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10/18【全日本】ゼウスが年内で全日本を退団、2022年から故郷・大阪プロレスの社長レスラーに

 ゼウスが18日、東京・湯島の全日本事務所で福田剛紀社長、十枝利樹取締役とともに会見し、2021年12月31日をもって全日本プロレスを退団すると発表。2022年から大阪プロレスの社長として団体を運営していくことになった。

 2006年11月に大阪プロレスでデビューしたゼウスは、2014年3月から全日本に参戦。翌2015年9月に入団し、三冠ヘビー級、チャンピオン・カーニバル、世界タッグ、アジアタッグと主要タイトルを獲得するなど活躍してきたが、6年間在籍した全日本に別れを告げることになった。

 最大の理由は故郷・大阪プロレスへの強い思いだった。実は全日本に所属した際も「全日本プロレスを全力で盛り上げるために、30代いっぱいは全日本プロレスにこの身を捧げよう。40歳になる2022年から大阪プロレスをやろう」と決意していたという。そこで30代最後の年となった今年、春頃から準備に入り、大阪プロレスのオーナーである阪上誠司氏から「14年間、守り続けてきた大阪プロレスを託せるのはゼウスしかいない」と大阪プロレスの株式100%を譲渡された。8月6日に会社登記を終え、同26日付で大阪プロレス社長に就任した。

 全日本もゼウスの思いを尊重し、「卒業」の形で快く送り出す。「これから大阪プロレスを経営しながらも、団体として全日本プロレスとは友好関係を築き、活動していく」と話したゼウスは、「引き続き機会がある時は全日本プロレスに立たせていただきます」と大阪プロレス所属として全日本のリングに上がるつもり。逆に全日本勢の大阪プロレス参戦も熱望した。

 「オンリーワン、必ず日本一の団体を作り上げます。日本中の子供たちに夢を与えたい。家族が仲良く楽しめるエンターテインメントを大阪で提供したいと考えております」。40歳となる2022年からゼウスの「大阪プロレス再生」という新たな挑戦が始まる。

【会見の模様】
▼十枝取締役「今日お集まりいただきましたのは、全日本プロレスからご報告がございます。隣におりますゼウス選手から春ごろから私どもの方に相談があり、実は大阪プロレスさんを買い取って、自分で経営、運営をしたいんだというご相談がありました。ゼウス選手からすると長年の彼のプロレス人生、あるいは人生そのものの目標、目的だった。そういうふうに聞いております。全日本プロレスとしてもできうる限りのアドバイスであるとか、相談に乗っていろんなことをご支援できるように。詳細はゼウス選手から話がありますが。このたび、大阪プロレスをゼウス選手が買収したことになりまして、皆様にご報告します。ゼウス選手とは所属選手契約を今年の12月31日まで締結しております。これにつきましてはゼウス選手が大阪プロレスを来年1月一日から経営、運営するということで、円満に卒業ということで、ゼウス選手を全日本プロレス選手、スタッフ全員で送り出して、ゼウス選手が来年以降、大阪プロレスを盛り上げて、もちろんその過程の中で全日本プロレスも全力でゼウス社長、大阪プロレスを支援して、お互いにこのプロレスを盛り上げていきたい。そういう風に思っております」

