プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

10/4【新日本】無傷5連勝・オカダが“新政権"樹立宣言 残り46秒でSANADA熱闘撃破

『G1 CLIMAX 31』東京・後楽園ホール(2021年10月4日)
Bブロック公式戦 ○オカダ・カズチカvsSANADA×

 オカダが残り46秒でSANADAを熱闘撃破。無傷の5連勝を果たし、“新政権"樹立を宣言した。

 ここまで開幕から4連勝で快進撃を続けるオカダ。5戦目の相手はライバルと認めるSANADAだ。2年前のG1では敗れているものの、戦績は7勝1敗とレインメーカーの圧倒的優勢。さらに連勝を重ねるべく、SANADA戦に臨んだが、戦いはもつれにもつれた。

 2019年には4度シングルで対戦し、お互いを知り尽くしている2人。2年ぶりの一騎打ちはともに動きを警戒して無理には仕掛けず、序盤から一進一退の攻防が続いた。そんな中、オカダは切り札のレインメーカーにつなげるべく、首をじっくりと攻めて、徐々に試合を掌握する。

 さらに、ここでSANADAに非常事態が発生。ドラゴンスリーパーに捕らえようとムーンサルトで飛びついたが避けられてしまうと、着地に失敗し、右足を痛めてしまったのだ。ヒザを押さえて倒れ込み、苦痛に表情を歪ませる。オカダは見逃さず、容赦なくヒザからマットに連続して叩きつけると、マネークリップで絞め上げた。

 オカダが一気に勝負を決めようとレインメーカーを予告するが、手負いのSANADAはTKOで活路を開く。20分経過がコールされると、スイング式ドラゴンスリーパーからSkull Endに執念で持ち込んだ。リング中央で絞めに絞めると、作戦を切り換えてラウンディングボディプレスへ。避けられても華麗に不時着するが、再びヒザに激痛が走る。それでも内藤哲也のコリエンド式デスティーノばりに走り込んで背後に回り込み、Skull Endに再度捕らえた。ここを逃してなるものかと懸命に絞め上げたが、オカダも耐えきる。

 SANADAは観客に手拍子を煽ってそれを力に変えると、オカダのレインメーカー狙いをローリングソバットで防御。オカダのドロップキックに被弾したものの、ポップアップ式TKOからラウンディングボディプレスがついにさく裂した。しかし、ヒザを強打したため、即座にフォールできず、勝機を逃す。ここで25分経過となった。

 オカダはここぞという時に繰り出すショルダースルーからのエビ固めで不意を突くと、旋回式ツームストンパイルドライバーで逆襲。すかさずショットガンドロップキックを発射する。すぐさま立ち上がったSANADAだったが、オカダは急角度のジャーマンでぶん投げると、レインメーカーの構えに。勝負を捨てないSANADAはかいくぐってオコーナーブリッジでクルリ。オカダが肩を上げても、SANADAは何度もドラゴンスリーパーを仕掛ける。

 時間切れが迫る中、ドロップキックを自爆させ、コリエンド式デスティーノの要領で再び背後を狙ったSANADAだったが、途中で踏ん張ったオカダは開脚式ドライバーで真っ逆さま。引き分け直前にレインメーカーを振り抜いて、ライバルを沈めた。

 オカダが残り46秒でSANADAを下し、今G1での連勝を「5」に伸ばした。SANADAと互いに親指を立てて健闘を称え合ったオカダは、マイクを持つと、「後楽園! 今日も熱い声援どうもありがとうございました。新日本プロレスから声を出さないようにと言われてしまうのに、つい声が出てしまうような試合をして、本当に申し訳ありませんでした」とレインメーカー流の言い回しで熱戦に手応えを見せた。

 「5戦5勝。これからどんどん脱落者も出てくると思いますし、5勝するだけでG1 CLIMAX取れると思ってないし、たかが5勝で新日本プロレスのトップだと胸を張って言うわけにはいかないと思います」と冷静に状況を見定めたオカダ。それでも、この日、政治の世界で岸田文雄内閣が発足し、新たな日本のリーダーが動き出したことに自分を重ね、「日本にも新しいリーダーが出てきて、新日本プロレスにも新しく、この新日本プロレスを引っ張っていく人が出てこないといけないんじゃないかと思います。ただ、このリングは別に投票なんてする必要はなく、実力さえあれば、勝っていくことができれば、必ずまたこの新日本プロレスを引っ張っていけるようなリーダーになれると思ってます。それはレインメーカー、オカダ・カズチカしかいないんじゃないでしょうか!?」と“新政権"樹立を宣言した。

 そして、「東京の皆さんとは少しお別れですが、まだまだG1 CLIMAX続きますし、熱い戦いをしていきますので、目を逸らさないで、しっかり注目してください。今日はどうもありがとうございました。というわけで、G1 CLIMAXに金の雨が降るぞ!」と自信に満ちた言葉で後楽園大会を締めくくった。

 オカダが予告した“新政権"樹立のためには、G1のブロック突破、7年ぶりの優勝、そしてIWGP世界ヘビー級王座奪取を果たさねばならない。次戦は10・8高知大会でのタイチ戦。オカダは新日本の新たなリーダーとなるべく、連勝をさらに伸ばし、一気に頂点へと駆け上がる。

【試合後のオカダ】
──今回も激しいタフな試合になったが、振り返えると?

▼オカダ「本当にライバルにふさわしい闘いができたんじゃないかなと思います。『G1 CLIMAX』は30分という時間制限がある中で前回も29分、まあ何秒か忘れたけど、ギリギリで負けてるんで、そういう意味でもライバルに1勝を返すことが出来たんじゃないかなと思います」

──リング上では「たかが5勝」という言葉があったが、そのへんは意識していない?

▼オカダ「まあね、5勝だからいいわけじゃないですし、これで次から4連敗したら最初の5勝がよかっただけっていうふうに終わってしまうんで。でも、誰もさ、今のオカダがここから連敗して落ちていくと思えないような闘いをしっかりとできていると思いますし、本当に今日はSANADAさんとまたやってね、今まで『G1』で4試合やって、今日は5試合目で、また違ういろんないい意味を持った闘いをしてきて、ドンドン勢いもついてきているんじゃないかと思うんで、またこれからドンドンドンドン強いオカダ・カズチカを見せていけるんじゃないかなと思います」

──オカダ選手が意識するであろうジェフ・コブ選手もピタリと並んできているが、意識している?

▼オカダ「まあジェフの5勝と俺の5勝は違うでしょって。一緒にしないでよと(言いたい)。まあでもね、そんなことも言ってられないのが『G1』なんで。どんだけ熱い試合をしても何も点数は変わらないですし。ただ、本当に対戦相手の思いもそうですし、お客さんのこの熱い声援を受け取って試合ができているんで。まあジェフとはまだまだ先のことなんで、ほかのことを考えずに次の試合のことを考えていきたいと思います」

──次は10・8高知でタイチ選手との試合になる

▼オカダ「正直何もないですよ。(IWGP)タッグチャンピオンっていうぐらいかなと。本当にタッグチャンピオンでよかったなと、シングルでオカダの相手はもうしてられないよと思ってもらえるような、それぐらい最強なオカダ・カズチカをタイチさんにお見せしたいなと思います。ありがとうございました」

【SANADAの話】「(※コメントスペースに現れるなり床に座り込んで)ライバル…いや、自分でライバルって言っちゃあダメだね。カズチカにはまったく勝てないけど、今日闘ってみて少しはなんか、何かわからないけど希望が見えたよ。この少しの希望があるかぎり、俺は信じるよ。CHECK ONE TWO…」

プロ格 情報局