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8/21【DDT】ついに秋山超え…竹下涙のKO-D返り咲きで「トップ」の誓い ブルックス迎撃へ

『WRESTLE PETER PAN 2021』神奈川・富士通スタジアム川崎(2021年8月21日)
KO-D無差別級選手権試合 ○竹下幸之介vs秋山準×

 竹下が3度目のシングルマッチでついに秋山超え。1年10ヶ月ぶりにKO-D無差別級王座に返り咲いた。涙を流しながら「トップ」の誓いを立てた竹下は、9・26後楽園大会での初防衛戦で、クリス・ブルックスを迎え撃つことになった。

 DDT初となる野外ビッグマッチのメインは、KO-D王者・秋山にKING OF DDT覇者・竹下が挑む大一番となった。竹下は昨年11月、12月に秋山にシングルマッチで連敗。その後、低迷が続いたが、The 37KAMIINA結成やAEW遠征、ノアとの対抗戦での勝利などで勢いを取り戻し、KING OF DDTも制覇。男色ディーノやHARASHIMAといったDDTの象徴たちを返り討ちにしてきた秋山の前に再び立った。

 大会開始の時点では明るかったものの、メインを始まる時点では日も暮れ、いやが上にもリング上は決戦ムードに包まれる。立会人の小橋建太氏が試合を見守る中、序盤からは2人は闘志むき出し。竹下は新兵器の変型チキンウイングフェースロックにつなげるべく、DDT連発を皮切りに首攻めでリズムを刻む。負けじと秋山もエプロンDDTから首攻めで反攻。試合は消耗戦の様相に。

 竹下は決死のトペコンヒーロから変型チキンウイングフェースロックを仕掛けるも、秋山は警戒して決めさせず。逆にフロントネックロックで絞めに絞めた。後頭部にランニングニーからエクスプロイダーでぶん投げるも、引かない竹下が投げ捨てジャーマンで食らいつき、スープレックス合戦に発展。ランニングニーの打ち合いも互角で、ラリアットも相打ちになり、両者大の字に。

 同時に立ち上がって突進し、ジャンピングニーを互いに狙うが、勢いで押し切った竹下はお株を奪うブルーサンダーからジャーマンスープレックスにつなげる。そして、再び変型チキンウイングフェースロックを狙うが、秋山はロープに逃れてここでも決めさせない。ならばと竹下は「終わり!」と予告して、奥の手・クロスアーム式ジャーマンを仕掛ける。

 秋山はなりふり構わずヘッドバットで阻止。すかさずニーリフトでねじ伏せ、エクスプロイダー2連発でぶん投げると、再びフロントネックロックに捕らえた。竹下は粘りを発揮して耐えきる。ならばと秋山は生ヒザで非情にも何度も竹下の顔面をかち上げ、リストクラッチ式エクスプロイダーが火を吹いた。

 しかし、竹下はギリギリで肩を上げて執念を見せる。続くランニングニーをキャッチすると、投げ捨てジャーマンから強烈なランニングニーをぶち込んだ。叫んで真っ向から受け止めようとする秋山に対し、竹下は生ヒザ式のヒザ蹴りを猛連打。それでも秋山が沈まないとみるや、クロスアーム式ジャーマンでぶっこ抜き、フォールせずについに変型チキンウイングフェースロックについに捕獲。絶叫して絞めに絞めて、ギブアップをもぎ取った。

 竹下が3度目の正直で秋山超え。秋山自身が記憶にないというほど珍しいギブアップ勝ちで、1年10ヶ月ぶりにKO-D王座に返り咲いた。マイクを持った竹下は「秋山さんにやっと勝つことができました! 勝ったぞ! 今日でピリオドなんて打つ気はありません。秋山さんから獲ったベルト、死ぬ気で防衛して、もっとデカいレスラーになって、次は僕が秋山準を迎え撃ちます。これからも僕も頑張ります。みんな頑張ります。秋山さんもDDTのためによろしくお願いします」と秋山にメッセージ。その言葉を聞いた秋山は花道で、「今日は負けたよ」とこぼしながらも、「俺が獲りに行くから待っとけ」と勝ち気に言い放った。

 秋山と入れ代わるように、ブルックスがリングに登場。日本語で「タケちゃん、ついに秋山さんに勝った。本当におめでとう。でも、2019年からあなたは私にシングルの試合で勝ってないでしょ? だから、最初の挑戦者は私。お願いします」と挑戦表明をぶち上げる。竹下も「いいよ。でも、今のタケちゃん、めっちゃ強いよ」と受諾して、ガッチリと握手。9・26後楽園大会での初防衛戦が決定した。リング上では、DDT初進出となる12・26代々木国立競技場第二体育館大会も発表に。早くも次なる戦いを見据えた竹下だったが、リング上でこれまでの思いを吐露した。

 「やっと秋山準選手にシングルで一本取り返すことができました。ありがとうございます。この1年、本当に個人的にもいろいろありまして、自信もなくなったし、もう何度も諦めそうになったし、ぶっちゃけ諦めてました。今日もこのリングに立つまで、自信もなくて、絶好調って自分に言い聞かせてやってきましたけど、全然そんな気もなくて。本当に綺麗事じゃなくて、皆さんの応援、声には出せないけど、皆さんの応援を感じました。そして、The 37KAMIINAの仲間が自分の、竹下幸之介のつらい1年間を最後まで誰よりも諦めず、僕よりも諦めずに応援してくれました。本当にありがとう」。涙ながらに竹下が語ると、場内は大きな拍手に包まれる。

