8/1【NOAH】丸藤が“裸の桜庭”破ってV2 N-1不参加宣言で刺激注入
『CROSS OVER 2021 in HIROSHIMA』広島サンプラザ(2021年8月1日)
GHCヘビー級選手権試合 ○丸藤正道vs桜庭和志×
ノア真夏の広島ビッグマッチのメインを飾ったGHCヘビー級選手権試合は、王者・丸藤が桜庭を下して2度目の防衛に成功。ノア参戦後初めて“上半身裸"となった桜庭に徹底的に先を読まれて追い込まれたものの、最後は“三沢技"で逆転して勝利につなげた。一方で試合後には年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2021』不参加を表明し、団体内に刺激の一石を投じた。
ノア約20年ぶりとなる広島サンプラザ大会。真夏のビッグマッチ第2弾のメインで、約2年に渡ってノアに参戦してきた桜庭が団体最高峰のGHCヘビー級王座に初めて挑んだ。
杉浦貴、藤田和之、ケンドー・カシンの豪華セコンド陣を背に、丸藤の「弱点を見つけた」と公言していた桜庭が攻めに攻めた。グラウンドではことごとく足関節やスリーパーで絡め取ってエスケープを誘い、その後は腕攻めで主導権。関節技のみならず、強烈なミドルキックでヒジ関節を狙っていった。
丸藤が側転→ドロップキックで反撃を狙っても、空中で足をキャッチして今度はアキレス腱固めへ。トラースキックもモンゴリアンチョップで阻止し、トラースキックコンビネーションもすべてガードして直後にハイキックを一閃……と、次々に丸藤の先を読んでいった。
苦境が続いた王者も、どうにか虎王発射に成功して打撃戦に持ち込んだものの、桜庭も逆水平に真っ向からモンゴリアンチョップを返して譲らない。負けん気を煽りに煽られた桜庭は、ついに着用し続けてきたラッシュガードを脱ぎ捨てて“上半身裸の桜庭"と化すと、胸板を腫らしながらも逆水平チョップを受けまくった。
むしろモンゴリアンチョップで競り勝つ勢い。嫌がった丸藤がフックキックに切り替えても、桜庭は続く虎王を避けて執ようなスリーパーへ。胴締めに持ち込んだところで丸藤もパーフェクトキーロックで切り返したものの、さらに桜庭は三角絞めで切り返して絞め落としにかかった。
だが、窮地となった丸藤もかろうじてロープへ。逆にボディ虎王、ローリング虎王で巻き返し、桜庭が再びスリーパーを仕掛けてきても背面からコーナーに叩きつける。続けてコーナーを利用しながら桜庭を抱えあげると、師匠・三沢光晴さん最後の地でもある広島で、エメラルド・フロウジョン発射に成功した。
さらには三沢さんばりのワンツー、ローリングエルボーを叩き込むや、虎王をズバリ。なおも屈さぬ桜庭を、最後は虎王・零で仕留めてみせた。
徹底的に先を読んできた桜庭を振り切っての熱闘V2。試合後はノーサイドで桜庭と握手し、座礼で敬意を示し合った丸藤は、「さいたまでこのベルトを獲って、仙台で杉浦選手と防衛して、今日この広島の地で桜庭和志と防衛して。こんなご時世ですけど、全国で俺はこのベルトを防衛していきたいと思っています。何人いるかわからないけど、俺のことを応援してくれた人たちが何年待ってくれたんだって。俺も自分で自分を待ってた。必ず誰しもが認めるノアの顔にこの俺がなってみせます」と誓いを立て、真夏の広島ビッグマッチを締めくくった。
続く照準は、ノア年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2021』(9・12後楽園大会から開幕) ……かと思いきや、丸藤は「まぁ俺もこの団体のキャリアのある人間として、チャンピオンとしてN-1に……………出ない」と、まさかの不参加宣言。
「『GHCヘビーのチャンピオン、上から偉そうに見てるのか!?』って思う人が9割かもしれないけど、俺はこのベルトを獲ってみて、防衛もしてきて、このベルトを持ってるからには、そう簡単にシングルをサラッとやっちゃいけない気がするんだよ。『そんなことないよ、リーグ戦全部勝てばいいじゃん』と言う人もいるでしょう。分かるよ。俺の中にもその考えもあるけども、GHCヘビーのチャンピオンは、シングルマッチ一つひとつをもっと大事にして、高みを目指していくべきなんじゃないかな…って思うんで」と、その理由を語った。
次期防衛戦でN-1優勝者の挑戦を受けるつもり。「文句があるなら勝ち上がってくればいいじゃないか。全選手。偉そうだろ? 偉そうに言うけどよ、これでも一応チャンピオンなんだ。文句があるなら全員上がってこいって。でも、全員は上がれないだろ? 一人しか上がれないんだろ? その一人になるために、どうぞN-1 VICTORY、頑張ってくれ」と、あえて“上から"見下ろすことでノアマットに刺激を注入した。
【試合後の丸藤】
――試合を振り返って?
