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5/31【J鶴田23回忌興行】歴代三冠王者が集結 大田区決戦へ宮原とジェイクが熱戦ドロー 2年半ぶり来日ジョー大暴れ

『ジャンボ鶴田23回忌追善興行』東京・後楽園ホール(2022年5月31日)
△宮原健斗&鈴木みのる&秋山準vs大森隆男&ジョー・ドーリング&ジェイク・リー△

 歴代三冠王者6人が聖地・後楽園ホールに集結。役者揃いの中で、全日本6・19大田区大会でのタイトル戦が正式決定した現王者・宮原と挑戦者・ジェイクが激しい火花を散らし、30分時間切れドローの熱戦となった。

 初代三冠ヘビー級王者でもあるジャンボ鶴田さんの23回忌追善興行で、歴代三冠王者が並び立つプレミアムな6人タッグマッチが実現。現役王者で5度の戴冠経験がある宮原と第35、42代王者の鈴木、第44、53代王者の秋山が豪華トリオを結成し、ジェイク(第64代)&大森(第48代)&ジョー(第50代、59代)と激突した。ジョーは2年5ヵ月ぶりの来日。試合前の時点で宮原とジェイクの三冠戦は決定的となっており、前哨戦的な意味合いを持つ試合になった。

 三冠のベルトを腰に巻いた宮原が最初に単独入場すると、続いて秋山、鈴木の順でリングイン。大森、ジョー、ジェイクの順に相手チームも姿を現して歴代王者が並び立つと、リング上は大きな期待感に包まれた。鶴田さんの時代から全日マットを間近で見守ってきた和田京平レフェリーが試合を裁く。

 鈴木とジェイクが先発し、刺激的な顔合わせから幕開け。緊張感溢れるグラウンド戦を展開する。ジェイクはロープブレイクせずにチョップを放って挑発する。鈴木も打ち返すと、互いに高笑いを決めつつ、エルボーでも喧嘩腰にせめぎ合った。その後もことあるごとに2人はやり合い、今後に禍根を残した。秋山と大森の同期対決になると、秋山は鶴田さん直伝のジャンピングニーを披露。「オー!」と拳を突き上げた。

 試合の中心になったのは現役王者の宮原。控えに回ると、秋山や鈴木に何度もゲキを飛ばし、京平レフェリーから注意される場面も。それでもギクシャクする秋山と鈴木の間に入り、チームを上手く成立させた。しかし、ローンバトルに追い込まれ、ジョーのフライングボディアタック、大森のパイルドライバーを食らってしまい、大ピンチを迎える。それでも自力で劣勢を脱すると、秋山と鈴木が発奮。序盤ではいがみ合っていた2人がダブルフロントハイキックの連係を披露し、ヒジを合わせると、場内は大歓声に包まれた。

 久々の来日となったジョーも存在感を発揮。宮原の挑発に真っ向から応じ、ハンマーパンチやラリアットなどスーパーヘビー級の攻撃で制裁する。鈴木とエルボー合戦を繰り広げる場面も見られた。

 宮原とジェイクが再度対峙すると試合はさらにヒートアップ。両軍が豪華連係でせめぎ合う。鈴木のアシストを得て、宮原&秋山がダブルランニングニーを放てば、ジェイク組も引かず。ジェイクが宮原を変型羽根折り固めに捕らえると、ジョーと大森もコブラツイストで鈴木と秋山を分断し、絞め技共演となった。

 時間切れが近づき、両軍入り乱れての乱戦となるが、宮原とジェイクは三冠戦さながらの激闘で火花。宮原は後頭部への串刺しブラックアウト、ジャーマン、ブラックアウトとたたみかける。両軍の大技が連鎖すると、混戦に乗じて、宮原はシャットダウンスープレックスの体勢。踏ん張られてもブラックアウトをねじ込むが、ジェイクも後頭部へのジャイアントキリングから鶴田さんばりの豪快なバックドロップを爆発させる。宮原も続くD4Cを首固めで切り返して必死の応戦。ブラックアウトとジャイアントキリングが正面衝突し、直後に宮原がブラックアウトを放つも、ジェイクも負けじと右ハイキックを返し、両者大の字になったところで、試合は時間切れ引き分けとなった。

