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8/15【NOAH】38分死闘“大花火"…杉浦が田中撃破で二冠奪取 N-1「ぶっちぎり」V宣言

『KAWASAKI, GO! 2021』神奈川・カルッツかわさき(2021年8月15日)
GHCナショナル&世界ヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs田中将斗×

 GHCナショナル王者・杉浦と、ZERO1世界ヘビー級王者・田中によるダブルタイトルマッチは、杉浦が38分を超える死闘を制して二冠奪取に成功。9月に開幕するノア年間最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2022』に向けて「ぶっちぎりV」を宣言した。

 ノア夏のビッグマッチを締めくくる川崎大会のメインに据えられたW王座戦。元弾丸ヤンキース対決で“どつきあい花火大会"と銘打たれた一戦は、時間切れ両者防衛の無い無制限一本勝負で争われた。

 妥協なきファイトスタイルとコンディショニングで多くの敬意を集める両雄。互いに誰よりも認め合うからこそ、プロとしての矜持をぶつけ合った。のっけからエルボー合戦の火花…いや花火が打ち上がり、「負けるか!」と叫び合いながら徹底的に意地を張り合う。杉浦が断崖式中年ズリフトを放てば、田中はイス攻撃でハードコア殺法を解禁し、“逆"アンクルホールドまで繰り出して足殺しに出た。

 譲らない杉浦がコーナーに詰めて暴走エルボーを乱射すれば、すかさず田中も体を入れ替えて暴走エルボーで返礼。中盤過ぎには負けん気の怒声を響かせながらヒザ立ちのエルボー合戦を繰り広げ、杉浦のフロントネックロックを切り抜けた田中がスライディングDを見舞えば、すかさず杉浦も“逆"スライディングDを発射だ。ならばと田中も“逆"予選スラムを返して、声援禁止の場内は興奮の“地団駄"に包まれた。

 そして再び限界突破の打撃戦。猛烈なワンツーエルボーの打ち合いを田中が頭突きで制しにかかったものの、杉浦も生拳の左ストレートで競り勝つ。続けて予選スラムへ。なおも屈さぬ田中を最後は奥の手・雪崩式予選スラムで仕留めてみせた。

 川崎に無数の“大花火"が打ち上がった38分を超える死闘を制して、杉浦が二冠奪取に成功。倒れ込む田中の手を握って座礼で敬意を示せば、田中も立ち上がって2本のベルトを潔く杉浦に手渡し、抱擁する二人の姿に、場内も納得の拍手に包まれた。

 マイクを握った杉浦は「田中将斗選手、ありがとう。今日はたまたま俺が勝っただけで、あなたより俺は優れていると思ってないから。またどこかで戦えたら嬉しいと思う。ありがとう。俺たちは弾丸ヤンキースだから、またどこかで」と去りゆく田中の背中に感謝した。

 GHC以外の他団体シングルベルトを巻いたのは初めて。“ZERO1最強の男"の座も手にしただけに「よし、次のN-1 VICTORY、全勝で優勝する。ぶっちぎりで」と9月開幕のN-1を見据え、「そして、もう一つのベルトも獲りにいくから」とGHCヘビー級王座との“三冠獲り"も見据えた。

 最後は「今日はこういう時期で、天気も悪いけど、ここカルッツかわさきに集まってくれてみんなありがとう。感謝してます。ちょっとね、世の中、憂鬱な時期が続いているけど、俺たちの、ノアのプロレスを見て、少しでもみんなの心が晴れてくれたら、俺は嬉しい。また応援して来ください。どこかの会場でまた会いましょう」と呼びかけ、「いくぞ! 1、2、3、ノア!」で締めくくった杉浦。51歳の鉄人は、まだまだノアの中心であり続ける。

【試合後の杉浦】
▼杉浦「まず団体のこの大事なベルトを懸けてくれて戦ってくれた田中将斗選手に感謝を、ありがとうございますと伝えたい」

――田中選手との戦いはどうだった?

▼杉浦「予想通りというか、予想を遥かに超える負けん気の強さというか、意地っ張りというか。まあ、タフだよね。最後はもうフィニッシュを返されたんで、上から落とすしかなかったよね」

――最後には「俺たちは弾丸ヤンキースだ」という言葉もあったが、戦いを通じて感じるものはあった?

▼杉浦「いや、前からずっとそういう思いはあって。今はチームが違って、戦っているけど、常に意識しているし、常に組んだらいつでも弾丸ヤンキースだと思っているから」

――世界ヘビー級のベルトを肩にかけてみてどう感じる?

▼杉浦「重いね。やっぱ田中将斗がそれなりの思いを込めてこのベルトを懸けてきたんで。俺もそれなりの思いで、このベルトを背負ってかないといけないのかなと」

――余計にN-1では負けられなくなったが、そこに向けては?

▼杉浦「いや、さっき言った通り。二冠だよ? 簡単には負けられないし、さっき宣言した通り、全勝でぶっちぎりで。そして、二冠の次、もう1つの称号。N-1覇者、そしてその先にはもう1つあるでしょ? 今日はお化粧して戦っていた人がいるでしょ?」

――大会のオープニングに元日の日本武道館大会が決まったが、それについては?

▼杉浦「嬉しいよね。新年一発目からそんな大きいところで。休めないけど、でも嬉しいよ、それは。これを『1月1日元旦って言ったらノアの武道館』という風にしたいよね。大会のクオリティーを上げて、『1月1日と言ったら…』って。そういう風にしていきたいよね」

――それまでに持っている栄冠をもっと増やしていきたいと?

▼杉浦「もう独占でしょう」


【田中の話】「(コメントスペースに座り込むと)正直、悔しいよね。でも、杉浦貴、本当に強かった。でも、あんな俺より年上の人間が、あんな強い俺より年上がいるんやったら、俺もまだあそこまで、あの歳になってもいけるんじゃないかなっていう。そういう気持ちがまた芽生えたよね。本当に今日、ZERO1の一番のベルト、看板になるベルトを獲られたのは悔しいけど…。悔しいよ。悔しいけど、でも彼ならあのベルトの価値、あの看板の価値をまた1つ2つ大きくしてくれるんじゃないかなって。今日戦ってみて、そう感じました。やっぱそこで、その看板を取り返したいという気持ちはすごくあるし、その大きくなった看板を取り返さなきゃいけないのは俺やなっていうのは今でも思っとるし。本当にでも今日は、強い。杉浦貴強い。認めざるを得ないよね。こんだけ全てをぶつけても勝たなかったんやから。ただでも、気持ちは折れてへんから。ZERO1も、田中将斗も気持ちはまだれ折れてへんから。杉浦貴がZERO1の世界ヘビーの看板を持って、看板を大きくしてくれたら、俺が獲りにいく。それだけ。杉浦貴、ありがとうございました」

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