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4/7【DRAGONGATE】K-ness.が完全燃焼、26年間のレスラー生活に別れ 相方・ススムに魂の猛ゲキ

『THE GATE OF PASSION 2022-Final Burst Out!-』東京・後楽園ホール(2022年4月7日)
Final Burst Out! K-ness.引退試合 ○Kzy&ドラゴン・キッドvs横須賀ススム&K-ness.×

 K-ness.が完全燃焼で26年間のレスラー生活に別れ。最後にクネスカの相方・ススムに「第一線でまたシングルで1人で活躍するススムが見たい」と魂の猛ゲキを飛ばした。

 K-ness.は96年4月にみちのくプロレスでデビュー。当初は素顔で活躍し、闘龍門JAPANにも参戦。2000年にマスクマンのダークネス・ドラゴンに変身し、ドラゴン・キッドと激しい抗争を繰り広げた。キッドとのマスカラ戦に敗れたのを機に、リングネームをK-ness.に変更。怪我に悩まされながらも、頼れる参謀格として様々なユニットで存在感を発揮。長年苦楽を共にしてきたススムとのコンビ“クネスカ"は団体の歴史においても一二を争う名タッグチームとして名を馳せ、ツインゲート王座戴冠とタッグリーグ制覇も果たした。

 最近は首などの負傷が響いて欠場が続いていたが、昨年末に引退を発表。最後の試合は、K-ness.の希望により、ススムとのクネスカで、永遠のライバル・キッド&弟分・Kzyと対戦することに。引退ロードでも試合に出場しなかったが、後輩たちに得意技を引き継ぎ、いよいよ最後の日を迎えた。

 久々のフルオープンとなった聖地・後楽園ホール。満員の観客から大きな拍手を受けたK-ness.たちは試合前から感極まった表情を見せる。先発を買って出たK-ness.は久々となったマットの感触を確かめるように、キッド&Kzyと基本に忠実な動きで競り合った。

 中盤では劣勢に陥る場面も見られたが、ススムとの絆を活かして逆襲。対戦相手同士にパワーボムを決めさせるセルフサービスボムや須賀ドラニー(カナディアンバックブリーカー&ダイビングニー)、ジャンボの脚(ジャンボの勝ち!&昇竜脚)など錆び付かない連係技を披露していく。ライバルのキッドが得意とするクリスト専用の切り返し技・ユダ(変型マフラーホールド)も完璧に決めてみせた。

 盟友・ススムも発奮。キッドのウルトラウラカンラナに追い込まれながらも、秘密兵器のワールドライナーまで繰り出す。これでも決着がつかないと見るや、自ら前に出たK-ness.はkzyと対峙。ここからススムとキッドはあえてカットに入らず、リング上は一騎打ち状態に。

 2人は万感の思いを込めたエルボー合戦で火花。普段はポーカーフェイスのK-ness.も感情むき出しで打ち合う。Kzy優勢は否めなかったが、キッドも光の輪で丸め込んだり、介錯2連発で追い込んだりと奮戦。そんなK-ness.の攻撃を全て受け止めたKzyがありったけの気持ちをぶつけるようにエルボースマッシュで猛攻に出た。

 何度食らっても立ち上がるK-ness.を見たKzyは「もういい! もういいって! もう十分だよ!」と涙ながらに絶叫。左右、後ろから連続してスライディングエルボーを放つと、正面からこん身のエルボースマッシュを叩き込んだ。それでもフォールをキックアウトしたK-ness.は「両手を広げて「来い!」と咆哮。号泣しながらkzyはランニングエルボースマッシュをぶち込み、K-ness.は最後の3カウントを聞いた。

 K-ness.がラストマッチで完全燃焼。Kzyと抱擁すると、そこにススムとキッドも加わる。感傷的な空気がリングを包み込んだ。引退セレモニーでは、みちのくプロレス時代の同期であるGamma、アニマル浜口ジムでともに汗を流した吉江豊&高橋奈七永、後輩の大鷲透、縁の深いJAM Projectの影山ヒロノブ&遠藤正明らが花束を贈呈。レッスル夢ファクトリー時代の仲間たちも故・ 福田雅一さんの思いを背負って駆けつけてくれた。

 師匠であるウルティモ・ドラゴンは「K-ness.…いや、斎藤誠。お前とはいろんな思い出があるなあ、本当に。お前は俺の誇りです。最後に闘龍門へ来てくれて、本当にありがとう。お前は今日でリングを降りるけど、これから第二の人生のスタート、これからが勝負だ。しっかり頑張ってくれよ。ありがとう!」と惜別のメッセージ。K-ness.の手を掲げて労をねぎらった。

 相方のススムも別れの言葉を送る。これまでのクネスカの関係を振り返り、「俺がどのユニットにいたとしても、K-ness.と組めばクネスカ。だから、自分とK-ness.が組み始めてからクネスカは解散したことがない。そして、今日でK-ness.は引退するけど、クネスカは永遠ですよ」と断言。「K-ness.は今日でリングを降りるけど、俺はまだもうちょっと体が動きそうだから、まだまだこのリングで戦っていくんで。K-ness.の分も俺はこれから背負って戦っていくんで。まあ、K-ness.から俺は何も継承されてないけど、K-ness.の魂を俺が継承するんで」と相方の前で誓いを立てると、「これからもなんとなく見守ってください。あとは、またバックステージで会いましょう。K-ness.、今までありがとう!」と感謝の思いをあらわにし、涙ながらに抱き合った。

