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7/1【GLEAT】永田が初UWFルールで一本勝ち 伊藤が1周年メインで敗戦も「下向いてられない」

『GLEAT Ver.3 旗揚げ1周年記念大会』東京ドームシティホール(2022年7月1日)
LIDET UWFルール ○永田裕志vs伊藤貴則×

 永田が初UWFルールで一本勝ち。1年前の旗揚げ戦に続き、1周年記念興行のメインでも敗戦した伊藤だが、「下なんて向いてられない!」と勝ち気に吠えた。

 ちょうど1年前にTDCホールで行われた旗揚げ戦。メインに出場した伊藤は新日本のSHOと対戦したものの惜敗を喫し、それでも「ばく進」を誓った。1年が経ち、同じくTDCホールで開催された旗揚げ1周年記念興行のメインに再び立った伊藤は、5ロストポイント制のLIDET UWFルールでGLEAT初参戦を果たす新日本プロレスの大物・永田に挑んだ。

 ゴング直後からスタンドでもグラウンドでも互いにアグレッシブに試合を展開。永田がヒザ十字固めで絡みつくと、伊藤も引かずに足関節で応戦し、アキレス腱固め合戦へ。永田はここでエスケープを奪った。伊藤は気持ちで引かず、ニールキックや掌底で前進。コーナーに押し込み、ヒザ蹴りを乱射してダウンを奪い取り、「4-4」とポイントで並ぶ。

 気合いをみなぎらせた永田は、差し合いからレスリングのテクニックで切り崩す。伊藤がアキレス腱固めに捕らえると表情を歪ませたものの、バックに回って巧みに伊藤の体をコントロール。レフェリーにルールを確認する場面も見られたが、上から張り手を浴びせ、「来いよ」と挑発し合った。

 スタンドでの張り合いに発展すると、永田は右のエルボーを出してしまい、和田良覚レフェリーの注意を受ける。ビンタ合戦になると、伊藤の大振りの掌底を避けた永田はエクスプロイダーでぶん投げた。スリーパーに持ち込み、ロープエスケープを奪う。

 闘志が衰えない伊藤は、ローキック連打で前に出ると、サイドスープレックス、ジャーマンと連続で投げてダウンを奪い、さらに右ハイキックもクリーンヒットさせてポイントを連続奪取。「3-2」とリードする。伊藤はここぞとばかりに打撃戦を仕掛けるが、永田はバックドロップをズバリ。伊藤をダウンさせて、ポイントは「2-2」に。

 ふらつきながら立ち上がった伊藤は、ここでも真っ向から打撃戦を仕掛けて三角絞めに捕獲。絶叫しながら絞めに絞める。だが、首を抜いた永田はナガタロックIIに移行。一気に絞め上げてレフェリーストップ勝ちを手にした。

 伊藤を返り討ちにした永田はコーナーで勝利の敬礼。試合後、悔しさをにじませる伊藤と握手を交わし、敬礼ポーズをまたも披露した。

 永田がリングを去っていき、伊藤が残ると、GLEAT所属選手がリングに集結する。伊藤は「旗揚げから連続で1周年記念もメインで負けてしまって、本当に取り返しのつかないことをやってしまったと思っています。申し訳ない」と仲間たちに陳謝。「でも、こんな負けた俺が言うのは全然説得力ないと思うけど、俺以外の今日のGLEATの試合、全て見た上で、GLEATが歩んできた1周年は間違いないと思っている。そして、今日試合を見てくれたお客さんも思ってくれていると思います」とGLEATの着実な成長に手応えを示し、「だから、2年目のGLEATもどんどんどんどん突っ走っていくんで、皆さん付いてきてください」と吠えた。

 さらに、G-REX王者のリンダマンに対し、「今日俺はスカッと勝って、あんたのベルトに挑戦しようと思ってた。でも、今日の結果、こんな俺をGLEATのみんなもファンのみんなも認めてくれないだろから、俺は一から結果出して、どんどんどんどん結果を積んで、あのベルトに挑戦しようと思います」と改めて予告した。

 締めを託されたリンダマンは、「GLEATはまだ1周年。前回の旗揚げ戦もメインで負けて、今回の1周年記念もメインで負けて。伊藤貴則、1回や2回の負けなんて気にしてるんじゃないよ。3回でも4回でも5回でも負けたらいいじゃないの。前を向いたらいいじゃないの」と猛ゲキ。「会場の盛り上がり、お客さんの熱量、GLEATの期待感、凄い感じましたから。GLEATに期待してくれますよね? その期待感を握り拳に宿らせてもらっていいですか?」と煽ると、最後は所属選手たちとともに「GLEATしようぜ!」と拳を突き上げた。

