10/8【新日本】EVILが無法ファイトで5勝目強奪 棚橋は痛恨3敗目

『G1 CLIMAX 31』高知県民体育館(2021年10月8日)
Bブロック公式戦 ○EVILvs棚橋弘至×

　EVILが無法ファイトで5勝目を強奪。逆EVILや金的などなりふり構わぬ攻撃で抵抗した棚橋だったが、痛恨の3敗目を喫した。

　10・4後楽園大会ではSHOに暗躍させて同門のタマを闇討ち&金的で撃破したEVIL。G1だろうと反則暴走を連発して、ここまで4勝1敗の好位を死守してきた。今日の相手はUS王者の棚橋。昨年のG1公式戦以来の対決で、前回はEVILが勝利していたが、今宵も暗黒の王はやりたい放題に暴れ回った。

　棚橋は正攻法で序盤戦をリードしたが、EVILのセコンドについた東郷が暗躍して気を引く。警戒してエプロンに出た棚橋がリングに戻ろうとした瞬間、EVILはロープを蹴りつけて急所攻撃を誘発。場外では逸材の古傷である左ヒザをパイプイスでいたぶった。リングに戻ってもヒザに追い討ち。棚橋が反撃に出ても、東郷が介入して足止め。、場外戦ではEVILがラリアットやScorpion Deathlockで攻め立てた。

　棚橋はむき出しになったコーナー金具への衝突を誘い、左ヒザへの低空ドロップキックで一矢報いる。自らもコーナーの金具に顔面から衝突してしまうが、ツイスト&シャウトで形勢打開。介入を狙う東郷をスライディングキックで蹴散らすと、EVILにはスリングブレイドを繰り出した。うつぶせになったEVILにハイフライフローを投下すると、テキサスクローバーホールドに捕らえて、勝負に出る。

　東郷はレフェリーを場外に引きずり下ろすと、US王座のベルト強奪して乱入するが、棚橋はテキサスクローバーホールドに捕獲して譲らない。EVIL&東郷のマジックキラーも阻止。東郷をまさかの逆EVILで排除すると、場内は沸き返る。棚橋はEVILの急所蹴りを食らってしまうが、なりふり構わず金的攻撃でお返し。一気にスリングブレイドを狙って突っ込んだ。

　しかし、EVILは浅見レフェリーの体を投げつけて防御。無法地帯になったのをいいことに、ダークネスフォールズで逸材の動きを止めると、US王座のベルトで殴打する。KO寸前の棚橋に対し、暗黒の王は必殺のEVILをズバリ。倒れる浅見レフェリーを無理矢理起こすと、逸材の眉間に指で作った銃口を当てながら3カウントを奪い取った。

　EVILが無法ファイトで5勝目を強奪。無敗のオカダ、コブを追走し、ブロック突破の可能性をつないだ。一方、棚橋は痛恨の3敗目。大きく後退し、優勝戦進出は絶望的となった。

　「オイ棚橋、悔しいか? これが現実だ、バカヤロー。いいかオイ、これが新日本の“エース"と、“KING OF DARKNESS"の実力差だ。テメエはもう顔じゃねえんだよ、よくわかったか。覚えとけ」と棚橋をバッサリと斬り捨てたEVIL。次戦となる10・12仙台大会では後藤と対戦する。一方、「ああ…これが、世代交代かぁ…。時代の先頭を走ってたつもりが、いつの間にか、抜かされて、抜かされて、中盤どころか、最後ほうの、一番後ろの一団にいるような…」と肩を落とすしかなかった棚橋は、全勝街道を突き進むコブと激突する。

【EVILの話】「オイ棚橋、悔しいか? これが現実だ、バカヤロー。いいかオイ、これが新日本の“エース"と、“KING OF DARKNESS"の実力差だ。テメエはもう顔じゃねえんだよ、よくわかったか。覚えとけ」

【棚橋の話】「(※若手の肩を借りて引き揚げてくる。コメントスペースまで運ばれると、フロアにうつぶせに横たわり、顔を突っ伏す。言葉が出てこなくて何度もため息を漏らす)はあ…はあ…。(※体を返して仰向けになると)ああ…。(※約1分半、言葉が出てこないままとなると)はぁ…はぁ…あぁ…。(※寝返りを打つように体を横向きにして)この『G1 CLIMAX』、体力的にっていうよりも…勝てない自分への不甲斐なさのほうが…すげぇ強烈に感じて…。(※再び仰向けになり)ああ…これが、世代交代かぁ…。時代の先頭を走ってたつもりが、いつの間にか、抜かされて、抜かされて、中盤どころか、最後ほうの、一番後ろの一団にいるような…。あぁ…3敗目、きついなぁ…。ああ…。でも、よし、(※ゆっくり立ち上がりながら)仙台までに気持ちを切り替える。これがベテランの妙…。オレのCLIMAXは、まだ終わってないです…」