試合やってる時も『マサさんが見てくれてるんだろうな』って思いながら試合やってたんだけどさ。でも最後、丸藤が突拍子もないこと言いやがって。あれは意表を突かれたっていうか。そこから今度は天国の三沢社長に見られてんじゃないかな、なんて思ってさ。(※同じM's allianceで)本当は立場的にやりにくい相手なんだけど、多分三沢社長にたずねたら『武藤、やってくれよ』って言ってくれるような気がしてさ。今のノアのレスラーたちを見てると、おそらく丸藤が一番、本来のノアをレガシーを引き継いでると思うし。丸藤と良い闘いをしたいな…って思ってますよ」

――武藤vs丸藤のシングルマッチは初めてだが?

▼武藤「タイトルマッチ数戦やることで俺、コンディション上がってきてるからね。丸藤もナメてきたら、ちょっと今の俺“違う"と思うよ?」

――防衛を重ねるごとにコンディションが良くなっている実感がある?

▼武藤「そりゃそうさ。日々そこに向けてトレーニングして、防衛戦があるかないかでは気持ちが違うよ。トレーニングしてても、いつもなら『もうここでやめよう』って思うところを2段、3段さらにやれるからね。防衛戦決まってると」

――やるなら大きい舞台?

▼武藤「うーん…まぁ、あとはできたらね、俺も経験あるんだけど、試合がいつになるのかは知らないけど、もし決まったならば、副社長としての経営業務なんてのは高木三四郎(社長)とか武田(執行役員)とかに任せてリングに集中して欲しいな。どうしても経営的な立場になると、いろいろ“まるく"おさめようとしてしまうことになるから。そこは俺からのリクエストだな」

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