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12/14【プロレス大賞】IWGP世界王者・鷹木がMVP初受賞 ベストバウトはGHC戦「武藤vs潮崎」 『2021年プロレス大賞』

 東京スポーツ新聞社制定『2021年度プロレス大賞』選考会が13日、行われ、新日本のIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟が最優秀選手賞(MVP)を初受賞した。

 この日、プロレス大賞選考会が行われ、蝶野正洋、小橋建太両氏も特別選考委員として参加。各賞の受賞者が決まった。MVPは新日本・鷹木とノア・武藤敬司がノミネート。奇しくも山梨県出身の二人で争われ、投票の結果、19票中14票を獲得した鷹木の初受賞が決まった。

 鷹木にとって2021年は大躍進の年となった。6・7大阪城大会でオカダ・カズチカとの王座決定戦に勝利し、第3代IWGP世界ヘビー級王者に君臨。棚橋弘至(7・25東京ドーム)、EVIL(9・5メットライフドーム)、ザック・セイバーJr.(11・6大阪)と3度の防衛を重ねてきた。選考会でも「業界を引っ張っていくIWGP世界ヘビー級王者として多大な役割を果たした」、「コロナ禍、主力選手の欠場など緊急事態の中でIWGP世界ヘビー級王者として業界の盟主・新日本を支えてきた鷹木が2021年のMVPにふさわしい」と評価された。また、勝敗に関係なく、常にクオリティの高い試合を連発してきたことも特筆される。

 この日、受賞の報を受け、オンライン会見に臨んだ鷹木は「一言でいえば感慨無量。ホントに感無量だなと。今まだね、実感がないから、うれしさを表現するの難しいけど。さっき聞いたところによると、ほぼMVPの決選投票みたいのが同郷の武藤敬司さんと争ったってことでね。言ってみたら山梨で一番になった男が日本で一番、世界で一番っていうことでね。俺もホントうれしい限り」と喜びの弁を述べた。

 昨年に続くコロナ禍の中で「会場に来てる方はもちろん、配信やテレビを見てる人にも何か自分の熱を伝えることができたらな、感じ取ってもらえたらな」との思いで2021年を戦い続けてきた。その中で「特別何かを努力したってことはないんですよね。いつも通り。いつも我道驀進と言ってるけど、自分の信念を貫いた結果だと思ってる」と話したように、一貫したスタンスがあった。

 新日本勢のMVP受賞はこれで11年連続となった。2011年から昨年まで、棚橋弘至(2011年、2014年、2018年)、オカダ・カズチカ(2012年、2013年、2015年、2019年)、内藤哲也(2016年、2017年、2020年)の3人が独占。2008年の技能賞以来、実に13年ぶりの受賞で初のMVPを獲得した鷹木はそこへ割って入った形で「よく言ってたじゃない。棚橋、オカダ、内藤がいるトップに足を入れるか、追い出されるかは俺次第だって。ここでMVPというのをいただいたことで、また追い出されるかもしれないけど、入り込んだのかなというのはあるよね」との手応えも得ることができた。

 「天龍源一郎さんなんかにも教わったけど、やっぱり痛みの伝わるプロレス。『あぁ、プロレスって凄ぇな、痛いな』っていうかね。プロレスの迫力とか、そういうのを伝えていきたいと思ってるし、プロレスといえば鷹木の試合だよねって思われるような試合をこれからも提供していきたい」。そう誓った鷹木は「IWGP世界ヘビーに手が届いて、MVPも受賞することができたけど、これでプロレス界のテッペン獲ったとは思ってない」とさらなる高みを見据え、「本当の意味で真価を問われるのは2022年」と定めた。

 しかも年明け早々、大一番が続く。1・4東京ドーム大会でオカダとのIWGP世界王座4度目の防衛戦を控え、これを突破すれば翌1・5ドームでウィル・オスプレイを迎え撃つ。「いきなり1・4、1・5っていう正念場があるからね。そこを乗り切るか乗り切らないかで、また俺の今後、いつまでやるかわからないけど、40代、50代のプロレス人生が変わってくる」と気を引き締めた鷹木は「2022年、いきなりね、試練が1・4、1・5と続くけど、そこも乗り越えて2022年もさらに龍のごとくテッペン目指して駆け登っていく」と誓ってみせた。

