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5/1【DDT】遠藤が31分超え激闘V1 王者の“信念"で上野返り討ち

『MEGA MAX BUMP 2022 in YOKOHAMA』神奈川・横浜武道館(2022年5月1日)
KO-D無差別級選手権試合 ○遠藤哲哉vs上野勇希×

 遠藤が31分超えの激闘を制してKO-D無差別級王座V1。王者としての“信念"で上野を返り討ちにし、DDT初進出となった横浜武道館大会のメインを見事に締めくくった。

 遠藤は25周年興行となった3・20両国大会で竹下幸之介を下し、KO-D無差別級王座奪取。「俺が先頭に立って、DDTの選手全員でもっとDDTを大きくします」と誓いを立てた。初進出となる大会場のメインで行われる大事な初防衛戦。相手は、海外に旅立つ同級生・竹下に刺激を受けて挑戦に動いた上野に。4・22新宿大会での前哨戦では、上野が308秒で遠藤を絞め落として勢いをつけていたが、遠藤は王者としてのプライドを崩さず、厳しい姿勢を貫いていた。

 遠藤はエプロンの角にボディスラムを決めると、腰攻めで先制。上野が空中戦で巻き返しても、遠藤はスワンダイブ式エルボーで黙らせ、パワーボム式バックブリーカーなどエグい攻撃なおも腰を集中的に攻めた。

 腰を押さえながらも、上野はスープレックスを連発して逆転。ダイビングボディプレスからBME(ステップアップ式ムーンサルト)へ。避けられても不時着するが、腰に響いて急ブレーキ。それでも大技合戦でせめぎ合うと、再びBMEでダイブする。今度は剣山で迎撃されて苦しんだ上野だったが、闘志は消えない。遠藤の雪崩式ブレーンバスター狙いを踏ん張り、顔面からコーナーパットに叩きつけると、ウルトラウラカンラナから今日3度目のBMEへ。今度は避けられて自爆に終わるが、上野はしゃにむに遠藤に絡みつき、前哨戦で絞め落としたスリーパーに持ち込んだ。

 苦もんした遠藤は上野を背負った状態で場外に転落して強引に脱出。上野にリングへ押し入れられたのを利用して、サスケスペシャルで飛翔し、再び主導権を握る。スワンダイブ式ファイヤーバードスプラッシュから得意のトーチャーラックボムでマットに叩きつけると、勝負を決するべくバーニングスタープレス(シューティングスタープレス)で突っ込んだ。

 上野はお返しとばかりにヒザを立てて迎撃。起死回生のWRを繰り出すと、再び胴絞めスリーパーに絡め取った。意識もうろうとなった遠藤だったが、ロープに足が届いて九死に一生を得る。勝負を急ぐ上野は再びWRを狙ったものの、遠藤は振り払った瞬間、オーバーヘッドキックを蹴り抜いた。

 上野の両腕クロス式WR狙いを頭突きで防いだ遠藤は、顔面、そして後頭部にドロップキックをぶち込み、エクスプロイダーで追い討ち。リストクラッチ式変型マスキュラーボムでマットに突き刺すと、ギリギリで肩を上げた上野にバーニングスタープレスを投下して、31分超えの熱戦を制した。

 遠藤がKO-D王座V1。立会人を務める小橋建太氏から笑顔でベルトを受け取る。マイクを持つと、花道を下がっていく上野に「上野、悔しいか? どうなんだ?」と呼びかけ、「今日、この試合、この悔しさをお前の信念で楽しさに変えた時、もう1回お前の相手をしてやる」とメッセージ。「上野、もう1つ。言い忘れた」と続けようとするが、上野は無視してバックステージへと消えていく。苦笑いした遠藤だったが、「お前のことも大嫌いだぞ」と付け加えた。

 「KO-D無差別級防衛しました。ありがとうございます。初進出の横浜武道館、DDTの歴史にまた新たな1ページ、その1ページに自分の名前が刻まれたことが最高です」とホッとした表情を見せた遠藤。その口から出たのは王者としての“信念"だった。

 「DDTは今以上にもっと大きくならなきゃいけない。その可能性を秘めていると俺は思ってます。プロレスラーっていうのは、全員が全員それぞれの信念を持ってます。俺の信念はこのKO-D無差別級ベルトのチャンピオンとして、DDTのトップに立って、全員でDDTを大きくすること。誰か1人でも欠けちゃいけないし、もちろん俺1人で有名にしようとか、大きくしようとか、そういうのじゃなく、DDTの選手全員でもっともっと盛り上げていきたいと思っています。それができるのは俺しかいないと思ってます」。王者としての信念を観客の前であらわにした遠藤は、「まだまだ5月。2022年まだ半分も過ぎてません。でも、俺はこのベルトを防衛し続けて、もっともっとDDTを掻き回して、面白くしていくんで、お前らDDTの遠藤哲哉から目を離すな」と言い放って、横浜武道館大会はフィナーレとなった。

 上野の信念を真っ向から受け止めてベルトを死守した遠藤の戦いは続く。CyberFightグループの総決算となる『CyberFight Festival 2022』6・12さいたまSA大会も近づいており、対戦カードも続々と決定。その先には8・20大田区総合体育館大会も控えている。25周年記念イヤーはまだまだ激闘続きが予想されるが、その中心に立つのは王者の信念を持つ遠藤以外いない。

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