5/31【J鶴田23回忌興行】大仁田がT後藤さんに捧ぐ邪道ファイト 10カウントゴングで涙

『ジャンボ鶴田23回忌追善興行』東京・後楽園ホール(2022年5月31日)
ストリートファイト・トルネードバンクハウス10人タッグハードコアマッチ ○グレート小鹿&大仁田厚&宮本裕向&木高イサミ&雷神矢口vs佐藤光留&長井満也&ヨシタツ&羆嵐&雷陣明×

　大仁田が元盟友・ターザン後藤さんに捧ぐように邪道流の暴走ファイトを披露。惜別の10カウントゴングを聞き、思わず涙を流した。

　ジャンボ鶴田さんの全日本での後輩にあたる大仁田が23回忌追善興行に参戦。鶴田さんの先輩である小鹿、宮本&イサミ&矢口と組み、光留&長井&ヨシタツ&羆嵐&雷陣とストリートファイト・トルネードバンクハウスルールのハードコアマッチで対戦した。

　大仁田にとって全日本時代の後輩であり、ともにFMWを立ち上げた後藤さんが29日に亡くなったばかり。Twitterで「ただただ信じられない」と沈痛な思いをあらわにしていたが、試合ではいつも以上の暴れっぷりを見せた。

　ゴングを待たずに乱闘で試合はスタート。大仁田は着物姿の光留とやり合うと、場外でも乱闘を繰り広げた。味方の矢口が捕まると、大仁田はパイプイス片手にリングイン。座面が抜けるほどの強烈な一撃をヨシタツの脳天に振り下ろして場内を沸かせるが、相手チームの総攻撃に遭い、有刺鉄線ボードへ叩きつけられて、ストンピングでメッタ打ちにされてしまう。ギターを持ち込んでも光留に奪われ、強烈な一撃に被弾し、大ダメージを負った。

　光留は「今日で本当に引退させてやるよ」と五寸釘バットを振り上げるが、大仁田は赤い毒霧を噴射。矢口が持ち込んだテーブルの上でパイルドライバーを強行。テーブルが真っ二つにへし折れた。

　乱戦になると、大仁田組は雷陣に連続串刺し攻撃を放つ。大仁田&矢口のダブルブレーンバスター、イサミ&宮本のダブルフェイスバスター、小鹿のチョークスラムが立て続けにさく裂すると、フォールする小鹿を大仁田が踏みつけてアシストし、そのままカウント3となった。

　後藤さんに捧げるように、大暴れを見せた大仁田は試合後も暴走。光留をテーブルの破片でメッタ打ちにする。そして、マイクを持ち、「今日は、今日は鶴田さんのためにたくさんの皆さん、ありがとうございました。僕たちが一番鶴田さんを知っています。渕さん、薗田さん、鶴田さん、僕で合宿所で3年間暮らしました。今日は本当にありがとうございます」とあいさつした。

　ここで、対戦相手も含めて選手がリングに集結すると、後藤さんに追悼の10カウントを捧げられる。後藤さんのテーマ曲『汚れた英雄』が鳴り響くと、感極まった大仁田は思わず涙。他の選手たちと抱擁を交わした。

　「不思議なことに、ターザン後藤はジャンボ鶴田さんの付き人だったんで。ターザンの曲を聴いた時に、まだまだまだまだターザンが出てきそうで…。だけど、鶴田さんの23回忌に出れたことは、本当に幸せに思います」と鶴田さん、後藤さんへの思いを口にした大仁田は、「久しぶりに後楽園の超満員を見て、コロナもこのまま終息してくれるのかなって。それは鶴田さんの俺たちに対する贈り物かなって感じましたんで」と感慨深げな表情を見せた。2人の思いを受け継ぎ、これからも大仁田はプロレスのリングで暴れ続ける。

【試合後の大仁田&小鹿】
▼大仁田「鶴田さんとは合宿所で。渕さん、薗田さん、大仁田、鶴田さん、ずっと3年間一緒に暮らしてましたので、凄いその思いはいろいろあるんですけど。たくさんの思いと、前々日にターザン後藤が亡くなりまして。不思議なことに、ターザン後藤はジャンボ鶴田さんの付き人だったんで。ターザンの曲を聴いた時に、まだまだまだまだターザンが出てきそうで…。だけど、鶴田さんの23回忌に出れたことは、本当に幸せに思います。今日はどうもありがとうございました」

▼小鹿「鶴田選手とは、アマリロで僕がカンフー・リーでいた時に、彼がちょうどバックランドと15分1本勝負でデビュー戦をやったと思うんだけども。あの時の姿を今思い浮かべながら、二十何年という経った月日を忘れて、昨日一昨日のような気持ちがしました。やはり鶴田選手の才能はいろんな部分で一、二を争うような若手で、いい試合を見させてもらったというのが僕の本当の気持ち。彼の存在がなかったら…。全日本プロレスもまた大仁田選手も先輩のそういう姿を見て、一歩一歩前進したと思うよ。鶴田選手の姿というのは、全日本プロレスの選手にみんなの憧れの的だったと思うんで。今日はリング上がれるということを僕は幸せに感じております」

▼大仁田「じゃあ、すいません。久しぶりに後楽園の超満員を見て、コロナもこのまま終息してくれるのかなって。それは鶴田さんの俺たちに対する贈り物かなって感じましたんで。今日はどうもありがとうございました」