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3/20【DDT】遠藤が涙のKO-D奪取、竹下と46分超の死闘制す 26年目へ飛躍の誓い

『Judgement2022〜DDT旗揚げ25周年記念大会〜』
東京・両国国技館(2022年3月20日)
KO-D無差別級選手権試合 ○遠藤哲哉vs竹下幸之介×

 遠藤が45分を超える死闘の末に竹下を下し、約1年ぶりにKO-D無差別級王座を奪取。25周年記念興行のメインで涙の勝利を飾った遠藤は、26年目に向けて「俺が先頭に立ってDDTの選手全員でもっとDDTを大きくします」と飛躍の誓いを立てた。

 竹下は昨年DDTで行われた3大リーグ戦を制覇し、KO-D無差別級王座も戴冠。プロレス大賞では敢闘賞も獲得し、名実ともにDDTマットの頂点に立った。そして迎えた25周年記念興行のメイン。挑戦者として前に立ったのは同期のライバル・遠藤だった。

 遠藤は昨年末、自分がリーダーのユニット・バーニングを立ち上げて、心身ともにレベルアップ。満を持して約1年ぶりの王座戴冠に挑んだ。2017年には60分時間切れ引き分けの激闘を繰り広げ、前哨戦でも互いに直接勝利を奪い合った2人の戦いはし烈を極めた。

 お互いを知り尽くしたライバル同士。試合は徐々にヒートアップしていく。どちらも首攻めへ。遠藤が床直撃のDDTを繰り出せば、竹下はエプロンへのパワーボム、床への垂直落下式ブレーンバスターで応戦。どちらも止まらず、大技合戦になだれこんだ。遠藤はバーニングスタープレス(シューティングスタープレス)で先に勝負を仕掛けるが、竹下は回避。不時着した遠藤をジャンピングニーでカチ上げると、フロム・コーナー・トゥ・コーナー、雪崩式垂直落下ブレーンバスターなどで怒とうのラッシュを浴びせた。ポイズン澤田JULIEの必殺技・キャトルミューティレーションを挟んでから、満を持してPlus Ultraに捕らえる。

 ニアロープで九死に一生を得た遠藤はひらめきを発揮。ケブラーダ式変型トルニージョやエプロンでのカナディアンデストロイヤー、両腕クラッチ式カナディアンデストロイヤーと秘密兵器を連発して猛追に転じる。そして、バーニングスタープレスが完璧に決まると、勝利を確信するが、竹下はキックアウト。試合はさらに白熱した。

 竹下は強引にジャーマンで引っこ抜いて形勢打開。オーバーヘッドキックをカウンターのサッカーボールキックで撃墜すると、ファブル(スワンダイブ式サマーソルトアタック)を投下する。そして、再びPlus Ultraに捕獲。首筋にエルボーをこれでもかと振り下ろし、変形式に持ち込んで絞めに絞めた。しかし、今度は遠藤が耐え切ってみせる。

 限界を超えた2人は、これまでの自分たちの歴史を振り返るような攻防を展開した。竹下がハッピーモーテル時代の盟友・アントーニオ本多のバイオニックエルボーを放てば、遠藤は袂を分かったDAMNATION・佐々木大輔の必殺技・クロスフェイスに絡め取る。その佐々木が命名したテツヤ・イン・ザ・スカイ with Diamonds(コーナーからのスパニッシュフライ)を敢行すれば、竹下も若手時代の必殺技・タッチダウン(ダイヤモンドカッター)で逆転。ジャーマン合戦を繰り広げると、遠藤はバーニング結成から共闘するようになった秋山準の得意技・エクスプロイダー3連発で勝機をこじ開けた。

 トーチャーラックボムで追い討ちをかけると、今日2発目のバーニングスタープレスがさく裂。あえてフォールせず、再度バーニングスタープレスを浴びせて、45分を超す死闘に終止符を打った。

 記念興行のメインで竹下を破り、遠藤が1年ぶり3度目のKO-D無差別級王座戴冠を果たした。KO-D無差別級戦で竹下から勝利したのは今回が初めて。感極まった遠藤は、マイクを持つと、「竹下…竹ちゃん。俺、今日デビューして初めて竹ちゃんと同じ時代、同じ団体、ここDDTでプロレスができていること、嬉しいと思ったよ。これからも俺はこのDDTのリングに立ち続ける限り、竹ちゃんのことは大嫌いだ。今日はありがとう」とメッセージを送った。遠藤が握手を求めると、竹下も応じて手を掲げたが、悔しさをにじませた。

