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10/9【新日本】飯伏が“格闘技モード"でオーカーン撃破 単独首位浮上で3連覇へ前進

『G1 CLIMAX 31』エディオンアリーナ大阪(2021年10月9日)
Aブロック公式戦 ○飯伏幸太vsグレート-O-カーン×

 飯伏が“格闘技モード"でオーカーンを撃破。6勝目を挙げてAブロック単独首位に浮上し、3連覇に向けて前進した。

 前人未到の3連覇へ5勝2敗と順調に勝ち星を重ねている飯伏は、今宵がオーカーンとシングル初対決。G1初出場のオーカーンは4勝3敗と勝ち星を先行させており、10・7広島大会に続いてのメイン登場に。2人の戦いは異質なものとなった。

 飯伏もオーカーンもともに格闘技経験者。打撃でもグラウンドでも一歩も引かずに序盤から火花を散らし、まるで総合格闘技のような展開に。異様な緊張感がリングを包み込んだ。一進一退の攻防となったが、10分過ぎにオーカーンが肩固めで絞め上げて先制。さらに、グラウンド状態となった飯伏の左足にローキックを乱射する。しかし、飯伏も強烈なアリキックでオーカーンを揺さぶると、ローキックで蹴り倒し、“10・9"を意識したような足4の字固めに捕らえた。

 しかし、しのいだオーカーンは一本背負いをカウンターで決めて逆襲。空手仕込みの正拳突きやトラースキックで飯伏を攻め立て、タックルで転がすと、ヒザ固めに捕らえた。飯伏は足を極められながらも、ビンタを連打するが、オーカーンはヒザ蹴り、ボディブローで脇腹攻めにシフト。後頭部に張り手を乱射して挑発する。

 すると、飯伏の表情が一変。ストレート掌底でオーカーンをメッタ打ちに。ガードが上がったところで、脇腹にソバットをぶち込むと、ボマイェがクリーンヒット。粘るオーカーンはジャーマン狙いをヒザ十字固めで切り返すと、一転して飯伏が苦もん。オーカーンはアンクルホールドに移行してギブアップを迫る。しかし、飯伏は片足立ちになると、ハイキックで脱出。ストレート掌底を放つと、タックルを狙ったオーカーンに強烈なヒザ蹴りをカウンターでぶち込んだ。

 オーカーンが意識もうろうとなったところで、飯伏はカミゴェの構え。なんとかかいくぐったオーカーンだったが、飯伏はハイキックで蹴り倒すと、今度は生ヒザ式カミゴェを狙う。オーカーンは右ヒザをアイアンクローで捕獲する奇策に出て、そのまま強引に担ぎ上げようとしたが、飯伏は空いた左ヒザでカチ上げて脱出すると、今度こそ生ヒザ式のカミゴェをズバリ。飯伏が激闘を制した。

 オーカーンが普段のラフファイトやキャラクターを封印して猛攻に出たが、飯伏も格闘技モードで呼応して快勝。6勝目を挙げて、単独首位に立った。飯伏はマイクを持つと、「オーカーン、グレート-O-カーン、面白いよ。みんな面白かったでしょ? オーカーン、今日は久々に岡と再会できてよかったよ」と満足げ。「これで僕は6勝目。優勝決定戦にいけることが少し…少しだけと見えてきました」と3連覇に向けて手応えを示すと、「僕はいつもいつも言っている。何からも逃げない、負けない、諦めない。そして、絶対に裏切らない!」と観客に誓って大阪大会を締めくくった。

 バックステージでも「久しぶりに、プロレスリングを堪能しました。久々に、出会いましたね。彼は凄いんじゃないですか、本当に。あのレスリングテクニック。何か…何かやってたんじゃないですか、彼は凄かったですよ、“圧"が。やっぱり、打撃ではね、負けないけど。久々に体重差っていうのがありましたね、ハイ。競技としてのプロレスができたというか」と充実感を見せた飯伏。27年前の1995年10月9日、東京ドームで行われた新日本プロレスとUWFインターナショナルも全面対抗戦が頭によぎったようで、格闘技モードの試合を堪能し、「優勝決定戦、これで見えてきたというか。まあ、可能性は上がったんじゃないか」とブロック突破に自信を深めた。

 飯伏の次戦は最終公式戦となる10・18横浜大会。KENTAと対戦する。オーカーンに続いて、KENTAも撃破し、3連覇に王手をかける構えだ。

【飯伏の話】「(※コメントスペースにたどり着くなり)ああ、やばいやばい…。(※と言って腰を落とし、壁にもたれかかるように座り込むと)久しぶりに、プロレスリングを堪能しました。久々に、出会いましたね。彼は凄いんじゃないですか、本当に。あのレスリングテクニック。何か…何かやってたんですか、凄かったですよ、“圧"が。打撃ではね、負けないけどやっぱり…。いやあ、久々に体重差っていうのがありましたね。競技としてのプロレスができたっていうか。さっきも言いましたけど、優勝決定戦、これで見えてきたというか。まあ、可能性は上がったんじゃないかと。そして一番言いたいのは、“10・9"…。今日10月9日。1995年10月9日(東京ドーム、新日本プロレスvsUWFインターナショナル全面対抗戦)…第1試合から僕は、最高に楽しんで、プロレスを…。その時の感覚に戻ったというか。第1試合(石沢常光&永田裕志組vs金原弘光&桜庭和志組)の感覚というか、あの当時の第1試合の…。凄かったです。この1勝は大きいッス。いやあ、凄かった。ああ…。4勝…。最高に楽しめましたよ、ハイ。(※立ち上がって)またやってみたいですね。『G1』じゃなくても。(※ゆっくり立ち上がって)何回でも。何回でもやってみたい。(※控室に歩を進めながら自分に言い聞かすように)逃げない、負けない、あきらめない…」

【オーカーンの話】「(※鼻血を拭おうともせず、意地でも若手の肩を借りずに、いまにも倒れ込みそうな足取りで引き揚げてくると、コメントスペースに入っても片ヒザをつき)ああ、クッソー。クッソー…クッソー! ああ…ああ! ああ! (※なにも言葉が出てこないまま、うわごとのように)見んなよ、コノヤロー(※と言って控室へ消えていく)」

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