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7/24【新日本】棚橋がKENTAを会心撃破、ドーム前夜に鷹木戦名乗り 柴田が2年ぶりリングで援護射撃

『映画「ゴジラvsコング」Presents SUMMER STRUGGLE in NAGOYA』愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ/名古屋)(2021年7月24日)
○棚橋弘至vsKENTA×

 2年ぶりにリングに上がった柴田勝頼の援護を受けて、棚橋がKENTAを会心撃破。明日に迫った東京ドーム大会でIWGP世界ヘビー級王者・鷹木の防衛戦が宙に浮いた状態にある中で、「準備できてま〜す」と名乗りを挙げた。

 7・10札幌大会でKENTAが棚橋を襲撃したことで遺恨が再燃。昨年11月にUS王座挑戦権利証を争った際にKENTAは勝利したが、ブリーフケースを破壊されたことに今さらながら難癖をつけた。一騎打ちを受けて立った棚橋は、2人に縁深い柴田に立会人を依頼して試合に臨んだ。

 実況席から柴田が試合を見守る中、試合はスタート。KENTAは何度もリングを降りて揺さぶりをかけると、場外戦で先手。実況席の柴田を「テメェ座ってんじゃねえ。リングに上がれ。偉そうに」と挑発する。その後も首攻めでペースを握り、お株を奪うエアギターやリズムを壊した手拍子などで観客を煽った。対する棚橋はドラゴンスクリュー連発からのテキサスクローバーホールドに持ち込んだものの、しのいだKENTAはペースを奪還。フィッシャーマンバスター、ダイビングラリアットなどで勢いに乗ると、エプロンに両足を固定しての場外DDTでリングアウト寸前に追い込んだ。

 止まらないKENTAはなおも攻撃を重ね、go 2 sleepで仕留めにかかるが、ヒザをキャッチした棚橋はドラゴンスクリューで五分に戻す。そして、感情むき出しのエルボー合戦へ。KENTAも正面から呼応する。棚橋は馬乗りになってエルボーを連打し、串刺し顔面低空ドロップキックにつなげる柴田得意の連続攻撃を仕掛けるが、態度をひょう変させたKENTAは海野レフェリーを盾にして防ぎ、リング上はレフェリー不在の無法地帯となった。

 KENTAは金的攻撃で棚橋の動きを止めると、リング下から因縁のブリーフケースを持ち出し、逸材を殴打した。すると、見かねた柴田が2019年8月の日本武道館大会以来、2年ぶりにリングイン。KENTAの前で仁王立ちする。KENTAは容赦なくブリーフケースを振り上げたが、柴田はフロントハイキックで返り討ち。2年前はKENTAに裏切られてKOされたが、キッチリと借りを返すと、海野レフェリーをリングに押し入れ、倒れる棚橋を激励した。

 柴田の気持ちに棚橋が応える。絶叫するとツイスト&シャウト、スリングブレイド2連発で猛ラッシュ。負けじとKENTAもブサイクへのヒザ蹴りを連打し、「見てろ、柴田!」と激情を爆発させてgo 2 sleepを狙ったものの、切り抜けた棚橋は投げ捨てドラゴンスープレックスで鎮圧。棚橋も「見てろ、柴田!」と叫ぶやいなや、今度こそ串刺し顔面低空ドロップキックをぶち込み、ハイフライフローアタック、正調ハイフライフローの連続ダイブで熱戦に終止符を打った。

 昨年11月に敗れた雪辱を果たした棚橋は、決着がついた直後に実況席の柴田とガッチリと握手。柴田が「もう1回IWGPにいってほしい」とゲキを飛ばすと、2人は互いに感極まった表情を見せた。リングに戻った棚橋は「今、この気持ちを素直に言います。皆さん、会場に来てくれてありがとうございます。何を力に今、この時代を生き抜いていくか。いろんなものにパワーをもらいながら諦めず、前を向いて、みんなのその1つがプロレスだったら嬉しいです」でマイクでメッセージ。「改めて言っておきますけど、疲れてないです。この疲れない体、諦めない心でこれからも新日本プロレスを引っ張っていきます」と新日本をけん引していく覚悟を示した。