 K-ness.の最後のあいさつは、そんな相方へのメッセージから始まった。「皆様へのご挨拶を前にひとつだけ…。ススム、お前に言いたいことがある。お前、いつまでKzyの神輿担ぐつもりだ? Kzyはもう立派に成長しているんだよ! 俺は若い衆のサポートするススムよりも、第一線でまたシングルで1人で活躍するススムが見たいんです」と魂のゲキを飛ばすと、試合中につけていたリングとネックレスを手渡し、「ススム、1人でリングに上がるのが不安なら、俺が力を貸してやる。これをつけてリングに立てば、お前1人でクネスカだ。ススム、俺は見てるからな。頑張ってくれ」と熱く激励した。

 「本日は皆さんご来場ありがとうございました。まずは今日来てくれた自分の両親。自分のワガママで自分の夢を追うことを認めてくれて、ありがとうございました。会場に来ているファンの皆さん、テレビで見ているファンの皆さん、こんな俺を26年間応援してくださり、本当にありがとうございました。そして、俺の家族たち…選手のみんな。今まで本当にありがとうございました。K-ness.のレスラー人生は今日で終わります。26年間、本当にありがとうございました」。家族、観客、仲間たちに感謝の言葉を重ねたK-ness.に、引退の10カウントゴングが送られる。現役最後の選手コールが聖地に鳴り響くと、場内は惜しみない拍手に包まれた。

 仲間たちとの記念撮影を終えると、最後はススムとリングに残り、コーナーに上がって観客に別れを告げる。そして、相方と肩を組んで、満足げに花道を下がっていき、K-ness.は26年間のレスラー生活に幕を下ろした。


【試合後のK-ness.&ススム】
▼K-ness.「あぁ、きつい」

▼ススム「終わっちゃったね。大丈夫?」

▼K-ness.「大丈夫じゃない。でも見てただろ? 奇跡起こしたぞ」

▼ススム「起こしたね。俺らが今日出て勝つとかそういうことじゃなくてね、最後までK-ness.が戦い抜くことが俺は奇跡じゃないかなと。そういった意味でK-ness.が最後までレスラーとして戦って、最後3カウント聞くとこまでいったってことが俺は奇跡じゃないかなと。このままリングに立てずに終わるんじゃないかなっていうところまでいった男が最後に立派にレスラーとして戦い抜いたことが俺はもう。最後ずっと下で見守るような形になりましたけど、あそこはあえて、もう助けにいくこともしなかったし。それはお客さんにもたぶん伝わってたんじゃないかなと思いますけど。K-ness.がKzyを指名した以上、俺はそこを邪魔する気もなかったし。僕はこれからまたリングに上がりますけど、K-ness.の魂もね、しっかり受け取ったんで。これを背負って。技は継承されなかったですけど、魂は俺が継承して、これから戦っていくんで、K-ness.心配せずに。俺はまだやるよ」

▼K-ness.「K-ness.は終わるけどな、クネスカはススムが消えない限り永遠に終わらないし、これを身に着けて戦ってもらえば俺の力がススムに宿るから。それにしてもきついね」

▼ススム「きついだろ?」

▼K-ness.「でもね、気持ちいいよ。この痛み今日で…」

▼ススム「寂しいだろ?」

▼K-ness.「寂しいけど…」

▼ススム「寂しいけどホッとしてるだろ?」

▼K-ness.「ホッとした」

▼ススム「(笑)俺はもうちょっとこの痛みと戦っていくから」

▼K-ness.「頑張ってよ。俺は陰ながら見てるから」

▼ススム「とりあえずリング上でのクネスカはあれですけど、これからもクネスカっていうのはプライベートでも続いていくと思うんで」

▼K-ness.「永遠に。じいちゃんになってもクネスカ。墓場に入るまでクネスカ。一緒の墓に入るからな」

▼ススム「(笑)最後、お墓に入る時も曲流してもらって。絆で入ろう」

――ウルティモ校長から「誇り」と言われたが?

▼K-ness.「うれしいです。それ以外ないです。心からうれしいし、ダークネス・ドラゴンになって、K-ness.になって、闘龍門に入って、プロレスラーになって本当によかったと思うし、幸せな人生を歩んでこれました。本当にありがとうございました」

▼ススム「K-ness.は本当に近年は試合をする機会も少なかったですし、終盤、25周年以来、試合してなかった。リングから遠ざかってたんで、余計にレスラーとしてリングから離れると恐怖心というのが大きくなってくるんですよ。コンディションもよくない状況の中、引退試合ですけど、動けてたな。まだできんじゃない?(笑) 気合入れたら」

▼K-ness.「それはススムがいるからだよ」

▼ススム「とりあえず最後までああいうふうに戦い抜いてくれたことが本当に誇りですし、俺もまだまだ頑張っていかなきゃなと。K-ness.の魂は俺が受け継いだんで。技がない分、俺は気持ちをもってこれからもこのリングで頑張っていきたいなと。K-ness.がハッパをかけてくれるようなこともありましたけど、そのへんは僕の中でいろいろまた考えて、いろいろ今後、行動に移していけたらなと思います。以上です。ありがとうございました」

▼K-ness.「ありがとうございました」

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