 最後に竹下は「僕も何度目かのKO-D無差別級王者になりました。でも、今回こそは本当の意味でDDTには竹下幸之介がいる、そんなチャンピオンになって、DDTをトップの団体にしたいと思います」と誓いを立てると、観客も拍手でそれを後押し。爽やかな空気がリングを包まみ、DDT初の野外ビッグマッチはエンディングとなった。

☆9/26(日)東京・後楽園ホール『Who's Gonna TOP? 2021』10:30開場、11:30開始

▼KO-D無差別級選手権試合
[挑戦者]
クリス・ブルックス
vs
竹下幸之介
[第77代王者]
※竹下初防衛戦


【試合後の竹下】
▼竹下「リング上が全てです。もう伝えたいこととか、感じてもらいたいこととか、知ってもらいたいこととか、それは全部今日、秋山選手にリング上でぶつけさせてもらいました。リング上が竹下幸之介の全てです。わからないですけど、秋山さんにもエリートとか、ずっと特別扱いされてここまで来ましたけど、もう僕らも人間ですし、プロレスラーという人間なんで。くじけそうになることとか、不安になることとか、いっぱいあるけど、みんな僕の試合を見て元気になってもらえれば、それでいいです。本当にそれが全てです。竹下幸之介のプロレス、DDTのプロレス、もっと言うならプロレスを見て、世界中の人が笑って、元気になってほしいと思います。本当にそれが全てです」

――激しい試合になったが、勝敗を分けたのは?

▼竹下「ちょっと今、すぐに試合を思い返そうとしたけど、必死で食らいついたからですかね。今日、本当に負けれなかったし。やっぱり自信ですかね。僕がこの1年で一番成長したと思うのは自信。一度自信を失うことで、その大切さとか、今まで自分がやってきたプロレスというのをしっかり再確認できて。自分がDDTの何なのか、それを自分自身が再確認できて、そのうえで今日のリングに上がったから勝てたんじゃないかと僕は思ってます」

――フィニッシュのクロスアーム式ジャーマンからの変型チキンウイングフェースロックはえげつない攻撃だったが?


▼竹下「僕、シングルで3回目ですからね、秋山さんと。この2回、忘れてないですよ。1回目の大田区のギブアップも、2回目の後楽園のレフェリーストップも。えげつなさで言ったら、その2試合の僕の負け方もえげつなかったと思うので。僕も倍返し以上にやり返しかったんで。秋山さんから1、2、3も狙ってたけど、ギブアップ勝ちで勝ちたいというのが本音というか、一番狙ってたところなんで。これも1つ、自信になりましたね。秋山準からギブアップを取ったという自信になりました」

――早くも初防衛戦が決まったが、それについては?

▼竹下「クリスもリング上で言ってた通り、結構シングルマッチを大事なところでしているけれど、しばらくクリスにはシングルで勝ててないというのは、自分の頭の中にもあったし。正直、楽に勝てる相手ではないという。今の絶好調の竹下幸之介をもってしても、勝てる相手じゃないというところで。僕は何度も言っているように、DDTのプロレス、竹下幸之介のプロレスっていうのは、日本のトップを狙うけど、それ以上に僕は世界に届けたいです。そのうえで、クリスとの戦いというのはいつも注目度はピカイチだと思うんで。クリスとワールドワイドなタイトルマッチをしたうえで、皆さんを納得させたうえで、クリスに勝って、初防衛を決めたいと思います」


【試合後の秋山】
▼秋山「マイクが長い。もうちょっとうまく完結にまとめろ。だいぶ待ったよ、俺」

――今日の試合の敗因、勝敗の分かれ目は?

▼秋山「あいつのほうが元気だったんだろうな。絶好調ってお互いに言ってたけど、あいつの若さの絶好調のほうが上だったんだろうな。俺も絶好調でしたよ。絶好調だけど、同じ絶好調だったら、若さには負けるというのが勉強できました」

――無冠になったわけだが、今後に向けては?

▼秋山「ちょっと離れてみて、いけるところがあったら、すぐいこうかな。次は誰だ? 誰か行くって言ったな。クリスとの試合をだいたいどんな感じか見るから。『なんだ、これ?』ってなったら、またいくかもわからないし、他のヤツがそうやって『なんだ、これ?』って思ったら、また行くだろうし。まあまあ、チャンピオンの動向を見ましょう。絶好調って言ってここまで来たけど、終わってまだ絶好調だから。首は痛いけど」

――最後は変型のチキンウイングフェースロックでギブアップとなったが?

▼秋山「痛かった。痛かったから、これからもやるためにギブアップした。でも、自分でも(過去に)ギブアップした記憶がない。あったかな? どっかあった? それだけあいつが絶好調だったんだろう。でも、ただ1つ、どんな試合に臨む時にも絶好調でいけ。特にチャンピオンシップは。絶対に『どこか悪い』『心が落ちてる』、そんなクソみたいなことを言ってチャンピオンシップに臨むなよ。チャンピオンシップに臨むヤツは嘘でも絶好調でいけ。折れてたら、テーピング巻くのはいいよ。だけど、気持ちだけは前を向いていかないといけない。絶対にそれは。見ている人が面白くない。お客さんに失礼だよ。だから、俺はいつでも絶好調でいくから。どこか骨折れてたって、テーピング巻いてたって、気持ちで動かされるということをプロは見せないといけないしね。現代っ子だから、それはないのかもわからないけど。俺は古い人間だから。それは先輩からそうやって教えられたきたことだから、それはこれからもずっとやっていこうかなと思ってます」

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