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1/23【全日本】宮原が約2年ぶり三冠返り咲き「50周年は俺が引っ張る」 自称・暫定王者アブ小が「統一戦」要求

『2022 NEW YEAR WARS』東京・後楽園ホール(2022年1月23日)
三冠ヘビー級王座決定トーナメント決勝戦 ○宮原健斗vs本田竜輝×

 宮原が一日2試合となった王座決定トーナメントを制し、1年10ヵ月ぶりに三冠ヘビー級王座返り咲き。5度目の戴冠を果たし、50周年イヤーの顔となった最高男の前に暫定王者を自称するアブドーラ・小林が現れ、「統一戦」を要求した。

 第64代王者ジェイク・リーの負傷欠場による返上を受け、この日、4選手による新王者決定トーナメントが行われた、決勝戦の舞台に勝ち進んだのは宮原と本田。この二人によって第65代王者の座が争われた。

 ともに2試合目となったが、フルスロットルのせめぎ合いが繰り広げられた。先手を取ったのは本田。変型STFでひねり上げ、エプロン上でのパイルドライバーを敢行して大ダメージを与えた。宮原も各種ジャーマンを連発し、後頭部への串刺しブラックアウト、ジャーマンの波状攻撃に出たが、本田はスパインバスターで応戦して譲らず。エルボーの乱打戦も制してみせると、カーブストンプ、ジャーマン、スピアーで一気に攻め込んだ。

 その後も本田がラリアットを振り抜いて追い討ちをかけたが、宮原を沈めるには至らない。スタンド、正調とブラックアウトを連発した最高男は本田にラリアット、ファイナルベントで反撃されても3カウントを許さず。ラリアット、顔面へのラリアットで食い下がる本田をブラックアウト連射で返り討ちにすると、シャットダウン・スープレックス・ホールドを爆発させて3カウントを奪った。

 宮原がワンデートーナメントを制し、第65代三冠王者に君臨。昨年3月に陥落以来、1年10ヵ月ぶり5度目の戴冠を果たした。頂点返り咲きを果たした最高男は現段階で50周年イヤーの顔に。「ジェイク・リーがこのベルトを返上し、トーナメントが行われた。その結果、宮原健斗が巻いている。怪我だろうが、どんな理由があろうが、今は俺がチャンピオンだ」と胸を張ると、「プロレスファンは宮原健斗とジェイク・リーがこのリングで何を見せるかを期待してるんだ。続きはお前が復活してからだ」と前王者ジェイクとの決着を見据えてメッセージを送った。

 「実績。キャリアは問わない。俺がチャンピオンだ。大きな大きな胸で引き受けようじゃないか。挑戦、誰でもしてこいや」と挑戦者を募り、三冠王者としては久々の最高マイクで締めようとしたその時だった。新王者の前に小林が現れた。当初、1・2後楽園大会でジェイクに挑戦予定だった小林は「俺は誰だかわかるか? 暫定王者・アブドーラ小林だぞ」と主張し、「暫定王者と4人トーナメントを勝ち上がったお前、統一戦だ」と要求した。当初は困惑していた宮原だったが、「俺はプロレス界で最高の男だ。お前みたいな相手でも、最高の試合にしてやろうじゃねえか」と受けて立った。

 これで宮原の三冠V1戦が決定的に。宮原と小林は昨年2月、世界タッグ王座を巡って抗争を展開。前哨戦となった一騎打ちは無効試合に終わっている。1年近い歳月を経て、今度は全日本の至宝ベルトをかけて雌雄を決することになりそうだ。

 「2022年、50周年イヤーという年に、俺のもとにベルトがあるっていうことは何か絶対意味があるんだよ。俺しかできないことがな。そして、俺は自信があるんだよ。この全日本プロレスを最高に盛り上げる自信がな」。そう言い切った宮原は「とにかくこの全日本プロレス50周年イヤーは俺が引っ張るから。俺が中心で、最高を叫び続けるよ。任せておけ、俺に」と宣言してみせた。

 2022年を迎えて空位だった三冠ベルトの新王者がここに誕生した。「最多防衛10回を果たした時の俺と比べるつもりもないし、過去は過去なんで。新たな宮原イヤーだと僕は思っている」と誓った最高男が中心となって、この日、50周年イヤーが本格的に幕を開けた。

【試合後の宮原】
▼宮原「もう言いたいことはリング上で言いましたんで。ただ、50周年イヤーの2022年の最初に、俺がこの三冠ベルトを巻いているということは、何か大きな大きな意味があると思うんでね。俺はたぶん今日獲ったことより、明日からの俺の行動のほうがファンの皆様も期待していると思うんでね。今日獲るのは正直、俺の中では当たり前なんで。大事なのはここからだから。ジェイク・リーが返上したベルト。その理由が怪我だろうが何だろうが、それは現実だからね。この俺の腰にベルトがあることが全てだ。悔しさがあるんだったら、ジェイク・リーは復活して動いてみろよ。なあ? その戦いがどうなるか楽しみにしてるよ、俺は。とにかくこの全日本プロレス50周年イヤーは俺が引っ張るから。俺が中心で、最高を叫び続けるよ。任せておけ、俺に」

――約2年ぶりに三冠のベルトを巻いて、以前と感触は違う?

