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2/23【全日本】宮原がアブ小返り討ちで三冠V1 石川表明で3・21大田区での迎撃を宣言

『2022 EXCITE SERIES』東京・後楽園ホール(2022年2月23日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vsアブドーラ・小林×

 宮原が32歳ラストマッチで2年連続の対戦となった大日本・小林を返り討ちにし、三冠王座初防衛に成功。石川が挑戦を表明し、最高男はV2戦の舞台を50周年イヤー最初のビッグマッチ3・21大田区大会に指定した。

 ジェイクの返上を受け、1・23後楽園大会での王座決定トーナメントを制した宮原は5度目の三冠戴冠を果たした。当初、1・2後楽園大会でジェイクに挑戦予定だった小林が「暫定王者」を自称し、しつこく挑戦を要求。この日の初防衛戦が決まった。

 奇しくも小林とは昨年の2月23日も世界タッグ戦で対戦。2年連続で小林と対決することに嫌悪感をむき出しにしていた最高男は「お前との関係は2月23日で終わり」と絶縁を予告してV1戦に臨んだ。

 だが、宮原を待っていたのは予想以上の苦闘。序盤の読み合いからエプロンでの顔面低空ドロップキックで先制打を放ったものの、場外戦に持ち込まれて逆転を許し、ウェスタンラリアット、シャイニングウィザードと小林の猛攻を浴びてしまう。さらにエプロンから場外へのダイビングバカチンガーエルボードロップを食らった。

 その後もジャーマンでぶん投げられるなど劣勢が続いた宮原だったが、ダイビングバカチンガーエルボーを狙ってコーナーに上がった小林を雪崩式ブレーンバスターで叩き落としてようやく反撃を開始した。フロントハイキックを連発し、シャットダウンを仕掛けたものの巨体をクラッチできず。再びウェスタンラリアットを叩き込んだ小林がダイビングバカチンガーエルボードロップを発射したが、宮原は3カウントを許さず。ブラックアウトをこれでもかと乱れ打って小林の動きを止めると、最後は二段式ジャーマン2連発で3カウントを奪った。

 宮原が小林を返り討ちにし、三冠王座初防衛。32歳ラストマッチを勝利で飾った。これまで小林への拒絶反応を示しまくってきた宮原は「アブドーラザ小林」呼ばわりしてきたが、この日の試合後は初めて「アブ小」の呼称を使用。「お前は暫定王者と意味がわからないこじつけでプロレスファンを騙し、この三冠戦までファンを扇動し、あたかもそれが正しいかの言い方でここまで辿り着いた」とこき下ろすのかと思いきや、「プロフェッショナルとしては尊敬するぜ。何もないところから作り出す。それがプロフェッショナルレスラーだ。お前、なかなかいいレスラーじゃねえか」と小林を認める発言を口にした。

 しかも、まるで敬意を表するように小林に1分間のマイクタイムを与えた。が、小林が「宮原ケンスケ」と呼びかけたことで一転。一度は歩み寄りをみせた最高男も不機嫌そうな表情となり、「あの男は気に食わないんだよ。付け足してくるんだよ、あいつは」と吐き捨て、「アブドーラザ・小林。アブ小、一切、今後、俺に関わるなよ」と改めて絶縁を宣言した。

 小林との抗争に終止符を打った宮原に次なる挑戦者が現れた。2017年5月に宮原を破って三冠戴冠を果たしたことがある大巨人・石川だ。「46歳になって、若いヤツに譲んなきゃなって思っている自分がいたけど、よくよく見たら、俺がやっぱり一番強い」と豪語した石川は、「エースなんて座はいらねえけど、強さの象徴の三冠ベルト、それは俺に必要だな。この50周年という大事な全日本プロレス、そして武道館大会に、俺はそのベルトを持って、チャンピオンとしてメインに立ちたい」としたうえで挑戦を表明した。

 これを受けて宮原は「俺には俺の描く全日本プロレスの未来がある。あんたの未来と俺の未来で勝負しようじゃねえか。どっちが全日本プロレス50周年の舵を取るかだ」と受諾し、王者権限で3・21大田区大会を舞台に指定。「この50周年イヤー、俺は1年間ベルトを必ず持ち続けて、過去にない全日本プロレスの盛り上がりを俺が作り上げる」と誓うと、最高マイクで締めた。

