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7/25【新日本】鷹木ドームメインで激闘V1、男気挑戦・棚橋撃破 EVIL闇討ちで感動ぶち壊し

『WRESTLE GRAND SLAM in TOKYO DOME』東京ドーム(2021年7月25日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○鷹木信悟vs棚橋弘至×

 男気を見せて、緊急挑戦した棚橋を撃破し、鷹木がIWGP世界ヘビー級王座激闘V1。東京ドームは感動ムードに包まれたものの、EVILが闇討ちして全てをぶち壊しにした。

 当初は鷹木の指名を受諾した飯伏がタイトルに挑戦する予定だったが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のため、前哨戦を連日欠場。大会当日まで出場の可能性が模索されたが、回復には至らず、朝10時に棚橋が代わって緊急挑戦することが発表となった。棚橋は前夜の名古屋大会でKENTAを下し、自ら挑戦を志願。これまで幾度となく新日本の窮地を救ってきたエースが男気を見せた形に。鷹木は1・30名古屋大会でのNEVER王座戦で棚橋に敗れており、図らずも雪辱戦となった。

 5分過ぎのデスバレーボムを皮切りに、厳しい攻撃で先手を取った鷹木だったが、棚橋がエースの意地を発揮。左ヒザへのドラゴンスクリューから反撃に転じる。あえて鷹木流の真っ向勝負に乗り、串刺しドロップキックで場外に蹴落とすと、コーナーから場外ハイフライフローアタックで決死のダイブ。さらに、前夜に激励された柴田勝頼が乗り移ったかのように、馬乗りエルボー連打から串刺し顔面低空ドロップキックを発射すると、ロコモーション式でツイスト&シャウト3連発を繰り出した。

 鷹木も熨斗紙やジャーマンで反攻するが、「お前なんかエースじゃねえよ」と顔面を蹴りつけると、逸材の闘志はさらに燃え上がる。左足に各種ドラゴンスクリューを連発すると、右足には雪崩式ドラゴンスクリューを決めて両足破壊にかかり、総仕上げとばかりに急角度のテキサスクローバーホールドに捕らえた。

 なんとか窮地を耐え忍んだ鷹木は、同じくヒザ攻めで棚橋の動きを封じると、場外では鉄柵を使っての鷹木式GTRまで強行。這うように棚橋がリングに戻った瞬間、鷹木はスライディングエルボーをぶち込み、MADE IN JAPANで真っ逆さま。膝を叩いて気合いを入れると、フルスイングのパンピングボンバーを振り抜く。

 それでも棚橋は勝負を捨てない。鷹木の猛攻を真正面から受け止め、「来いよ!」と絶叫。ラスト・オブ・ザ・ドラゴンをスリングブレイドで切り返す。ダルマ式ジャーマン、スリングブレイド、ハイフライフローアタックと惜しげもなく大技を連発すると、足にしがみつく鷹木めがけて、飯伏に捧ぐカミゴェを一閃。すかさずハイフライフローがさく裂した。鷹木がギリギリで肩を上げると、場内は沸騰する。粘る鷹木はドラゴンスープレックスを狙う棚橋の手首を強引に掴み、一気にラスト・オブ・ザ・ドラゴンを決めて五分の展開に持ち込んだが、ダメージがひどくフォールに入れない。

 2人は死力を振り絞り、怒号を上げながらエルボー合戦を繰り広げると、棚橋は珍しいワンツーエルボーやノーモーション頭突きを披露。鷹木の抵抗を受けても止まらず、ドラゴンスープレックスを2連発で決めた。そして、体を引きずるようにハイフライフローを狙ってコーナーに上がる。しかし、追いすがった鷹木は、コーナー上で頭突きを乱射。へたり込んだ棚橋をSTAY DREAMでマットに叩きつけた。沈まない棚橋もビンタを振り回して最後の抵抗を見せたが、鷹木はショートレンジのパンピングボンバーを振り抜くと、最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンで熱戦を制した。