▼丸藤「やっぱり世の中には色んなタイプのプロレスラーがいて『どれがいい』『これがいい』とかじゃなくて、やっぱり“自分の信じた道"を歩んできた人は強いんだなと思いました。俺が18の頃から積み重ねてきたプロレスとはまったく違うし。でも、あの人もそう思いながら、俺の土俵にしっかり上がってきてくれたと思うし、ホント疲れたんですけど…勝てたから言うけど、ある意味楽しかったですね」
――『誰もが認めるノアの顔になる』と言っていたが、続いて見据えるものは?
▼丸藤「ノアの顔になると言った手前ではあるけれど、今度のN-1。今日、桜庭さんに勝てたら言おうと思ってたんだけど…。毎年、チャンピオンが出たり、出なかったり…そういうことが起きてるんでね。まぁ俺もこの団体のキャリアのある人間として、チャンピオンとしてN-1に……………出ない。出ない。『GHCヘビーのチャンピオン、上から偉そうに見てるのか!?』って思う人が9割かもしれないけど、俺はこのベルトを獲ってみて、防衛もしてきて、このベルトを持ってるからには、そう簡単にシングルをサラッとやっちゃいけない気がするんだよ。『そんなことないよ、リーグ戦全部勝てばいいじゃん』と言う人もいるでしょう。分かるよ。俺の中にもその考えもあるけども、GHCヘビーのチャンピオンは、シングルマッチ一つひとつをもっと大事にして、高みを目指していくべきなんじゃないかな…って思うんで。会社には俺からの提案だ。今日中には答えを出してくれるだろう、きっと」
――次の防衛戦は優勝者とやる?
▼丸藤「うん、そういう形になるな。文句があるなら勝ち上がってくればいいじゃないか。全選手。偉そうだろ? 偉そうに言うけどよ、これでも一応チャンピオンなんだ。文句があるなら全員上がってこいって。でも、全員は上がれないだろ? 一人しか上がれないんだろ? その一人になるために、どうぞN-1 VICTORY、頑張ってくれ。でも俺もその間、遊んでるワケじゃないから。見とけってしっかり。GHCヘビー級チャンピオンとして、N-1に出ていなくても、N-1に出てるヤツより存在感残してやるよ。それが俺が俺に対する課題だよ。ある意味、自分で自分を追い込む形にもなるから。誰に言われなくたって分かるよ。何を言われるか。でも自分で自分を追い込めばいいんだ。今日、桜庭和志に勝って、それを決めた」
――ワンツーエルボーやエメラルドフロウジョンを出したが?
▼丸藤「桜庭和志の知らないプロレスを出そうと思って、やっぱり広島ということで。でも、勝ちにつなげることはできたんで。(※天に向かって)すみません三沢さん、少し借りました。そのおかげで勝てましたよ」
