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12/31【RIZIN】カズ次男・三浦孝太がサッカーボールキックでデビュー戦快勝 父眼前で「格闘技界のキング」誓う

『Yogibo presents RIZIN.33』さいたまスーパーアリーナ(2021年12月31日)
RIZIN MMAチャレンジルール ○三浦孝太vsYUSHI×

 元サッカー日本代表の“キング・カズ"こと三浦知良の次男にあたる三浦孝太が大みそかの大舞台でプロデビュー。父譲りのサッカーボールキックで勝利を手にすると、その父の眼前で「これから格闘技界のキングになれるように一生懸命頑張る」と誓った。

 日本サッカー界の象徴的存在を父に持つ三浦は19歳。高校卒業後、プロ格闘家を目指すために進学せず、宮田和幸のBRAVEに入門し、厳しいトレーニングを積んでデビューを迎えた。対戦相手は元ホストのYUSHI。プロ経験はないが、全国のホストが集結した地下格闘技大会「宴」の軽量級チャンピオンという異色な存在だ。

 両親がリングサイドで見守る中、三浦は自身が好きな映画『男はつらいよ』のテーマ曲に乗って入場。ゴング早々、いきなりYUSHIは突進すると、大振りのフックを振り回すが、三浦は冷静にさばいて、カウンターのパンチを合わせていく。グラウンドで下になってもフロントチョークに捕獲。一気に絞め上げた。

 YUSHIは鼻血を出しながらも首を抜くと、パウンドを振り下ろすが、デビュー戦とは思える落ち着きを見せる三浦は三角絞めへ。さらに、そこから腕十字固めに移行する。耐え抜いたYUSHIはグラウンドから抜け出したものの、立ち上がった瞬間、三浦は父親譲りのサッカーボールキックを一閃。ふらつくYUSHIにストレートを浴びせて試合を制した。

 三浦がデビュー戦で豪快勝利。カズダンスを真似て指を突き上げる。父のカズも思わず立ち上がって喜びをあらわにすると、三浦と抱き合った。マイクを持った三浦は、「今日、会場に来てくれた人や、今テレビで見てくれている人、本当にありがとうございます。自分が出るってなった時は批判の声もあったんですが、徐々に徐々に応援のメッセージも増えて、本当に力になりました。こういうチャンスを与えてくれた榊原さんをはじめ、RIZINの関係者の方々、そして格闘技ファンの皆さん、ありがとうございます」と感謝のあいさつ。「そして、何よりお父さんとお母さん、小さい時には迷惑をかけたのにもかかわらず、こうやって僕の初めての試合を見に来てくれて本当にありがとう」と両親にもメッセージを送ると、「これから格闘技界のキングになれるように一生懸命頑張るんで僕のファンになってください」と爽やかに締めくくった。

 サッカーボールキックは練習しておらず、その体勢になった瞬間、とっさに出た。父と同じくフォワードとしてサッカー経験があり、「リングに上がった時に、自分が平常心でいるために、いつもサッカーの試合の前にアップでやっていた動きというか、サッカーボールキックのストレッチみたいなことをやってて。いつでもチャンスが来たら、それでフィニッシュにして盛り上げるんだという気持ちはあった」と事前の準備が活きた。「ボールのほうが速いんで。あそこに顔が来たら、いつでも蹴れるなって思ったんですけど、あそこまでに持っていく過程がたぶん一番難しいと思うんで。あそこに持っていく過程をもっと練習して」と今後も磨きをかけていくつもりだ。

 初のMMAとなったが、父から「決まったからには堂々としろ」とアドバイスを受けて、平常心で試合に臨めた。試合後にカズダンスを意識した動きを見せたものの、「カズダンスっていうのはお父さんが長年サッカーを誰よりも愛してやってきて、ファンの方と一緒に作り上げてきたものだと思っているんで。僕がそんな簡単に踊っていいものではないのかなというのはちょっとあって」と父への強いリスペクトがあって、一部を拝借するだけに留めたという。

 「今まで生きてきて、一番嬉しい瞬間でした」と感慨深げだった三浦は、「僕は本当に今回の舞台もお父さんやお母さんも偉業を成し遂げてきてくれたから、自分は立てたと思ってます」と語ると、「小さい時はお父さんとお母さんが悲しむようなことをしちゃったりとか、学校で問題起こしちゃって迷惑かけちゃったりもしてきたんで。それでもこうやって自分を見捨てずにデビュー戦を見に来てくれて、リングサイドで応援してくれているっていうのは本当に感謝したいんで。とにかく感謝の言葉しか思い浮かばないです」と最後まで両親に感謝の言葉を重ねていた。


【試合後の三浦】
――今の気持ちは?

▼三浦「ホッとしますね」

――初めての試合で、大みそかということもあり、プレッシャーもあったと思うが?

▼三浦「想像以上にギリギリも緊張してなくて。逆にそれが心配になったんですけど、リングに立って始まってからは、痛いみたいなのも一切思わなかったんで。こういう感じなんだと思って、そうしたら流れでいつも通りのやってきたことを出したんで。いつも通りだなって感じでした」

――試合の結果はサッカーボールキックで終わったが、狙っていたフィニッシュの仕方は?