 37分を超す死闘の末に、鷹木が棚橋を撃破。半年ぶりの再戦で雪辱を果たし、IWGP世界ヘビー級王座初防衛に成功した。それでも緊急挑戦で自分を土俵際まで追い込んだ棚橋の底力には舌を巻いたようで、リングを去っていく逸材に対し、「棚橋弘至、あんたやっぱスゲェよ。さすがはエース。ある意味、本当の勝者はあんたかもな。これで1勝1敗だ。またやろう」と熱くメッセージを送った。そして、欠場した飯伏にも言及。「あいつはあいつなりにギリギリまでドクターと相談して、苦渋の決断をした。試合はできなくても、いや、あいつのことだから今日も会場に来ようとしたんだろうな。俺はその気持ちだけで十分だよ。これで1つ心に決めたのは、飯伏が来るまで負けられねえな、おい!」と決着戦までベルトを守り抜く覚悟を示した。

 「世間は相変わらずのコロナ禍で、感染予防、ソーシャルディスタンス。一番しんどいのは俺たちじゃねえ。お客さんだろ? だけど、正直、一都三県、緊急事態宣言中だ。そんな中、夏休みの日曜日、いいんだぞ、みんな、家でオリンピック見てたって。だけど、みんなは今日プロレスを選んでくれた! そのことは心から感謝する」。観客にそう熱く語りかけて、頭を下げた鷹木は、「俺もよ、今年39になるオッサンだけどよ、俺たちの世代がまだまだプロレスを引っ張っていかなきゃいけねえだろ!? ということで、これからもこのIWGP世界ヘビー級王座を通行手形に、新日本プロレス…いや、プロレス界の…いやいやいや、今は東京オリンピック中だ。世界中のテッペン目指して龍の如く駆け上がっていくぞ!」と決意をみなぎらせ、東京ドーム大会は最高のエンディングを迎えた…はずだった

 しかし、突然、テーマ曲が止まると、場内は暗転。ビジョンにはEVILとディック東郷の姿が映し出された。「誰がが勝ったんだ、この野郎。おい、東郷。どっちが勝った思う? オメエらのどっちが勝ってもよ、関係ねえんだよ」と言い放ったEVILは「おい、いいか。次はこの俺だ。よく覚えとけ」と挑戦表明をぶち上げた。

 照明が元に戻ると、ビジョンに釘付けになっていた鷹木の背後にはEVILの姿が。いきなりEVILを仕掛けてKO。鷹木を踏みつけ、ベルトを掲げて不敵な表情を浮かべた暗黒の王は、至宝を投げ捨て、リングを去っていった。

 棚橋の奮闘、鷹木の熱いメッセージでドームが感動に包まれたものの、EVILが全てをぶち壊して、衝撃的なバッドエンドに。前夜の名古屋大会で石井をなりふり構わぬ乱入で下したEVILが無法行為を仕掛けてくるのは確実だが、怒りの鷹木は「EVIL! 次は俺だと? あたりめえだッ! オイ、次はてめえとやってやるよ!」と迎撃を決意。暗黒の王を次なる標的に掲げた。


【鷹木の話】「(※上村の肩を借りて、机にもたれかかり、タオルを被った状態で)クソッ! EVIL! 次は俺だと? あたりめえだッ! オイ、次はてめえとやってやるよ!」

【棚橋の話】「(※辻の肩を借りて、ヒザを引きずりながらコメントブースに現れると)ピンチをチャンスに変えれませんでした。変えれませんでしたが……決めました。1つ決めました。俺はもう二度と口が裂けても弱音は吐きません。今ある棚橋で、今の体で、もう一度、もう一度トップへ。それが……(涙声で)それが応援してくれてるファンの方にできる精一杯だし、俺はもっとみんなの期待に応えたいです。チャンピオン、強いね。NEVERで戦った時よりも格段に進化してた。タフだし、何より自分の試合に自信があった。これから俺がやるべきことはもう一度這い上がること、決して諦めないこと。年の半ばでドームで大一番できて、(※立ち上がって)気合い入りました。気合い入りました。(※ポーズを決めて満面の笑みで)下半期、期待していいよ」

【EVILの話】「オイ、鷹木。てめえ、逃げるなら逃げていいぞ。その代わり、ベルトは置いてけよ。男なら受けるか? ああ? よく覚えておけ(※とマイクを叩きつけてさっさと控室へ姿を消す)」

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