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2/23【全日本】小林三冠逸すも“トモダチ”田村提案でアジアタッグに照準

『2022 EXCITE SERIES』東京・後楽園ホール(2022年2月23日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vsアブドーラ・小林×

 小林が宮原の軍門に下り、全日本の至宝・三冠王座戴冠ならず。全日本で唯一の「トモダチ」田村男児から提案されて「出直し」を誓ってアジアタッグ王座に照準を定めた。

 当初、1・2後楽園大会で小林の三冠挑戦が実現する予定だったが、王者ジェイク・リーの欠場、返上によって消滅。あきらめの悪い小林は「暫定王者」を自称し、執ように仕切り直しの挑戦をアピールし、この日実現にこぎつけた。

 王者は宮原。昨年2月23日に世界タッグ王座を争ったエースと奇しくも2年連続でベルトをかけて対決した。燃える小林はエプロンから場外へのダイビングバカチンガーエルボードロップを敢行してペースを握ると、ウェスタンラリアットやダイビングバカチンガーエルボーで追い込む場面を作ったものの3カウントは奪えず。ブラックアウトを連射されて動きが鈍ると、最後は二段式ジャーマン2連発の前に3カウントを聞いた。

 小林の三冠初挑戦・初戴冠はならず。それでも宮原から「何もないところから作り出す。それがプロフェッショナルレスラーだ。お前、なかなかいいレスラーじゃねえか」と称えられた。小林自身も「プロフェッショナルプロレスラーとして。この1ヵ月かな。最強タッグからの流れか? 全日本プロレスのエースとしては十分、爪痕残したでしょ。暫定王者として」と手応えは実感することができた。

 それでもやはり三冠ベルトに届かなかった悔しさは残る。そこでこの日、セコンドについた「トモダチ」田村の存在が小林を奮い立たせることに。「トップのベルトなんでしょ? 三冠というのは全日本の。負けたからイチからかな」と出直しを見据える小林に「じゃあさ、二人でアジアタッグいってみない?」と提案したのだ。

 アジアタッグと言えば、大日本の会長・グレート小鹿が5度巻いたこともある最古のベルト。「アジアタッグと聞いて、ちょっと胸がときめいてきてんだ」と目を輝かせた小林は「アジア獲っちゃうぞ、オイッ!」と田村とともに、諏訪魔ばりに親指を突き上げた。

 宮原に敗れたことで、小林の全日本侵攻も終わりと思われたが、田村からの救いの手によって継続されることになりそう。団体の枠を超えた“トモダチタッグ"がアジアタッグ獲りに乗り出す。


【試合後の小林、田村】
※二人の発言はほぼ茨城訛り

▼田村「大丈夫? 大丈夫?」

▼小林「(田村にもたれかかる)スリー入った? スリー入ってたか…」

▼田村「肩ついてた」

▼小林「チクショー。負けだな」

▼田村「悔しいね」

▼小林「悔しいっぺ。ごめんね」

▼田村「いやいや。悔しいっべ」

▼小林「ダメだった。俺、リング上でなんか言ったっけ? 向こうが俺のことプロフェッショナルとか言ってたな。プロだから。プロフェッショナルプロレスラーとして。この1ヵ月かな。最強タッグからの流れか? 全日本プロレスのエースとしては十分、爪痕残したでしょ。暫定王者として」

▼田村「うん。大丈夫」

▼小林「トップのベルトなんでしょ? 三冠というのは全日本の。負けたからイチからかな」

▼田村「イチから?」

▼小林「うん」

▼田村じゃあさ」

▼小林「何だよ、田村君」

▼田村「二人でアジアタッグいってみない?」

▼小林「アジアなんて若手の登竜門じゃん。田村君は何年目だ?」

▼田村「今年で4年目になる」

▼小林「小林君は?」

▼田村「2年目ぐらいだろ?」

▼小林「え? 俺、キャリア27年ぐらい」

▼田村「いや、2年目にしとけ」

▼小林「最強タッグ2回出たけど、まだ2年目か?」

▼田村「2年目にしとこ。エースだから」

▼小林「2年目エース、イチから出直し?」

▼田村「そう。イチから出直し」

▼小林「で、若手の登竜門ベルトか?」

▼田村「歴史の長いアジアタッグベルト、二人でいこ」

▼小林「え、トモダチいいのか? 諏訪魔的にいいのか? Evolution的にはいいのか?」

▼田村「Evolution的にはグレーな部分があるんだけど、とりあえずいってみない?」

▼小林「アジアタッグと聞いて、ちょっと胸がときめいてきてんだ。グレート小鹿の代名詞なんだ。ウチの会長の。トモダチ、いいのか? 田村君」

▼田村「俺はいいよ」

▼小林「諏訪魔関連スッキリしとけ」

▼田村「そこはちゃんとするよ」

▼小林「小林関連は俺、結構、野放しだから大日本関連は大丈夫だけど…」

▼田村「Evolution関係はちゃんとやっとく」

▼小林「元気出てきたよ! やってみるもんだよ。本当にいいのか?」

▼田村「いくよ」

▼小林「そういうことで頑張ろう」

▼田村「がんばっぺ」

▼小林「Evolutionポーズあるのか?」

▼田村「オイッ!があるよ」

▼小林「内緒でやっちゃうか。いくぞ。アジア獲っちゃうぞ…」

▼小林&田村「オイッ!」

▼田村「怒られるよ。怒られちゃうよ、こんなことやってたら(苦笑)」

▼小林「アブドーラ・小林としては普通の一日ですけど、小林洋輔としては感慨深いよ。高校時代、渕さんの面接落とされたんだよ。面接というより門前払いだ」

▼田村「門前払いで?」

▼小林「高校の体育科の先生がいて、知り合いの知り合いが渕だったんだ。『長野大会で渕に会わせてやる』って言われたんだけど、『君はちっちゃいから来んな』って。一応ここまで来たからね」

▼田村「もう一回ここから」

▼小林「そうだね。三冠、世界タッグいろいろあって、アジアから上がっていくか。長いことやってれば、こういう日もあるんだなと思いますね(笑) 何か質問ある人? 夜、試合ないから暇なんだよな。大日本、試合組まれなかったんだ」

▼田村「組まれなかったの?」

▼小林「これに集中しろってことで(苦笑)」

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