▼三浦「フィニッシュの仕方は正直、パンチで効かせとかまでは考えていたんですけど、正直、サッカーボールキックはそんな簡単にチャンスって来ないだろうなと思ってて。サッカーボールの位置に顔が来る過程がたぶん一番難しいと思っているんで。そのチャンスが来るかなと思ってたんですけど、まさかの最後に来たんで、とっさに体が動いた感じですね」

――対戦相手の印象は?

▼三浦「ギロチンが結構自分は得意で、組んだ時にチャンスだなと思って。入っていて、たぶん途中で一瞬相手の力が抜けて、息もゼイゼイ言ってたのが切れたので、落ちたのかなと思って。で、宮田さんたちも『落ちた落ちた』って言ってたんで、あれと思ったら、そこから回復してきたので、凄いなと思って。凄いタフだなと思いました」

――試合を終えたばかりだが、今後の展望は?

▼三浦「正直自分はまだこのチャンスをいただいたという感じで、実績で上り詰めてきたわけではないので。自分としてはもちろんこの舞台が一番好きな舞台ですし、目指している舞台なんで。また話をいただけたら、この舞台でチャンスを掴んでいきたいなと思いますけど。そういう感じで、今はとにかくまた練習して、コツコツやっていこうかなって感じです」

――試合後にお父様と抱擁していたが、どういう言葉を交わした?

▼三浦「覚えてないです。でも、『おめでとう』というのは言ってくれてました。正直、細かいことっていうか、何を言ってたかは、嬉しすぎてあんまり覚えてないです」

――サッカーボールキックは練習していた?

▼三浦「正直、サッカーボールキックはあんまりやってなくて。パスガードの状態に相手がなった時にやるっていうのは少しやってたんですけど、まさかあの状態でサッカーボールキックになるっていう想定はしてなかったので。正直、サッカーボールキックの練習はしてなかったんですけど、リングに上がった時に、自分が平常心でいるために、いつもサッカーの試合の前にアップでやっていた動きというか、サッカーボールキックのストレッチみたいなことをやってて。いつでもチャンスが来たら、それでフィニッシュにして盛り上げるんだという気持ちはあったんで。そういうのはやっていたんですけど、練習で細かくサッカーボールキックを狙うみたいなことはやってなかったです」

――これから自分の得意技になりそうな予感はある?

▼三浦「ボールのほうが速いんで。あそこに顔が来たら、いつでも蹴れるなって思ったんですけど、あそこまでに持っていく過程がたぶん一番難しいと思うんで。あそこに持っていく過程をもっと練習して。あそこに来たら絶対蹴れると思うんで」

――これからどんな部分を補強していきたい?

▼三浦「全体的にまだまだだと思うんで。トップ選手だったり、そういうところを自分は目指しているんで。BRAVEジムだったり、葛西さんのところで、過信せずにもっとこれからレベルアップできるようにしたいなって感じです」

――特例的なデビュー戦となったが、そのプレッシャーをどのように消化してリングに上がった? 試合に影響はあった?

▼三浦「プレッシャーは正直なくて。ないというか、お父さんも『決まったからには堂々としろ』と言ってもらってたんで。プレッシャーでやばいやばいというのは一切なくて、本当に平常心のままずっと過ごせた感じです。なにか特別なことをしたことはないです」

――おそらく「カズ・ジュニアがサッカーボールキックで勝利」みたいな見出しがつくと思うが、それは望むところ?

▼三浦「自分自身も格闘技という競技にサッカー界から来て、盛り上げたいというのもありますし、ただ出るだけじゃなくて、大舞台に出してもらうってことは、勝つのはもちろんですけど、盛り上げるというところも意識しないといけないと思うんで。そこで盛り上げるために、自分の名前がそういう風に今は使われてしまうのは実力がないから仕方ないんで。全然望むところという感じです」

――ギロチンと三角絞めの時に腕と足を結構使っていたが、セコンドの声が聞こえて、動きを切り換えることができた?

▼三浦「そうですね。セコンドの声も聞こえてましたし、基本的にはギロチン、本当はあそこで決めたかったんですけど、起き上がってきた時にパウンドをもらいたくないというのがあったので。三角はいつも絶対最初にやるんで、その動きがとっさにできたという感じで。セコンドの声を聞いて三角に切り換えたというよりは、とっさに出たという感じです」

――打撃戦を予想していたが、グラウンドの戦いになった。落ち着いて対応できた?

▼三浦「逆に自分は打撃で最初にいって。相手は地下格闘技のキックボクシングで8戦7勝。世間一般では地下格闘技だろうとか、元ホストって肩書きがあったんで、どうしてもそういう風に思われてしまうかもしれませんけど、自分からしたら、打撃に関しては強いと思っていたので。自分にも打撃には自信があったので、打撃でいって、万が一それで効いちゃったりした時は自分から積極的にタックルにいったりと。総合なので、全て見せれたらなというのがあったので。グラウンドの練習も結構やっていたので、全然焦りはなかったですね。これなら絶対に負けないっていう感じでした」

――入場テーマは最初からあれにしようと決めていた?

