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3/20【DDT】DDT勢のAEW参戦が決定 高木が中澤に陳謝

『Judgement2022〜DDT旗揚げ25周年記念大会〜』
東京・両国国技館(2022年3月20日)
○高木三四郎vs中澤マイケル×

 両国国技館全体を使った大乱戦の末に、高木が「I'm sorry」と謝った中澤をプラケースに叩きつけて非情制裁。中澤がプレゼントとして、DDT勢をAEWに招へいする準備が整ったことを明かすと、一転して高木は陳謝し、2人は遺恨を水に流して仲直りした。

 これまでDDTをけん引してきた“大社長"高木が「25周年記念スペシャルシングルマッチ」で一騎打ちを要求してきた中澤と対戦した。中澤は現在、AEWとDDTの2団体所属で、アメリカでは選手兼スタッフとして活躍。久々の日本マット登場となったが、記者会見、そして大会5日前の路上プロレスでも得意の“アルティメットベノムAEWアーム"を武器に高木をKOしていた。

 試合は反則裁定なし、場外カウントなし、さらに3カウントやギブアップでの決着もなく、マイクを使用して相手に「I'm sorry」と言わせたほうが勝者となる「I'm sorryマッチ」で行われた。

 中澤はヘッドセットにAEWのポロシャツ、チノパンというアメリカ仕様で登場。高木はいきなりスタナーで先手を取ると、「築城しろ!」とセコンドに命令し、パイプイスでリング上にやぐらを作らせる。中澤がバックステージに逃亡すると、高木はあとを追った。

 高木はトイレに連行し、便器の上でパイルドライバーを敢行。便器の水に顔面から押し込む。苦しんだ中澤だったが、口に含んだ便器の水を高木の顔面に噴射して抵抗。負けじと高木も消毒液を中澤の頭部にかけて反撃し、場内に戻ると、リング上にはイスで作った城が完成しており、ドラマティックドリーム号(自転車)も設置されていた。高木は花道ラリアットで追い討ち。リングに戻ると、ドラマティックドリーム号に乗って、中澤を跳ねようと試みるが、避けられてイス城に衝突してしまった。

 中澤は「熱くなってきたぜ!」「火照ってきたぜ!」と絶叫しながら、服を脱ぎ捨てアンダータイツに姿に。そしてアルティメットベノムAEWアームを右腕に装着し、高木の顔面を鷲づかみにした。苦しむ高木だったが、「I'm sorry」とは口にせず。パイプイスを連続して脳天に振り下ろされても「NO!」と拒否し、プラケースで攻撃されても引ない。逆に中澤が手にしたプラケースを殴りつけて破壊した。

 高木はケニー・オメガばりに波動拳をぶち込み、さらに飯伏幸太の必殺技・カミゴェも叩き込むが、中澤も謝らない。ならばと高木はプラケースを脳天に一撃。「これ痛いね。もう終わりにしたい」と中澤は謝ろうとするも、高木はベノムアームを口に突っ込んで「I'm sorry」を阻止し、なおもプラケースを頭に振り下ろした。そして、プラケースを3段重ねにすると、シットダウンひまわりボムの構え。中澤は「I'm sorry」と宣言して試合は決着を迎えたものの、高木はそのままひまわりボムでプラケースに叩きつけて制裁した。

 試合後、「マイケル! ごめんな。そんな俺のことが憎かったんだ。ごめんね」と口にした高木。一方、中澤は「お前、いまさら謝ったって遅いでしょうが。高木三四郎、俺はテメェのことがもっともっと嫌いになったよ」としながらも、「だけどな、テメェのことは嫌いだけどな、俺はこのDDTがなんだかんだ言って好きなんだよ。俺はこのDDTが故郷だと思っている」とDDTへの熱い思いをあらわにし、「だから、その25周年にちょっとしたプレゼントを持ってきたんだ」とサプライズ発言が飛び出した。

 すると、AEWのレスラー人事担当責任者であるクリストファー・ダニエルズからのメッセージVTRが場内に流された。DDT25周年のお祝いの言葉を口にしたダニエルズは「AEWとDDTのお互いの合意のうえ、AEWは今後アメリカでDDTのレスラーの皆さんを起用していくことを発表いたします。私はDDTの素晴らしい選手たちをアメリカのプロレスファンに紹介することを楽しみで待ちきれないです」と発表。場内はどよめいた。

 これには高木も歓喜。仲を取り持ったケニーと中澤に感謝の言葉を重ね、「本当に今までごめんな」と素直に頭を下げた。これには中澤も「今さら謝ったって遅いって。でも、さっきトイレで流されましたし、これまでのことは水に流して、AEWとDDTこれから仲良くやっていきましょう」と遺恨清算をアピール。最後に高木が「マイケル、そしてケニー、そしてAEWの皆さん、本当にありがとうございます。DDT、AEW、そして世界中のプロレスをもっともっと盛り上げるぞ!」と叫ぶと、2人は仲良くガッチリと握手を交わした。

【試合後の高木、中澤】
▼高木「まだ俺には夢のようなことなんだけど、マイケル、これは本当に事実なのか?」

▼中澤「事実です。ビデオが流れて。ケニーのおかげですよね」

▼高木「本当にケニー、マイケル、感謝してます」

▼中澤「昔から橋渡しができればいいと思ってましたけど、今回こうやって少しでも団体の役に立つかなと。もちろんケニーなしではありえないことだったと思いますけど」

▼高木「ありがとう」

▼中澤「どんどんDDTのみんなが世界に紹介できればいいと思ってます。全力でサポートしますんで」

▼高木「ありがとう。本当に僕も聞いたばかりなんで、これからちょっとマイケルやケニーといろいろ相談して、話して決めていきたいと思ってます」

▼中澤「もちろん以前、単発で竹下とかにもDDTから出ていただいたんですけど、今回はそれだけじゃなく、DDT全体が対象ということで。グループ全体ですね。DDTと東京女子。全体にAEWが合意してくれたということで」

▼高木「ありがとう。でも、相変わらず変わらないな。いやいや、いいことだよ」

▼中澤「いやいやいや。なんて言うんですかね、楽しかったですね。恨みを晴らしてやろうと思ってたけど、DDTは楽しいですね。DDTだけじゃなくて、高木さんとやるのは楽しいですよ。ありがとうございます」

▼高木「あの頃のマイケルとしたり、いろんなヤツと戦ったのは俺の中でも財産だから。こうやってまたお互いこの25周年の記念すべき場所で戦えたことは本当に光栄に思ってます」

――波動拳とカミゴェを出していたが、なにか意図はある?

▼高木「出してた? いや、俺はもともとマイケルが恨み晴らしてやるって俺に一騎打ちを挑んできた時から、マイケルだけじゃなくて、マイケルと仲の良かったあいつらと一緒に戦っているつもりでこの試合に挑んでいるんで。だから、自然に出たんじゃない? 絶対ないってことはないから。またどっかで会えると思うよ」

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