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5/4【DDT】高尾撃沈…ユニバ王者・上野がバチバチV5 彰人指名、博多で迎撃

『MAX BUMP 2021』東京・後楽園ホール(無観客/2021年5月4日)
DDT UNIVERSAL選手権試合 ○上野勇希vs高尾蒼馬×

 ユニバーサル王者の上野がバチバチのケンカファイトの末に高尾を撃沈し、5度目の防衛に成功。次期挑戦者に彰人を指名し、5・29博多大会で迎え撃つことになった。

 ユニバーサル王者・上野は高尾に「弱いヤツとばっかやって防衛している弱いチャンピオン」と酷評され、半ば強引にタイトル戦が決定。前哨戦となった4・11後楽園大会では高尾に圧倒されたうえで屈辱のピンフォール負けを喫した。調印式でも高尾は酒を飲むなどやりたい放題で、挑戦者ペースのまま、無観客で開催された後楽園大会で雌雄を決することになった。

 上野のプランチャを自爆させた高尾は場外DDTで先手。そこから首攻めへ。一点集中攻撃で序盤戦をリードすると、腰攻めにシフトする。上野も反撃を見せたものの、高尾ペースを崩すには至らない。

 10分経過直後に上野はトルニージョを浴びせて逆襲したが、フロッグスプラッシュは高尾がヒザを立てて撃墜。脇腹にエルボーをねじ込んで上野の動きを止めると、「弱いチャンピオン」と罵声を浴びせ、持ち込んだ缶酎ハイをぶっかけて挑発した。これにキレた上野はエルボーを乱射するも、高尾も受けて立ち、バチバチの打撃戦に。冷静さを欠いて動きが単調になった上野を見逃さない高尾はディープインパクト、シュバインなど大技で追い込むと、マッドスプラッシュで仕留めにかかった。

 しかし、上野は先ほどのお返しとばかりに剣山で迎撃。場外戦になると、缶酎ハイを自らの体にかけて気合いを入れ、入場ゲートの上からケブラーダを敢行した。リングに戻っても、後頭部へのミサイルキック、ハーフネルソンスープレックスなどで怒とうの猛攻を見せたが、BME(セカンドロープからトップロープに飛び乗ってムーンサルトプレス)は痛恨の自爆に。

 丸め込み合戦でも決着はつかず、どちらも体力を消耗してフラフラに。それでも2人は再び喧嘩腰にエルボーをこれでもかと打ち合った。押し切った高尾はエプロンでのディープインパクト、CIMA譲りのパーフェクトドライバーで畳みかけ、こん身のエルボーもクリーンヒット。しかし、上野も続くローリングエルボーにカウンターのヒザ蹴りを合わせると、高尾がジントニック、上野がWR(足かけ式前転DDT)を狙うスリリングな展開に突入する。激しい先読み合戦の末、上野はストレッチボムを繰り出すと、顔面に豪快なドロップキックをズバリ。今度こそWRを決めて、接戦をものにした。

 バチバチのケンカファイトを制して上野が5度目の防衛に成功。疲労困ぱいになりながらも、「会場にはみんな来れなかったけど、今日はむしろ1席も空けずにみんなが見てくれているんだと思って頑張り、頑張りすぎちゃいました。あがとうございます。勝ちました」とカメラ越しにメッセージを送った。高尾には「謝らないことがあります。楽しまないと言ってたのに。高尾さんは機械的過ぎると言ってたけど、機会を超えて凄く楽しかったです。またお酒ください。勝利の酒かけありがとうございました。またお願いします」と上野らしい挑発的な言葉を投げかけた。

 次期防衛戦で戦いたい相手を問われた上野は、「実は1人いまして…。彰人さんとやりたいです」と指名。彰人がリングに登場すると舌戦を繰り広げた。彰人が「俺は本当にありがたいと思っています。なんなら僕は君たちに敵わないと思っている。だから、このユニバーサルも自分から名乗りを挙げることはなかったし、こうやって言ってくれないと挑戦することはなかった。ありがとう」と素直に語ると、それに反応した上野は「敵わないと思っているなら、どうそ出てこずにお帰りください」と言い放った。

 しかし、彰人は「何か勘違いしてない? 敵わないと言っただけで、勝てないなんて一言も言ってないからね」と強調し、「君はそのユニバーサルに相応しいチャンピオンだよ。万人に受ける、万国に受けるプロレスをやってくれている」と評価しつつも、「けど、僕はね、デビューした時から人の足を壊し続けて十数年。君が味わったことのないプロレスが僕にはあるんですよ。君はそれを乗り越えれるかな?」と足殺しへのプライドをあらわに。上野も「残念ながら、それは言い方を変えているだけで、敵わないも勝てないも一緒ですから。僕も絶対に自分が敵わないような相手を挑戦者に指名するわけないですから。そう思ってくれているならぜひやりましょう。たぶん敵わないと思いますけど」と譲らず、このアピールを受けて、5・29博多大会でのタイトル戦が決定した。

 最後は「僕たちはハッピーな熱を持って、もっともっといろんなところに行って、いろんなところに届けましょう。キツかったけど、防衛できた。防衛戦も決まった。みんなまた見てね。本当にありがとうございました」と無冠客大会を締めくくった上野。半年間で5度の防衛を重ね、自信もプライドも身に付けた若き王者は、彰人戦、そして、6・6サイバーファイト・フェスで行われるノアとの対抗戦でも自分の信じるプロレスをぶつけるのみだ。

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