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9/19【新日本】「目が覚めた」オカダがレインメーカー復活宣言 残り24秒で棚橋から“特別な"初戦白星

『G1 CLIMAX 31』エディオンアリーナ大阪第1競技場(2021年9月19日)
Bブロック公式戦 ○オカダ・カズチカvs棚橋弘至×

 オカダが“残り24秒"で棚橋を熱闘撃破。特別な相手を特別な場所で破ってG1初戦を白星で飾り、ある種の“原点"でもある大阪の地で「レインメーカー復活」を叫んだ。

 前夜開幕した『G1 CLIMAX 31』は、この日からBブロック公式戦もスタート。エディオンアリーナ大阪2連戦の“大トリ"に据えられたのは、近年の新日本を支えた黄金カードの一つでもあるオカダと棚橋の一騎打ちだった。

 棚橋はUSヘビーのベルト姿、そしてオカダは新コスチュームで登場。序盤から緊張感ある王道的“レスリング"でじっくり探り合い、深みを感じさせる駆け引きを展開した。

 その後は棚橋が低空ドロップキックやドラゴンスクリューで足殺しに出たものの、オカダも場外DDTで反撃に出るや、フラップジャックやリバースネックブリーカーで自身のリズムを刻み、コーナートップに棚橋を座らせてのドロップキックも見舞って見せ場を作った。

 負けじと棚橋もエプロンサイドでのせめぎ合いをドラゴンスクリューで制して巻き返し、場外のオカダめがけてコーナー最上段からのハイフライアタックも敢行。ツイスト&シャウト3連発も繰り出し、一気にスリングブレイドからのハイフライフローに持ち込んだ。

 ところがオカダは、肩を上げながら後方回転するやマネークリップで切り返す離れ業。逃れた棚橋も負けじと“逆"ツームストン・パイルドライバーを狙ったものの、オカダも打たせずに旋回式ツームストンで切り返して必殺レインメーカーを狙った。

 避けた棚橋も回転エビ固めで切り返しにかかったものの、踏ん張ったオカダも押しつぶしながらカバー。残り5分となったところでショットガンキック、コーナー最上段からのダイビングエルボードロップ…とたたみかけた。

 譲らない棚橋も、続くレインメーカーを避けると、今度は“逆"レインメーカーの構え。避けられてもスリングブレイドを連発し、ハイフライフローを投下した。

 オカダも剣山で撃墜したものの、やはり棚橋もレインメーカーを首固めで切り返すと、ジャーマン、ドラゴン…とスープレックスを連発したが、オカダはカウント1でキックアウトしてみせた。

 気づけば残り時間は1分。強烈な相譲らずのエルボー合戦を繰り広げ、引き分け濃厚かと思われたものの、棚橋がロープに走ったところで、オカダのカウンター・ドロップキックがドンピシャリ。続けざまに開脚式のシットダウン・パイルドライバーで突き刺すと、今度こその正調レインメーカーにつなげて、激闘を制する3カウントをもぎ取った。

 試合時間は29分36秒。“残り24秒"で勝利を手繰り寄せたオカダは、マイクを握ると、開口一番「棚橋戦、公式戦の中での一試合かもしれないけど、この大阪のお客さんや、俺にとってはすごい意味のある一試合だったと思います。そして、今までのオカダ・カズチカじゃなくて、“レインメーカー"オカダ・カズチカが帰ってきたぜ!」と叫んだ。

 いわゆる“レインメーカーショック"で語り継がれる大阪府立体育会館での棚橋戦は、レインメーカー・オカダにとっての原点でもある。現在も現日本プロレス界の象徴的存在に変わりはないが、コロナ禍での振る舞いに人知れず悩み、直前のメットライフドーム大会ではジェフ・コブに敗れるなど、最近は突き抜けきれない日々が続いていたのもまた事実だった。

 それでもどんな状況でも実直にプロレスと向き合う棚橋の姿、そして自身の“原点"に触れることで、試合後のオカダは「目が覚めました」と告白。自身の“あるべき姿"は、やはり「レインメーカー」だと確信した。