 これで石川とのV2戦が決定的となった。しかも3・21大田区大会は全日本50周年イヤー最初のビッグマッチ。最高男にとって断じて負けられない一戦となる。「あんたを待ってたファンはたくさんいただろう。そして、あんたは強さこそがこの全日本プロレスを引っ張ると言ったな。そうだな、それも一理あるだろう」と石川の主張を認めた宮原は「面白えじゃねえか。3月21日、春の大一番でいいだろう。世の中、春の大一番を待ってんだ。最高vs最強か。やってやろうじゃねえか。春に相応しいな。やってやろうじゃねえか。春の大一番だ。決定でいい」と宣言した。

 二人が三冠ベルトをかけて戦うのは久しぶり。再び「最高vs最強」の図式で全日本の至宝が統一の地・大田区で争われる。

【試合後の宮原】
▼宮原「見ての通り、32歳ラストマッチ、アブ小! お前はそういうところだぞ、アブ小。なぜ? 今日でハッピーエンドでいいじゃねえか、お前。余計なことをベラベラベラベラ喋りやがって。お前、そういうところなんだよ、ホント関わるな。ちょっと心許そうと思った俺がバカだったよ。お前、マジで関わるな。ホントにいい、お前は。微妙なラインを突いてくるじゃねえ、名前の微妙なラインを。突きにくいだろ? というわけで、あいつの話はやめましょう。おい、石川修司! 現れたな、石川修司。ファンは望んでいたんじゃねえか。若いヤツに譲るって? 早えよ。そんなもん、現役中にやるんじゃねえ。あんたを待ってたファンはたくさんいただろう。そして、あんたは強さこそがこの全日本プロレスを引っ張ると言ったな。そうだな、それも一理あるだろう。強さこそが全日本プロレスだと。ただな、俺が思い浮かぶ全日本プロレスもあるからな。ヘビー級の全選手に告ぐよ。てめえらの全日本プロレスの未来を語ってみやがれ。その考えのぶつかり合いだ。誰が50周年のその景色を世の中の人に見せるんだってな。石川修司、お前は強さなんだな。面白えじゃねえか。3月21日、春の大一番でいいだろう。世の中、春の大一番を待ってんだ。最高vs最強か。やってやろうじゃねえか。春に相応しいな。やってやろうじゃねえか。春の大一番だ。決定でいい。もう決定だ」

――あまり触れたくないかもしれないが、最高マイクが珍しく噛み噛みだった。精神的に疲れていた?

▼宮原「疲れたよ。あいつ余計なことをベラベラベラベラ言うから、俺のイメージが完全に狂った狂うんだよ、あいつは。このマイクのスペシャリストが2回噛んだぞ、俺の記憶では。詳しくは3回ぐらいか。やめよう、その話は。あいつが乱したんだよ。ただ、石川修司! 春の大一番だ! 春の大一番で、最高vs最強、大決戦やってやろうじゃねえか」


【石川の話】「リング上で言った通り、年齢を重ねていって、若いヤツが上がってきて、気持ち的に引くところもあったんですけど、振り返ってみれば今年50周年で。いよいよ武道館に帰ってくるという時に、三冠のベルトを持ってメインに立ちたいという欲もあって。日々トレーニングをしていて、まったく体的に落ちるところもないんで。まあ、よくよく考えたら、下がる必要もないなっていう。だったら自分が、一番強いと思っている自分が前に出て、全日本を引っ張ったほうがもっと面白くなるんじゃないかと思って、リング上で挑戦表明をしました。宮原健斗が言った通り、全日本プロレスをどう舵を取っていくかだと思うんですけど、僕は憧れたのは鶴田さんとか、デカい男たちのぶつかり合いなんで。そのプロレス、ハードヒッティングなデカい男たちのぶつかり合いを僕はやっぱ見せたいし、それが全日本プロレスだと思っているんで。自分が宮原からベルトを取って、その試合をしていきたいなと思ってます」

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