▼ゼウス「今、十枝さんがお話ししてくださったその通りなんですけど、自分の気持ち、これまでのことを申し上げますと、自分が大阪プロレスを経営することは、2014年に大阪プロレスが全員フリー契約になってからの夢でした。大阪プロレスは1999年3月4日にスペル・デルフィンさんが設立し、2007年8月6日より、乃が美創業者の阪上誠司会長が経営していたのですが、このたび、自分が大阪プロレスを受け継ぐことになったのは、凄く運命を感じております。自分はもともと大阪プロレスの生え抜きレスラーです。天王山も制覇し、大阪プロレスのチャンピオンにもなりました。大阪プロレスの楽しかった時期、苦しかった時期を知り、2004年の選手全員フリー契約への変更、それから全日本プロレスへの参戦、全日本プロレスへの所属、そして三冠王者になり、去年は史上3人目のチャンピオン・カーニバル全勝優勝を成し遂げました。全日本プロレスを全力で盛り上げる。そういう心の奥にはずっと大阪プロレスへの愛、大阪プロレス再生への思いがありました。いつか大阪プロレスをやってやると。全日本プロレスと契約当時、社長の秋山さんに相談させていただいたことがあります。自分は数年後、大阪プロレスをやろうと思ってます、社長でやっていきたい夢がありますと。その時、秋山さんは『今のままのゼウスは早いよ。この全日本プロレスでトップになって、チャンピオンになって、それからやったらいい』と言われました。それからの自分は大阪プロレスへの思いを心の奥にしまい、全日本プロレスを全力で盛り上げるために、30代いっぱいは全日本プロレスにこの身を捧げようと。必ずチャンピオンになってやると。そして40歳になる2022年から自分の大阪の夢を始めようと、そう心に決めました。そして今年の春、来年からの目標である大阪プロレスの準備に取りかかろうと思い、福田社長、十枝取締役、諏訪魔さん、石川さんに相談させていただきました。ちょうどチャンピオン・カーニバル決勝の日です。チャンピオン・カーニバルを全力で終えたあとに、そろそろと思い、相談させていただきました。そしたらゼウスわかったと。凄く皆さんが笑顔でゼウスの夢なら、全日本プロレスとしても惜しい選手だが、これからも協力体制でやっていこうと福田社長がこうおっしゃったのを覚えています。引き継ぐのが実現できたら言ってください、途中でも報告してくださいとおっしゃってくださいました。凄くありがたい言葉に感激し、感謝したのを覚えています。それから阪上会長に相談させていただきました。阪上会長も今、乃が美の経営でとても忙しい中、14年間、守り続けてきた大阪プロレスを託せるのはゼウスしかいないと、自分に託してくださることになりました。そして晴れて今年の7月30日に大阪プロレスの代表取締役に就任し、8月6日に登記、8月26日に株式譲渡も全て行い、晴れて大阪プロレスのオーナーになり、代表取締役に就任できたことをここにご報告いたします。本当に全日本プロレスには感謝の気持ちしかありません。このような大変な時期に自分の思いを理解して気持ちよく出していただけることに心より感謝いたします。福田社長、十枝さん、本当にありがとうございます。スタッフのみなさんもありがとうございました。自分は全日本プロレスの最高の時代に戦えたと思っております。宮原健斗さん、諏訪魔さん、石川修司さん、ジェイク・リー、秋山準さん、大森隆男さん、ジョー・ドーリング、ディラン・ジェイムス、崔領二、芦野祥太郎、青柳優馬、野村直矢、ヨシタツさんや数々のライバルがいた中で戦えたことが本当に自分の最高のキャリアとなりました。これから大阪プロレスを経営しながらも、団体として、全日本プロレスとは友好関係を築き、活動していくという話になっております。ですので、引き続き機会がある時は全日本プロレスのリングに立たせていただきます。大阪プロレスについては必ずオンリーワン、日本一の団体を作り上げます。日本中の子供たちに夢を与えたい。家族が仲良く楽しめるエンターテインメントを大阪で提供したいと考えております」

――大阪プロレス経営へ動き出したのはいつから?

▼ゼウス「先ほど申し上げた5月3日のチャンピオン・カーニバル決勝の日に福田社長、十枝取締役、諏訪魔さん、石川さんに相談させていただき、そこからとなります。そして6月1日に坂上会長と自宅でお会いして話にひとまず折り合いがついて、そこからとなります」

――三冠も巻き、チャンピオン・カーニバルに優勝し、全日本でやりたいことをやり尽くせた?