▼三浦「そうですね。寅さんが好きなので」

――サッカーをしていた時の利き足はどっちだった?

▼三浦「右足です」

――左のキックはあまり得意じゃなかった?

▼三浦「そうですね。得意ではないですけど、サッカーの時は全然左にボールが来たら、左足も使ってたんで、別にそこはなんの問題もないって感じでしたね」

――今日も左足で自然に蹴れた?

▼三浦「そうです。右に来ても左に来ても。あそこで右足でサッカーボールキックをやってたら、サッカーだったらバランスが崩れちゃう位置だったので。あそこはサッカーをやっていた動きが活かされたのかなって感じですね」

――デビュー戦を振り返って、何点ぐらい?

▼三浦「点数はちょっとわからないですけど、寝技も打撃も見せれたんで、自分の中ではよかったのかなと思うんですけど、終わってから想像以上に腕とかが疲れていたんで。実際だったら5分3Rなんで、それに対応できる体を徐々に作っていかないとなっていうのもありました」

――サッカーをやっていた時のポジションは?

▼三浦「お父さんと一緒のフォワードです」

――ゴールを決めた時の快感と、格闘技で勝った時の快感を比べるとどう?

▼三浦「正直、全然こっちのほうが嬉しくて。なんなら今まで生きてきて、一番嬉しい瞬間でした」

――勝ったあとにしゃがんで指を突き上げるポーズをしていたが、カズダンスと関連ある?

▼三浦「カズダンスはちょっと悩んだんですけど、カズダンスっていうのはお父さんが長年サッカーを誰よりも愛してやってきて、ファンの方と一緒に作り上げてきたものだと思っているんで。僕がそんな簡単に踊っていいものではないのかなというのはちょっとあって。最後のポーズぐらいは真似させてくれよっていう感じです」

――最後のマイクはかなりスムーズだったが、事前に言葉を考えていた?

▼三浦「いえ、一切考えてないです。応援してもらえる声が増えただけで、自分にこんなにも力になるんだなって初めて感じて。二世だったり、親の力って言われるのは全然仕方ないことだなって思っていますし、実際に自分は今まで何か人に自慢できるものって大してなかったので。それでも応援してくれる人はいると思うので、そういう人に伝わればなと思って、言わせてもらいました」

――お正月はどんな風に過ごす?

▼三浦「お父さんとお母さんは、『勝ったらこうしようね』って言ってくれてたんですけど、自分自身は勝っても負けても無傷で帰れるとは思ってなくて。病院で過ごすのも覚悟の上でいたというか、どうなってもいいと思っていたので。1月の予定というのは一切決めてなくて。これから決めたいと思ってます」

――これから試合が続くが、気になる試合はある?

▼三浦「放送しちゃっているかもしれないですけど、金太郎選手とか、自分は凄い好きなんで。できれば見たいなと思っているんですけど。自分にないものを全て持っているなって感じで。自分が真似したくてもできない生き方ですし。今は格闘技という競技に対して、アスリートとして一生懸命やっている姿にリスペクトを持っているし、何も恐れずにガンガンいくファイトスタイルに憧れを持ってます」

――序盤の関節技の連続は落ち着いたという話だったが、3分だからガンガンいっても大丈夫という感じだった?

▼三浦「というよりは、向こうは正直瞬発力やパワーがあると思ってたんですけど、体力は自分のほうがあるなっていう絶対的な自信があって。最初にガンガン向こうが来て、向こうはインタビューでも1RでKOしたいと言っていたと思うんで。絶対最初にガンガン来て、いつも通り普通に対処してたら、ワンチャンスが来るだろうなと思っていたんで。3分だからというよりは、向こうがガンガン来てくれたんで、自分もそれに合わせてガンガンできたなと」

――攻め疲れを意識している余裕もないという感じではなかった?

▼三浦「はい。ただ、あそこで決めないと。上を取られてパウンドというのは一番嫌だったので、なんとしても決めるか、上を取るかしたいなっていう気持ちでいたんで。あそこは全ての力を使いました」

――格闘家としての人生が始まってみて、ご両親に言葉を伝えるなら?

▼三浦「僕は本当に今回の舞台もお父さんやお母さんも偉業を成し遂げてきてくれたから、自分は立てたと思ってますし、大きくなればなるだけ感謝というのは感じてきているんですけど。小さい時はお父さんが凄いというのが頭にあった中でも、お父さんとお母さんが悲しむようなことをしちゃったりとか、学校で問題起こしちゃって迷惑かけちゃったりもしてきたんで。それでもこうやって自分を見捨てずにデビュー戦を見に来てくれて、リングサイドで応援してくれているっていうのは本当に感謝したいんで。とにかく感謝の言葉しか思い浮かばないです」

――初めて減量を体験したと思うが、勝利して最初に何を食べたい?

▼三浦「もんじゃ焼きですね」

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