 年間最高試合賞(ベストバウト)はノア約10年ぶりの日本武道館大会となった2月12日のGHCヘビー級王座戦「武藤敬司vs潮崎豪」が選ばれた。58歳にして同王座初挑戦・初戴冠を果たし、健在ぶりを示した武藤は「ちょっと体力が落ちている俺でも受賞ができる、改めてプロレスはアート、芸術だな」と実感。MVPとのダブル受賞はならなかったものの「来年はMVP狙って頑張ります」と今から宣言した。

 相手となった潮崎は「緑の誇りと自信を持って闘った試合です。負けた試合ではありますが、受賞出来てすごく嬉しく思っています」と喜びの弁。元日には所も同じ武道館でのGHC王座挑戦(王者は中嶋勝彦)が決まっており、「これに奢ることなく精進して参りますので、皆さん応援よろしくお願いします。プロレスリング・ノア元日日本武道館大会、GHCヘビー級のベルトを必ず自分の腰に巻きます」と年明け早々の返り咲きを誓った。

 全日本の三冠ヘビー級王者ジェイク・リーは殊勲賞を獲得した。闇墜ちした今年、チャンピオン・カーニバル初優勝を果たし、6・26大田区大会では宮原健斗、青柳優馬との巴戦を制して三冠ヘビー級王座を初戴冠。躍進の一年となった。三冠王者として迎える2022年へ向けて「俺がやろうとしていることはまだまだこれから大きく発展していく」と宣言した。

 ほかにも新日本のタイチ&ザック・セイバーJr.が最優秀タッグチーム賞、DDTの現KO-D無差別級王者・竹下幸之介が敢闘賞、新日本のグレート-O-カーンが技能賞、東京女子でSKE48の荒井優希が新人賞、スターダムの現ワールド・オブ・スターダム王者・林下詩美が女子プロレス大賞をそれぞれ受賞。9月21日に55歳の若さで逝去した故・風間ルミさんに功労賞が贈られた。受賞者一覧は以下の通り。


☆東京スポーツ新聞社制定『2021年度プロレス大賞』選考結果

▼最優秀選手賞(MVP)
鷹木信悟(新日本)

▼年間最高試合賞(ベストバウト)
GHCヘビー級選手権試合「武藤敬司vs潮崎豪」(ノア2・12日本武道館)

▼最優秀タッグチーム賞
タイチ(新日本)&ザック・セイバーJr.(新日本)

▼殊勲賞
ジェイク・リー(全日本)

▼敢闘賞
竹下幸之介(DDT)

▼技能賞
グレート-O-カーン(新日本)

▼新人賞
荒井優希(東京女子)

▼女子プロレス大賞
林下詩美(スターダム)

▼功労賞
風間ルミ


【鷹木オンライン会見の模様】
――初受賞となったが感想を

▼鷹木「改めまして、このたびは東京スポーツ新聞社制定・2021年度プロレス大賞・最優秀選手賞。つまり、MVPに選んでいただき、誠にありがとうございます。一言でいえば感慨無量。ホントに感無量だなと。今まだね、実感がないから、うれしさを表現するの難しいけど。さっき聞いたところによると、ほぼMVPの決選投票みたいのが同郷の武藤敬司さんと争ったってことでね。言ってみたら山梨で一番になった男が日本で一番、世界で一番っていうことでね。俺もホントうれしい限りだなと。この一年を振り返ってみると、そうだな。昨年同様、コロナ禍の状況が続いて、世間は足踏みしてる状態だけど、俺たちプロレスラーは何とかね、前進しなきゃと思ってやってきたけど、それでも相変わらず集客に関してもフルに入れられない。お客さんが会場に来ても声を出せない。そういう状況でも俺たちプロレスラーという表現者として何かを伝えたい、熱を伝えたいということでね。会場に来てる方はもちろん、配信やテレビを見てる人にも何か自分の熱を伝えることができたらな、感じ取ってもらえたらなっていう思いで毎試合、毎試合、臨んでいたけど。俺自身はこうやってMVP選んでもらったけど、特別何かを努力したってことはないんですよね。いつも通りよ。いつも通りの鷹木信悟で。周りには『鷹木は運がいいね』なんてことは結構言われたけど、言ってみたら、この業界だけじゃないだろうな。どんな物事も運とタイミングを味方につけた者が強いんだろうなと。だから振り返ってみれば、俺はただただ鷹木信悟の…いつも我道驀進と言ってるけど、自分の信念を貫いた結果だと思ってるんで。まぁ、そんな感想かなと」