▼ゼウス「自分もやっぱり人間なんで、ケガもなく全力で動ける時期というのは30代いっぱいまでと決めておりました。30代いっぱいまでは全日本プロレスに捧げよう。そういう気持ちで全日本プロレスのリングに立ってまいりました」

――大阪プロレス旗揚げ戦はいつごろをめどに考えている?

▼ゼウス「キッチリと旗揚げするのは4月。来年の春だと。4月29日がもともとの大阪プロレスの旗揚げの日でもあるので。それまでに旗揚げのパーティーやプレ旗揚げ戦というものは開催したい、プロデュースの大会をさせていただいたりとか考えておりますが、しっかりした旗揚げ試合をやるのは来年春だと考えております」

――全日本とは協力関係とのことだが、全日本から大阪プロレスに上がってもらいたい気持ちもある?

▼ゼウス「それは本当に最高ですよね。大阪の若い選手と全日本の若い選手が対戦したり、自分も諏訪魔さんや宮原健斗さんと大阪のリングでメインベントでできたら本当に最高だと思っております。それは全日本プロレスがそれを受け入れてくださるなら、自分はそういう風にしたいと思っております」

▼福田社長「とにかく夢を追って実現できるのはこの時代、本当に貴重なお話だと思いましたので、ぜひ私も応援させてくださいということでプッシュしております。ぜひお声がけいただければ協力致しますし、こちらから協力をお願いすることもあるかと思いますが、よろしくお願いします」

▼ゼウス「よろしくお願いいたします。ありがとうございます」

――厳しい社会情勢の中で旗揚げすることになるが?

▼ゼウス「自分が大阪プロレスをやることに関しては一切の迷いはなく、これまで信念をもってきたことなので、それを一気に広げた形になります。自分の勝手な読みになるんですけど、コロナも落ち着いてくるんじゃないかなと。コロナ禍の中でも2022年には開けるんじゃないかなと。自分で言うのもあれですけど、凄く勘が当たるんで、そういうふうに思ってたんで。そのために準備をさせていただいた次第です」

――大阪プロレスはゼウス選手個人で購入した?

▼ゼウス「そうですね。引き継いでやらせていただくことになりましたとお話ししましたが、ぶっちゃけ申し上げますと買わせていただきました。購入させていただきました。M&Aというんですかね。大阪プロレスの株式全て100%を自分が今持っております。大阪プロレスの株全て100%はこの大林賢将が持っております」

▼十枝取締役「ビジネス上の話になりますが、全株式の譲渡を受けたと。事業譲渡ではありません。株式譲渡でゼウスが100%の株式の譲渡を受けたという形の買収、友好的な買収です。オーナーから100%の株式の譲渡を受けたということになってます」

――経営面で全日本から学んだものはある?

▼ゼウス「そうですね。これからも十枝さんや福田社長にはいろいろ経営のことでも相談させていただいて、学ばせていただきたいと思ってるんですけど。私も30歳でキングジムというボディビルのジムを営んできたんで、経営者としては不安もある中で自分の思う経営は心なんですけど。人の心をつかんでいく。いうなればファンの心をつかむ、お客様の心をつかむ、スポンサー様の心をつかむ、選手の心をつかむ、スタッフの心をつかむ。そういう経営をしていきたいと思っております」

――社長に就任ということで試合出場はどれぐらいの頻度になる?

▼ゼウス「自分の体がリングに立って皆さんにお披露目できる、いい試合ができ続ける限りは立ち続けたいとは思っております。はじめは月に10試合もできないんで、数試合からですけど、数年後に年間100試合ができたとしても自分が出ない大会というのはないものと思ってます。中途半端に出るのは嫌いなんで、半分休むぐらいなら引退して経営に専念したいと思ってます。立つなら100%で立って皆さんにお見せさせていただいて、一人一人の選手の皆様と同じ心をもってリングに上がりたいと思っております」

――営業活動も自らやっていく?

▼ゼウス「幸いにも凄く自分には大阪で応援して下さる方がたくさんおられますので、これからスポンサーを募っていき、大阪プロレスの柱、一つの柱になっていただきたいと思ってます」

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