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5/31【J鶴田23回忌興行】戸口が54年のレスラー生活に別れ 後輩たちに熱きエール「プロレスの火を消すな!」

『ジャンボ鶴田23回忌追善興行』東京・後楽園ホール(2022年5月31日)
タイガー戸口引退試合 ○タイガー戸口&藤波辰爾&谷津嘉章vs越中詩郎&渕正信&井上雅央×

 戸口が引退試合で勝利を飾り、約54年のレスラー生活に別れ。最後に後輩レスラーたちへ「お前ら絶対プロレスの火を消すな!」と熱いエールを贈った。

 現在、74歳の戸口は1968年8月に日本プロレスでデビュー。全日本参戦時には故・ジャンボ鶴田さんの好敵手となり、UNヘビー級王座を懸けて名勝負を繰り広げた。その後、新日本やインディーマットでも活躍したが、ライバル・鶴田さんの23回忌興行で実に53年9ヵ月に渡るプロレスラー人生に終止符を打つことになった。

 同じ時代を生き抜いてきた藤波&谷津と大ベテラントリオを結成し、全日本出身の越中&渕&井上と対戦。井上は鶴田さん最後の付き人だ。

 ガウンを着て入場した戸口は、女子レスラーの日向小陽、真琴から花束を受け取ると、花束で襲いかかってきたターザン山本氏を返り討ちにして場内を沸かせる。戸口が先発を買って出ると、場内は手拍子で後押しした。越中がチョップで先手を取ると、戸口は「この若造が」と怒りをあらわに。ヘッドロックから回転して背後に回り込み、カニバサミで巧みに転がすと、左足攻めを披露した。谷津にタッチを渡して控えに回っても、戸口はリング上にちょっかいを出すなどアグレッシブに立ち回る。

 藤波と渕の顔合わせも実現。ヘッドロックやリストロックなど基本的な攻防で観客の目を釘付けにする。渕はサミングなどラフファイトも繰り出すが、藤波もドラゴンスクリューで反攻。飛び込んだ越中にも決めてみせた。谷津も井上をフロントスープレックスやブルドッキングヘッドロックなどで攻めて盛り上げると、ヤツゴェ(義足式カミゴェ)から監獄固めに捕獲するが、ここは越中がヒップアタックでカットした。

 好機に再登場した戸口は、井上の左足を蹴り飛ばしてここでもヒザ攻めへ。藤波や谷津も続く。戸口はコーナーに上がってダイブ攻撃を狙うも、越中が介入してデッドリードライブをズバリ。さらに、ジャンピングヒップアタックも食らって戸口は大ダメージを負う。それでも場外で息を整えてリングに戻ると、藤波がゲキ。その気持ちに応えようと、戸口は井上のラリアットを正面から受け止め、ランニングネックブリーカードロップで活路。そして、体勢を崩しながらもツームストンパイルドライバーでマットに突き刺し、井上から3カウントを奪った。

 戸口が自らの勝利で引退試合を締めくくると、同世代の仲間たちや後輩が労をねぎらう。花束を受け取った戸口は「本日はこんなにたくさんのお客様がこの後楽園ホールに鶴田の23回忌とともに僕の引退試合に来ていただき、本当にありがとうございます。鶴田の23回忌に一緒にいたので、来年からは神様になります」とマイクであいさつ。これまで世話になった友人・知人に感謝の言葉を贈ると、「この54年間、アメリカに行き、世界を回ってきました。それも終わりを迎えようと思います。これからも若い連中がいろいろやってくれたらいいなと思いますけど、若い選手にひとつだけ言っておくわ。お前ら、絶対プロレスの火を消すな!」と最後に後輩たちにゲキを飛ばした。

 引退の10カウントゴングが打ち鳴らされ、最後の選手コールを受けた戸口は名残惜しそうにリングのマットにキスし、笑顔で花道を下がっていった。

プロ格 情報局