――2021年で印象に残っている試合は?

▼鷹木「うーん、ホントね、どちらかといえば俺、勝った試合よりも負けた試合の方が凄く印象的で、1月のNEVER戦、棚橋弘至戦とかね。あとは3月のオスプレイとのNEW JAPAN CUPの決勝だったり。あと、どんたくのタイトルマッチもそうだし。オスプレイとね。そういう負け、負けというのが凄く印象的なんだけど、その負けがあったからこそ、浮き沈みが激しい中、沈みがあったからこそ浮くことができたのかなと思ってるけど。一番印象的だったのは意外かもしれないけど、メットライフドームのEVIL戦かなと。このコロナ禍というだけあってね、まさかの俺自身が8月、コロナウイルスに感染してしまって、隔離期間もあったし、練習ができない状況で10日ぐらいで体重も4、5キロ落ちて、『あ、これやばいな』『俺の運も尽きたな』とか思った中、ギリギリ間に合ってね、メットライフドームのメインに上がることができたけど。危ない場面でも仲間たちがヘルプしてくれて。凄い俺の中であの1試合というのは自分自身が大丈夫かな? たぶんお客さんも『おい、鷹木大丈夫なのかよ?』って思う中で戦って勝つことができたんで。ある意味、このコロナ禍の状況でコロナに勝ったと言ったらちょっと大げさかもしれないけど、一番印象に残ってる試合かな」

――選考会でもその試合でプロレスラーの強さを体現したとの声も挙がっていた。ここ10年ぐらい棚橋、オカダ、内藤がMVPを分け合う状況に風穴を開けたが?

▼鷹木「鷹木信悟という…俺ら新世代?」

――内藤選手と同世代だが?

▼鷹木「同世代。そうだね。あ、そうか。棚橋、オカダ、内藤と続いてきた中で鷹木信悟とね。これも俺は負け惜しみみたいなこと言ってたけど、何だろうな。プロレス大賞に選ばれんのも2008年の技能賞以来かな。26歳の時に。それ以降、何回かノミネートぐらいはあったかもしんないけど、選ばれないから縁がないのかなと思いながら、さっき言ったように負け惜しみでね。別に俺は記録に残らなくてもいいんだよと。記憶に残るレスラーでいたいんだって思ってたけど、やっぱりこの業界でやる限りは記憶にも記録にも残りたいじゃない。俺は39だけど、ギリギリ間に合ったって感じかな、言ってみたら。よく言ってたじゃない。棚橋、オカダ、内藤がいるトップに足を入れるか、追い出されるかは俺次第だって。ここでMVPというのをいただいたことで、また追い出されるかもしれないけど、入り込んだのかなというのはあるよね」

――プロレス界の顔となったが、自覚も変わってくる?

▼鷹木「俺はやっぱりプロレスが好きだし、プロレスに対してリスペクトがあるから、やっぱりレスラーとしてナメられたくないんだよね。だからこそ、天龍源一郎さんなんかにも教わったけど、やっぱり痛みの伝わるプロレス。『あぁ、プロレスって凄ぇな、痛いな』っていうかね。プロレスの迫力とか、そういうのを伝えていきたいと思ってるし、プロレスといえば鷹木の試合だよねって思われるような試合をこれからも提供していきたいよね」

――2022年の抱負、目標は?