▼宮原「なんか初めて巻いた感覚で。まだ浮ついている感じはありますよね。2年前巻いた時の感じがないですね。まだちょっとフワッとしている感がありますね、自分の腰に巻いてみて。まだベルトに巻かれている感はありますよ。まあ、それは明日からの自分自身のこのベルトとの付き合い方によるでしょうね。絶対俺は2年前の自分と比べられると思うんですよね。ただ、最多防衛10回を果たした時の俺と比べるつもりもないし、過去は過去なんで。新たな宮原イヤーだと僕は思っているんで。過去の自分と戦うつもりもないし、過去の全日本プロレスとも戦うつもりもないし。過去は過去で素晴らしいものもあったし、今は今で素晴らしいんで。あまりね、物事は比べる必要がないんですよ。過去は過去、精一杯戦ってきたレスラーがいて。今は今を精一杯戦っているレスラーがいる。それでいいんじゃないかって。よく全日本プロレスは比べられがちなんでね。まあ、今が全てという人生を俺は歩みたいよね。だから、ファンの皆さんも今を楽しんでもらえたらいいですね、プロレスを見て」

――新しい宮原健斗を作る意味では、50周年という節目がうってつけになりそう?

▼宮原「大事でしょう。50周年イヤーに全日本プロレスはさらなる飛躍をしなきゃいけないですからね。その先頭に立つ覚悟はできているし。重いですね、やっぱりこのベルトは。重いなあ。ただね、俺がやらなきゃ誰がやるんだっていう気持ちはあるし。だから、マイクで言った通り、全日本プロレスのレスラーはキャリアや実績そんなもん関係なしに挑んでこいって。そういう気持ちですね。キャリアを言い訳にするなと。ベテランだろうが何だろうが関係ないんだよね。レスラーである以上は、若手だろうがベテランだろうが関係ないよ。声を上げろよ。会社に引かれたレールばっかりに任せているんじゃなくて、自分で声を上げて何か道を作るのもありじゃねえかって思いますけどね。俺はチャンピオンだからね。それを全て俺が受け止めて、最高の試合をする自信もあるし、誰でも挑戦に名乗りを上げてこいって思ってますよ」

――誰でも来いと言った矢先に、小林選手が現れたが?

▼宮原「いたね。あいつマジで話が長えし。あいつ、何なんだよ? なんで来たんですかね?」

――もともとジェイク選手に挑戦が決まっていた

▼宮原「関係ないでしょ、俺に。流れてんじゃん、それ」

――自分が暫定王者であるべきだと

▼宮原「あいつ意味わかんねえ。暫定ってなに? そもそも。暫定ってなに? 俺、意味わかんねえから。全然意味わかんないけど、まあいいでしょう、もう。それをふつふつと思っているファンがいるんであれば、やる価値はあるしね。アブドーラ・ザ・小林対ジェイク・リーが流れて、それを少しクエスチョンがあるファンがいるんであれば、全てこの宮原健斗がその気持ちを晴れやかにしようかなと思います。それぐらいかな? 俺が受けた理由は。ただ、アブドーラ・ザ・小林のお前のプライドを持ってこいって。この三冠ベルトは違うよって、ちょっと教えてやろうかなと思いますけどね。覚悟を持ってこいって、アブドーラ・ザ・小林は本当に。ちょっとね、まだフワフワしてますけど、第65代ですよ」

【本田の話】「ああ、クソ! 今日は負けた。次、どんな手段を使ってでも這い上がって、あいつをぶっ殺してやるよ。ああ、クソ!」

【小林の話】「ちょっと暇だったんでね。まんぼう(まん延防止等重点措置)が出て暇なんですよね。たまたま今日試合なかったし。けどね、お客様の反応が全てですからね。今は声なきお客様。けど、お客様一人一人SNSって武器がありますから。この年末から年始にかけて、SNSの声が私をこういう行動にさせてくれましたね。宮原もわかったんじゃないかな? 自称エースってことが。マスコミの皆さんもわかってるでしょ、十分。この最強タッグから1月の流れ。そして、俺がいない(1月)3日の時に決めたトーナメントですよ。こっちのフィルターから見たら、誰も納得しませんからね。俺がいない間に、俺が俺が俺がって4人集まってトーナメントですから。本当に大変申し訳ないけど、やっていることがダチョウ倶楽部ですからね。俺が俺がで。まあ、勝ち抜いた宮原は認めますけど。認めた上で、彼は挑戦と言いましたけど、統一戦ですから。暫定王者の私と4人トーナメントを勝ち抜いた彼との。今回は皆さんの声が全てですよ。宮原は自称エース。俺相手に『最高の試合をやる』とかって言ってましたけどね。この間、ふと思い出したんですよ。私にも王道の血が流れているんじゃないかなと。例えば、王道って言うと皆さん誰をイメージしますか? 馬場さんですよね、普通に。大日本プロレスの初期にMEN'Sテイオーがいましたよね。あのMEN'Sテイオーって馬場さんから教わっていたらしいんですね。そのMEN'Sテイオーが地方遠征で、よく関本選手にレスリングを教えてたんですよ。それを横で見ていた俺。馬場さんがいて、ちょっと離れてMEN'Sテイオーがいて、関本が孫弟子。俺は孫弟子の先輩ですよ? (記者の一部が笑うと)笑っている人、結構正解です。孫弟子の先輩であり、グレート小鹿の弟子であり、アブドーラ(・ザ・ブッチャー)の後継者。十分三冠挑戦の資格はあるでしょ? まあ、宮原からしたら、地べたの地べたかもしれませんけど、地べたですけど、王道の血が流れてますから。質問ありますか? 質問ない? じゃあ、満場一致でこの挑戦はOKということで。あとは日程待ちですね。まあ、今はまんぼうだから。まんぼうでも試合はあるか、イベントはあるか。俺もそれなりに忙しいんで、スケジュールを上手く縫って、俺のスケジュールの中で。大日本もあるし。今、お店は暇なんだよね。お店が暇だから、夜は結構空いてるよ。まあ、日程を待ちますよ」

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