 立会人の小橋建太からベルトを受け取ると、秋山らバーニングのメンバーとともに記念撮影。賞金100万円も受け取る。遠藤は「ついに竹下幸之介からタイトルマッチで勝利しました。もう本当に素直な気持ち、メチャクチャ嬉しいです」と喜びをあらわに。

 「遠藤哲哉は竹下幸之介に勝ったことによって、1つ完成しました。でも、あくまで完成ではあって、完結ではないです。まだこれから続きます。それは昨日の東京女子も、このDDTも同じです。東京女子は9周年、今年10年目。DDTは26年目。まだまだ旅の途中です」と未来を見据えた遠藤は、「俺は決してチャンピオン俺1人でDDTを大きくする、そんなデカい人間ではないと思っています。俺が先頭に立ってDDTの選手全員でもっとDDTを大きくします。だから、皆さんこれからも俺たちについてこい。26年目もDDTから目を離すな!」と飛躍の誓いを立てた。

 大きな拍手を浴びながら花道を下がり、遠藤が控え室に辿り着くと、そこには竹下も含む今大会に出場した選手たちの姿が。祝福されて、涙を流した遠藤が「これからも夢を見させ続けるぞ! 2日間ありがとうございました」と叫んで、25周年記念興行はフィナーレとなった。

 両国大会を最高の形で締めくくった遠藤だが、すでに5・1横浜武道館大会での初防衛戦が決定しており、余韻に浸っていられる時間は短い。今大会で行われた4つのタイトルマッチは全て移動となり、26年目に入って早くも大きなうねりが生まれつつある。その先頭に立つのは新王者の遠藤以外ありえない。自分なりに新たな王者像を作り上げて、26年目のDDTをけん引していく。

【試合後の遠藤】
▼「泣くもんかって思ってたんですけど…。やっぱ最後は来ちゃうもんだね。(涙をにじませると)DDTで10年前にデビューして、今日全て報われたと凄い感じます。でも、さっき試合後にリング上でも言ったように、俺も、DDTも、昨日の東京女子も、プロレスリング・ノアも、CyberFightもまだまだ完結はしてないんで。これからも26年、50年、100年とずっと続いていきます。俺がここDDTの先頭に立って、DDTの選手、他のグループの選手全員でもっとでっかい団体にします。もっともっとでっかい夢を皆さんにお見せします。ありがとうございました」

――タイトルマッチで対竹下初勝利で改めて思うことは?

▼遠藤「改めて? うれしいに決まってるでしょ。人生で…本当に誇張なく今まで生きてきた34年間の中で一番気分がいいです。俺が勝つことによって、一人でも多く見てる人に夢とか嬉しいって思ってもらえたら、俺がプロレスをやってきた意味はあるのかなと思いますね」

――今日の試合を振り返って?

▼遠藤「まぁ、試合直後なんで振り返れる余裕もないんですけど、とにかく最後は気持ちの勝負だったんじゃないかなと思います」

――今後の防衛戦については?

▼遠藤「そうですね。まぁ、リング上でも言ったように俺は別に一人でこの団体を背負うつもりはないんで、俺がこのベルトを持って先頭に立って、DDT所属全員でもっともっと盛り上げていきたいと思ってるんで。誰でもいいです。挑戦したいヤツ。俺こそがDDTを背負う覚悟がある人間がいれば、どんどん挑戦して名乗り上げてきてほしいなと思います」

【竹下の話】「僕が日本武道館のDDT15周年記念大会でデビューしてから約10年。僕が10年でやってきたことっていうのは、今日の対遠藤哲哉、1試合に全てぶつけられたと思います。僕も遠藤哲哉もここから先もあるし、DDTも26年目以降があるんでね。ここで、こんなところでまだまだ止まってられないです。たぶん15年目の日本武道館を見てくれていた人たちっていうのは、10年後を想像した時にもっともっと凄いことになっているって。たぶん僕も遠藤さんもファンもみんな思っていたと思う。今、みんなが想像している30年目のDDT、35年目のDDT、50年目、100年目のDDT。想像もできないぐらい大きな団体になっていると思います。これからもご支援、ご声援よろしくお願いします。今日はありがとうございました」

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