▼鷹木「そうね。この2021年やってきたことで、こうやってIWGP世界ヘビーのベルトにも手が届いて、東スポのプロレス大賞のMVPもいただいて、鷹木凄いなって思われるかもしれないけど、本当の意味で真価を問われるのは2022年なわけじゃない? そこでいきなり1・4、1・5っていう正念場があるからね。そこを乗り切るか乗り切らないかで、また俺の今後、いつまでやるかわからないけど、40代、50代のプロレス人生が変わってくるなと。ここは何としても乗り切りたいなと。またこれがベルトの問題になってしまうけど、1・4、1・5。これはね、新日本プロレスだけじゃなく、プロレス界のためにも俺が乗り切らなきゃダメだと思うんでね。もちろん乗り切ってやろうという気持ちがあるんで」

――最後にファンへメッセージを

▼鷹木「さっきも言ったけど、俺自身がIWGP世界ヘビーに手が届いて、MVPも受賞することができたけど、これでプロレス界のテッペン獲ったとは思ってないんで。2022年、いきなりね、試練が1・4、1・5と続くけど、そこも乗り越えて2022年もさらに龍のごとくテッペン目指して駆け登っていくんで、応援よろしくお願いします。ということで、俺の言いたいことは以上だ」


【武藤(ベストバウト)のコメント】「2021年東スポプロレス大賞ベストバウト、おかげさまで受賞することができました。これもひとえに対戦相手の潮崎豪選手、そして周りで俺を支えてくれたノアのスタッフの皆んなのおかげだと思っております。ちょっと体力が落ちている俺でも受賞ができる、改めてプロレスはアート、芸術だな、と感じることができました。本当はMVPも狙っていたんですが、それはちょっと落ちてしまいました。ということは、来年はMVP狙って頑張ります」

【潮崎(ベストバウト)のコメント】「東スポプロレス大賞ベストバウト受賞ありがとうございます。緑の誇りと自信を持って闘った試合です。負けた試合ではありますが、受賞出来てすごく嬉しく思っています。これに奢ることなく精進して参りますので、皆さん応援よろしくお願いします。プロレスリング・ノア元日日本武道館大会、GHCヘビー級のベルトを必ず自分の腰に巻きます。応援よろしくお願いします。I AM NOAH!」

【タイチ(最優秀タッグチーム賞)のコメント】「去年は世紀の大誤審で受賞を逃しただけで、今年は当たり前の結果。俺らのほかにここ数年、タッグを引っ張ってきたチームはいない。それに新日本の最後の最優秀タッグチーム受賞が中西&ストロングマンで止まったままじゃかっこ悪いしな。俺らで更新できてよかった。早く賞金よこせよ、岡本」

【ザック(最優秀タッグチーム賞)のコメント】「アバウト・ブラディー・タイム。ようやくか」

【ジェイク(殊勲賞)のコメント】「東スポ プロレス大賞・殊勲賞をいただきました全日本プロレス、ジェイク・リーです。俺がやろうとしていることはまだまだこれから大きく発展していくと思うので、全日本プロレスをご覧のそこのあなた、これからもぜひ楽しんでください」

【竹下(敢闘賞)のコメント】「皆さんの応援と、The37KAMIINAのメンバーのサポートのおかげで敢闘賞を初めて受賞することが出来ました。これでDDTを益々盛り上げていけると思いますので、これからも皆さんよろしくお願いします。ありがとうございました。熱波WER!! (新人賞以来の受賞となったが?)新人賞を獲ったのは2013年、8年ぶり、ここまで長かったですけど、去年は遠藤さんが技能賞獲って、毎年DDTの選手がノミネートされるような団体になっていけばいいなと思います」

【オーカーン(技能賞)のコメント】「技能賞? MVPではなくか? 東スポはお目が高いのか腐っておるのかわからんな。ま、東スポは手の平を返すのが得意なんじゃ? それにすべての賞を支配するつもりゆえ、今年は技能賞ぐらいを受賞しておいてやる」

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