 それだけに大会の最後は「きのうはA、今日はB(ブロック)、満足していただけましたか? こんなもんで満足してんじゃねえよ、コノヤロー!まだ始まったばかりなんだよ! まだまだ、プロレスの火か、『G1』の火か、分からないけど、灼熱の秋、灼熱のレインメーカー、見せていきますのでよろしくお願いします!」とマイクを展開。最後は「『G1 CLIMAX』にカネの雨が降るぞー!」と締めくくった。G1初戦で蘇ったレインメーカーが、7年ぶりの頂点へ、迷いなき前進を始めた。


【試合後のオカダ】
――久しぶりの棚橋戦、特別なものを感じるところがあった?

▼オカダ「そうですね。なんだろな……やっぱり、まあ、12年2月、6月と(大阪府立体育会館でシングルマッチを)やって、先に入場したっていうのは2月だけなんで、そしてまたこの同じ会場で……なんかグッときましたよ。正直、ほんとに。まあでも、グッときて、終わるだけでもしょうがないんで、ここでやっぱりなにかを、きっかけをつかまないといけないと思ってましてね。まあほんとにでも、目が覚めましたよ、棚橋弘至と闘うことによって」

――『レインメーカーが帰ってきたんだ』とアピールした

▼オカダ「まあね、やっぱり僕も、こういう状況の中で、いろいろと迷ってる部分っていうのは、それがやっぱり試合にも、リング上にも出て来てると思いましたし、そんな迷ってる状態で勝てるほど棚橋弘至っていうのは甘くないんで。やっぱり(US)チャンピオンですし。もっと衰えてるかと思ったら、全然衰えてないッスよ。疲れないなと改めて思いましたし。やっぱりそういう、いろろと吹っ切れましたよ。まあほんとに、リング上でも言ったように、やぱっりプロレスラーが元気与えていかないと。こんな迷ってる人間が、“プロレス面白いでしょ"“みんなで元気なっていこう"“楽しくなりましょうよ"って言ってられないですから。そんな迷った男にはね、そんなこと言う資格はないし、ほんとに出せるものすべて出して、闘っていこかなと。そういう意味ではほんとに、棚橋弘至が初戦でしたし、まあ最高のスタートが切れたんじゃないかと思います」

――タイトルから距離のある現状だが、改めてG1というタイトルに向けての新たな決意は?

▼オカダ「そうですね、やっぱり、前回、2014年ですか、西武ドームで優勝して、この前はメットライフドームで、同じ会場で試合して、シングルマッチで負けてるって中で、やっぱり、タイトルを獲りたいなと、改めて思いましたし、ほんとに存在だけでやっていけるほど新日本プロレスのリングって甘くないと思うんで、やっぱり、強い人っていうのはやっぱり強くなきゃダメだし、強くある・イコール・チャンピオンにならないといけないと思うんで、しっかりチャンピオンとして、まあねIWGPはチャンスはないですけど、こうやって『G1』は今、みんな平等にチャンスがあるわけなんで、それをしっかり獲って、また進んで生きたいなと思います」

【棚橋の話】「(※重い足取りで壁伝いに引き揚げてきて、コメントスペースにたどり着くや崩れ落ち、フロアに突っ伏す。そのままで)悔しいなあ……悔しいなあ……。(※上半身を起こし、壁にもたれかかるように座り直して)もう、オカダに追いつくのは、難しいかな……。今、5勝7敗3分……。2つ負け越してるんでね。(※集まっている報道陣の顔を一人ひとり確かめたあとで)でもね、止まってられないから。まだ、一つ目だから。こっから盛り返していけば、優勝が見える。絶対優勝して、リベンジする相手が多いな! 鷹木、そしてオカダ。(※ここでリング上での“こんなとこで満足してんじゃねえよ、バカヤロー!"という叫びが聞こえてくると、ポツリと)そうだな。こんなので満足してちゃダメだな。オカダの言う通りだ。今できることを全力で。ただ、俺たち新日本プロレスには、もっと! 先があるだろ!(※ゆっくろ立ち上がって控室へ)」

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