11/28【NOAH】拳王と死闘W王座戦…中嶋が60分ドロー防衛 電撃登場・潮崎と元日武道館で激突へ
『LEC クリンぱっ! presents NOAH the BEST 2021』東京・国立代々木競技場 第二体育館(2021年11月28日)
GHCヘビー&GHCナショナル選手権試合 △中嶋勝彦vs拳王△
GHCヘビー級王者・中嶋とGHCナショナル王者・拳王によって争われたダブル王座戦は、同門・金剛の矜持(きょうじ)を示すかのような死闘の末に60分フルタイムドロー。試合後には欠場中の潮崎豪が電撃登場し、1・1日本武道館大会で中嶋のGHCヘビー級王座に挑戦することが決定的となった。
“元日武道館"のメイン出場と二本のベルトを懸けて、中嶋と拳王による同門対決が暮れの代々木ビッグマッチで実現。日本マット界屈指の“キッカー対決"は、身を削って反骨集団・金剛の矜持を刻むかのような死闘となった。
のっけから覚悟を確認し合うようなフルスロットルの蹴り合いを展開。中嶋が足攻めで蹴りを封じにかかり、エゲつないボディ攻めもみせたものの、拳王も場外での曼荼羅ひねりやコーナー最上段からの場外PFSも敢行して巻き返す。
さらには5分間に渡ってひたすら猛烈なミドルキックを打ち合ったものの、拳王がストレート掌底でダウンを奪うと、背中、ボディへ必殺PFSを連発だ。かろうじて肩を上げた中嶋もハイキックからのヴァーティカル・スパイクで突き刺したが、こちらも3カウントは入らない。
試合は40分を超えてさらに過激さを増す。中嶋の三角蹴りを阻止した拳王が雪崩式ドラゴンスープレックスからのPFSを敢行すれば、またもやギリギリでキックアウトした中嶋も、奥の手・雪崩式ダイヤモンドボムを繰り出したものの、やはり3カウントには至らない。
ならばと狙い済ました顔面蹴りで拳王の意識を断ち切りにかかったものの、なおも屈さぬ拳王は猛烈な右ハイキックをズバリ。続けて2度目の右ハイキックもクリーンヒットさせるや、胴締めスリーパーで絞め落としにかかった。
それでも中嶋は絞めらたまま立ち上がると、逆にダイヤモンドボムで切り抜ける離れ業。すかさず拳王のアゴめがけてトラースキックを連射したものの、倒れない拳王も先を争うような張り手合戦で連打をまとめると、崩れ落ちた中嶋の側頭部を容赦なく3度に渡って蹴り飛ばした。
中嶋はなおも3カウントを許さない。逆にトラースキック乱射からのダイヤモンドボムを見舞ったものの、拳王も肩を上げ、しばしダブルダウン状態に。すでに残りは5分を切った。両者死力を尽くして立ち上がると、再びミドルキックの猛打戦を展開だ。拳王のカウンター右ハイキックがまともに顔面をとらえ、奥の手・ムーンサルト式ダブルニードロップまで放ったものの、中嶋も追撃を避けて右ハイキックをクリーンヒットさせ、再び両者大の字となった。
残りは2分。ヒザ立ちのまま張り手を打ち合い、張り手合戦に発展。拳王の左右張り手乱射で棒立ちとなった中嶋だったが、おもむろにショートレンジのラリアットをぶち込み、場内も思わず大きくどよめく。続けて中嶋はラリアットを連発したものの、ここで時間切れのゴングが打ち鳴らされた。
黒の王者と赤の王者によるダブル王座戦は、死力を尽くした果てに時間切れ。結果として中嶋がGHCヘビー級王座2度目、拳王がナショナル王座初防衛に成功した。
しばし大の字で天井を見上げた両雄。上体を起こしてマイクを握った中嶋が「拳王…」と言いかけたその時だった。
場内に『ENFONCER』の旋律が流れ、花道から欠場中の潮崎が電撃登場。右肩の手術(右上腕二頭筋腱脱きゅう)で3・14博多大会を最後に欠場していた潮崎は、約8ヶ月半ぶりにノアのリングへと足を踏み入れると、元相棒でもある宿敵・中嶋の眼前に立った。
マイクで潮崎は「I am NOAHが帰ってきたぞ! 次の(12・5)名古屋から完全復帰します!」と表明したうえで、「中嶋、お前にそのベルトは似合わないよ。そのベルトは俺のモノなんだよ。元日、日本武道館、GHCヘビー級…次は俺だ!」と叫んだ。
すかさず中嶋も「潮崎…やってやるよ。時代を動かしてるのはこの俺だ。潮崎、俺がノアだ!!」と真っ向から受諾。中嶋がベルトを見せつけながら長時間に渡ってにらみ合った。壮絶な死闘となった金剛同門W王座戦を経て、方舟マットは“俺がノアvsI am NOAH"の元日武道館決戦へと舵を切る。
【中嶋の話】「あのタイミングで来るのはなんだかなあ。まあ、いいけどさ。潮崎豪、復帰しておいしい存在なのか? やってみなきゃわからないか。でも、俺がノアだ。潮崎豪、武道館で終わらせてやる」
【拳王の話】「クソ…。夢だった日本武道館大会メイン…これだよ、失ったな。そして、なんだよ、おい、今までただただ家でぐうたら生活してたヤツがなんで出てくるんだよ? 俺はな、テメーが家でぐうたらしている間も、ノアのため、自分のために体を張ってやってきたんだよ。おいしいところは全て持っていくのか? そんなんでな、I am NOAH? 俺がノアだ? そんなこと言っている場合じゃねーぞ。おい、いいか、テメーら。またいつか必ず俺がテッペンいってやるからな。とりあえず今日はビッグマッチのメインイベンターとして失格だな。また一からやり直してやるよ」
【潮崎の話】
――復帰していきなりタイトル挑戦をアピールしたが、今の怪我の状態は?
▼潮崎「怪我の状態、それを聞きますか? 万全だからこそ今日この代々木に来たんですよ。いつでもいけるから。そして、メインでああいう試合を見せられて、黙ってられないと。やはり復帰して、狙うはGHC。なぜなら“I am NOAH"だ」
――中嶋選手にベルトが似合わないという話もあったが、今日の試合をどんな風に見ていた?
▼潮崎「やっぱりあのベルトの居場所はこの俺の腰だと感じてますし、試合を見てよりその気持ちが強くなりましたね」
――大舞台でのGHC戦をアピールしたが、武道館にも思い入れがある?
▼潮崎「武道館だからこそという試合もできると思いますし。自分が欠場していた期間、いろんな選手の手に渡って、GHCのベルトの色も重みもまた増した雰囲気を感じましたよ。だからこそ元日、日本武道館、俺がいくしかないでしょ?」
――観客の反応はどう感じた?
▼潮崎「まだまだファンのみんなも声が出せない状況なんで。でも、みんなの気持ちはリング上でヒシヒシと感じるものがありました。次は元日、日本武道館のメイン。“I am NOAH"はノアをさらに上げていきます」