 鳴り止まない拍手に応えて、三度エアギターを披露。「明日からも皆さん気をつけて生活して、またプロレスに来てください。今日はありがとうございました。ということで……」と愛を叫ぼうとしたが、一旦ストップし、「最後にひとつだけ、ひとつだけ言わせてください。明日、東京ドーム大会、メインイベント、まだ飯伏が出られるかどうかわからない状態です。なので、なので、1個アピールしておいていいですか? 盛大にやりますよ。準備できてま〜す!」と飯伏に代わってのIWGP世界ヘビー級王座挑戦をアピール。「名古屋の皆さん、愛してま〜す」と締めくくった。

 「まだどうなるかわかんないけど…俺がいきます。もっと資格のある選手がいると考える人もいるかもしれない。いるかもしれないけど、明日、試合ない選手が限られてるし、ほかに誰も言ってないんだったら自力で、自分の力でIWGPにたどり着くのが一番かっこいいのはわかってる」と棚橋。「最後まで俺はね、飯伏の選択を尊重しますよ。尊重します。それだけの大舞台だから。ただ、俺はいつでもやってやりますから。こういうのね、俗にね、俗に“タナボタ"っていうんですよ」と飯伏の思いを尊重しつつも、臨戦態勢を取った。

 飯伏の出場の可否は現時点で決まっていない。仮に棚橋の挑戦が決まっても、KENTA戦は24分を超す熱戦だっただけに、コンディション的にも鷹木有利は動かない。だが、今年1月のNEVER王座戦で鷹木を下しているだけに、資格は十分あるのも確か。これまで何度も新日本のピンチを救ってきた逸材は“疲れない体"と“諦めない心"で東京ドームのメインに立ち、柴田と約束したIWGP獲りに突き進む。


【試合後の棚橋】
▼棚橋「まだどうなるかわかんないけど…俺がいきます。もっと資格のある選手がいると考える人もいるかもしれない。いるかもしれないけど、明日、試合ない選手が限られてるし、(※軽く笑みをこぼしながら)ほかに誰も言ってないんだったら自力で、自分の力でIWGPにたどり着くのが一番かっこいいのはわかってる。この、こういった負傷欠場、まだわかんないけど、僕も負傷欠場して、ほかの選手に何度も救ってもらったこともあるし、言ったらば、この仕事に限らず今のこの世界、助け合って生きていかないといけないじゃん。はぁ、はぁ、はぁ……100日後に試合がある棚橋。現在62日目。志3分の2ですけども、しっかりとした時間を過ごしてきたので。最後まで俺はね、飯伏の選択を尊重しますよ。尊重します。それだけの大舞台だから。ただ、俺はいつでもやってやりますから。(※少しの沈黙ののち)こういうのね、俗にね、俗に“タナボタ"っていうんですよ」

――かつての名門校が久々に甲子園に行く感じ?

▼棚橋「うまいこと言いますね(微笑) 僕もかつてね、甲子園(を目指した)球児でしたから。でもね、昔すごかったからじゃ今は通用しないんですよ。毎日練習して、毎日考えて、毎日プロレスを思って、毎日プロレスのこと考えて。プロレスに費やした時間、その熱量がきっとね、自分に返ってくると思うから。よしっ、どうなろうとも、どう転ぼうとも(※決意を固めたような表情で)俺がいきます。よしっ」

【KENTAの話】「ああやって、ああやって棚橋はいつでも、いつでも輝いて、アホの新日本のファンのこと照らし続けてりゃいいんだよ。それよりあいつの…いつか沈めてやるよ。それから、柴田…面白いことしてくれんじゃないか。よ〜く覚えとく…」

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