 試合が決しても秋山&鈴木とジョー&大森は場外で視殺戦。エキサイトした鈴木とジョーがパイプイス片手ににらみ合う場面も。宮原とジェイクは視殺戦で火花。鈴木と秋山は先にリングを去っていくが、リングに残った宮原は改めて三冠のベルトを腰に巻き、自分こそが現役王者だと見せつけた。

 試合後、全日本プロレス6・19大田区大会での三冠戦が正式発表に。お祭りムードの中で、宮原とジェイクは現在進行系の戦いを超満員札止めの観客に見せつけた。

 「ジャンボ鶴田さんの名の下に集まった6人。まあ、いろんな選手がいたけど、やっぱり俺の中には1人しか見えてなかったな。ジェイク・リー! やはりどんなレスラーがいても光り輝いてるな、お前は」とジェイクしか目に入らない様子の宮原はすでに臨戦態勢。最高男らしく「今日、久しぶりにプロレスを見た人たちに告げよう。これが今の三冠チャンピオンだ。そして、今のプロレスの最前線を走る男だ」と自信満々に言い放ち、「ジェイク・リー、6月19日、大田区総合体育館で勝負だ」と宣戦布告した。

 一方、ジェイクは宮原についてあえて言及せず。「俺は『人生はチャレンジだ』っていう言葉に何度も救われたし、だから俺はここにいるんだなって思えるし。俺はそれを伝えるのをすっかり忘れてたよ。改めて鶴田さん、ありがとうございました」と鶴田さんに感謝の言葉を送り、「俺はチャレンジし続けます」と視線を未来に向けた。


【宮原の話】「よし! ジャンボ鶴田さんの名の下に集まった6人。まあ、いろんな選手がいたけど、やっぱり俺の中には1人しか見えてなかったな。ジェイク・リー! やはりどんなレスラーがいても光り輝いてるな、お前は。そして今日、久しぶりにプロレスを見た人たちに告げよう。これが今の三冠チャンピオンだ。そして、今のプロレスの最前線を走る男だ。ジェイク・リー、6月19日、大田区総合体育館で勝負だ」

【試合後の秋山】
▼秋山「23回忌、本当にね、鶴田さんのことを思い出すと、全然怒られるとかそういうのはなく、笑顔しか出てこない。本当にいつもずっと笑顔でいた鶴田さんしか出てこないですね。リングでは凄い人でしたけど、普段は本当に温厚で。そういう言葉しか出てこないですね。僕はジャンピングニーというのを受け継いでいるんで。まあ、段々ヒザも痛くなって、飛べなくなってきてますけど、最後まで使いたいなと思います。全日本のチャンピオンは最後まで大きい声で(マイクに)入っていただろ?」

――鈴木選手とのタッグはどうだった?

▼秋山「最初はちょっとあったけど、やっていくうちになんか気持ちよくなってきたよ。そんなもう対角線にいるとか、横にいるとか、わからないようなところだけど、また機会があれば」

【鈴木の話】「ジャンボ鶴田23回忌。偉大なる鶴田さんの記念日だからな。だから秋山と組んだ。だから宮原と組んだ。今日は同じ側にいる…仲間ではないけど、味方だったな。ただ、それも今日限りだ。今日だけだ。どいつもこいつも俺のブッ飛ばすリストに入ってんだよ」

【ジェイクの話】「タイトルマッチが決まったり、この前の『還暦祭』のことが色々言われたりとかして、俺自身もそれでモチベーションが上がって、そういう言葉を出し続けてはいるけど、今日はその言葉じゃない。鶴田さんに対して俺はありがとうございますって言わなきゃいけなかった。俺は『人生はチャレンジだ』っていう言葉に何度も救われたし、だから俺はここにいるんだなって思えるし。俺はそれを伝えるのをすっかり忘れてたよ。改めて鶴田さん、ありがとうございました。俺はチャレンジし続けます」

【大森の話】「今日は鶴田さんのこういう試合だったけど、次に会った時はお前ら30分で逃げられると思うなよ。1人残らず叩き潰してやるからな。鈴木みのる、秋山準、そして宮原健斗。覚悟しておけ」

【ジョーの話】「まずは日本に帰ってくることができてうれしいよ。再び日本で相手を叩きのめしに来ることができたんだ。サンキュー・ジャパン。また戻ってくるよ。アイ・ラブ・ユー」

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