3/27【スターダム】上谷がワンダー死守、前王者・たむに大逆転星 シンデレラT連覇に照準

『LECクリンぱっ! presents STARDOM WORLD CLIMAX 2022 in 両国国技館〜Day2〜』東京・両国国技館(2022年3月27日)
ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 ○上谷沙弥vs中野たむ×

　上谷が前王者・たむの猛攻を耐え抜いて大逆転勝利を果たし、ワンダー王座を死守。2日連続の防衛を果たすと、シンデレラトーナメント連覇に照準を合わせた。

　ワンダー王者・上谷は前日(26日)の両国大会で執念の林下詩美超えを果たし、3度目の防衛に成功。そして翌日、前王者・たむとのリマッチに臨んだ。上谷は6度の防衛を誇っていたたむから昨年末の両国でタイトルを奪取。たむは“私の分身"だという白いベルトを奪還して完全復活を狙っていた。

　先に主導権を握ったのは上谷。スワンダイブ式プランチャを皮切りに攻勢に出る。たむもダイヤモンドカッターで追撃を防ぐと、コーナーでの宙吊り式ドラゴンスリーパーなど絞め技を多用。コーナーからプランチャを狙うが、飛びかかった上谷が場外めがけて雪崩式フランケンシュタイナーを強行。危険な荒技で勝機を掴んだ。

　場外で倒れ込むたむをストンピングでメッタ打ちにすると、床直撃のスタークラッシャーの構え。しかし、切り返したたむはバイオレットシューティングをねじ込むと、入場口の上から決死のプランチャを敢行して、試合を五分に戻した。

　ともに余力はあとわずか。リング上に座り込んだ状態で、エルボーを正面から打ち合って気持ちをぶつけ合う。スピンキックやハイキックも交錯すると、上谷はロコモーション式変型ノーザンライトスープレックス、スタークラッシャーと猛チャージ。必殺のフェニックススプラッシュで勝負に出た。

　たむはこれを自爆させると、後頭部にバイオレットシューティングをズバリ。正面からもぶち込むと、タイガードライバー、ジャーマンスープレックスと一気呵成に攻め立てる。腰にダメージを負い、フロントハイキックやエルボーの相打ちになっても下がらず、タイガースープレックスで追い討ち。急角度のバイオレット・スクリュー・ドライバーでマットに突き刺した。

　上谷は意識もうろうとなりながらも執念で肩を上げる。これにはたむも悔しさをあらわに。その直後、上谷はなりふり構わず、丸め込みを連発して猛抵抗。そこからスクールボーイスープレックスを仕掛ける。たむは押し潰したものの、上谷はさらに回転して泥臭く押さえ込み、大逆転の3カウントをもぎ取った。

　ベルト奪還に燃えるたむから逆転勝利を奪い取り、上谷が2日連続のワンダー王座防衛。さすがに疲労困ぱいの様子だったが、「たむさん、戦ってくださり、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を投げかける。たむは「負けて、ありがとうなんて言われてたまるか!」と言い返したものの、2人は抱擁。場内は温かい拍手に包まれた。

　「4度目の防衛に成功しました! 正直、メチャクチャ怖くて。大切なベルトがなくなっちゃうんじゃないかって怖かったけど、両国で無事防衛することができて嬉しいです」と喜びを噛みしめた上谷は、「私はドーム女に続いて、両国女になりました。シンデレラ・トーナメントも控えているので、それも2連覇目指して突っ走って、全力投球でいきたいと思います!」と観客の前で力強く宣言した。

　バックステージでは「正直、ボロボロすぎて、体がキツくて、言葉が出ません」と過酷な両国2連戦を振り返った上谷。それでも「こんなに真っ正面で、全力でぶつかれる相手はたむさんしかいないと思いました。優しさと強さと愛で溢れてて、このたむさんから受け継いだ白いベルトを、本当に心から大切にしていこうと思いました」と気持ちを新たにし、史上2人目となるシンデレラトーナメント連覇に照準を合わせた。


【上谷の話】「4度目の防衛成功しました。正直、ボロボロすぎて、体がキツくて、言葉が出ません。まあ、今は出てますけど…。今回でたむさんとは7回目のシングルでした。私にとって師匠に当たる存在なんですけど、今日で確信しました。こんなに真っ正面で、全力でぶつかれる相手はたむさんしかいないと思いました。優しさと強さと愛で溢れてて、このたむさんから受け継いだ白いベルトを、本当に心から大切にしていこうと思いました。これからも全力投球で突っ走っていきます。次はシンデレラトーナメントが控えているので、2連覇目指していきます」

【たむの話】「なにが全力のベルトだよ。これのどこが全力だよ。全力を超してるんだよ。上谷は知らない間に呪われてんだよ、もう。人生って長いな、本当に。最高に幸せな瞬間のあとには転落が待っているんだよ。でも、奈落の底から這い上がることこそが人生の醍醐味ですよ! 世代交代? させませんよ」