 伊藤は「旗揚げから連続で1周年、メインイベントを務めさせてもらったけど、また新日本プロレスに負けました。ホンマにこの2つは取り返しのつかないことやと思ってます。でも、この2つを取り返すのは結果しか、結果しかないから!」とバックステージでも早くも再起を宣言。突然現れたT-Hawkのゲキを受けると、「下なんか向いている暇はない!」と絶叫した。

 伊藤の前向きな姿勢に刺激を受けたT-Hawkは、「俺はお前のその気合い、気に入ったよ。伊藤、今月の17日、お前の地元、大阪梅田ステラホールで、GLEAT大阪大会あるよな? そこで、俺たち2人でタッグを組もうぜ! どうだ、伊藤?」とタッグ結成を要請。伊藤も「あんたと組んで。俺はもう下なんか向いてられねえ。どんどんどんどん上に突き進むからよ!」と応じ、TDCホール大会で敗北を喫した2人がタッグを結成することが決定的となった。

【試合後の永田】
▼永田「効きましたね。30年以上前、プロレスラーになる前に、UWFというものに凄く憧れを持ってて、自分なりに思いを描いていたわけだから。キャリア30年で、ほぼほぼUWFスタイルというものを初めてやって。まあ、自分の鈍くささとか、そういうものを感じてしまったような。せっかくUWFスタイルというものを期待していただいた皆様には大変申し訳ないなと。ただ、そういう技術的なことを含めて、伊藤選手ですか。技術的なことを全て忘れさせるようなビンタのやり合いとか。掌底って言わなきゃいけないんだろうけど、僕はビンタで。それは自分の中の闘志みたいなものを湧かせてくれましたね。彼がそれに応戦して、より強烈な張り手というか、掌底と言っておきましょうか。UWFルールとか、技術とか超越した彼の闘争本能を引き出せたというか、感じ取れて。試合自体はUスタイルとしては無様だったかもしれませんけど、僕としては非常に試合した感じが凄くあって、よかったですね」

――ルール的にどのあたりに難しさを感じた?

▼永田「例えば新日本だと、押し込まれてそこでブレイクしないですよね。どっちかはロープに。あとは一番問題だと思ったのはこれ。(ヒジの尖った部分を指差して)エルボーってここなんですよ。プロレスというのはヒジの先端は駄目なんです。でも、通常ヒジから手首までの間、そして後ろのバックエルボー。ここはフォアアームって言うんだけど、これが反則というのは納得いかなかったですね。おかしいですよ。これはいいって出てなかったですか。前腕部はいいと。先入観でエルボーって見ちゃうから、そこはもうちょっとルール改正というか、もっと厳密な判断が必要かなと思いましたね」

――永田選手のエルボーが殺人技に見えてしまった?

▼永田「私は使い分けていますから。反則をしてくるやつにはここ(ヒジの先端)を使う時も過去にはありましたけど、基本的にレスラーとしての最低限のプライドとして、ここ(前腕部)を打ち込むと。ここが危険なのはわかってますんで、それはしっかり守って。そういうプライドだけは持って30年やってますから」

――GLEATという団体はどうだった?

▼永田「非常にオシャレですね。入場の仕方から。皆さん揃ったジャージを着て帰るところとか、演出とか非常にいいし、若い選手たちも素晴らしい試合を。前半の試合とかね。だけど、UWFルールとなっちゃうと、なかなか難しいというか。本来持ってる自分の感情というか、そういうものがルールによって出しづらくなっているというか。でも、そんな中でも伊藤選手はガンガンガンガン蹴りが来たり、掌底ですか。もう掌底というよりもビンタ、張り手でいいですよ。それを本当に自分の腹の底から湧き上がる怒りというものを、オープンハンドで殴り合った結果、そういうスタイルから見えないような彼の本心の感情が見えた気がしましたね。まだまだ鍛えれば光る宝石だと思いますよ」

――今後機会があれば、UWFルールやGLEATのリングも?

▼永田「UWFルールっていうのはね。今日こういう試合をしたから、もう呼ばれないでしょう、たぶん。伊藤選手は伸びしろが凄いあるし。あれはグレコローマンをやったらいいね。グレコローマンのレスリングで体幹をもっと鍛えれば、とんでもない選手になる。俺があんなにコントロールできなかったと思いますよ。まだ30年以上前のグレコローマンのかつての底力が残っていた部分もあったんで、彼も結構ベシャッとしちゃいましたけど。でも、彼の体格と柔軟性からして、もっとスタンドレスリングを磨き上げたら、とんでもない選手になると思いますし。負けん気の強さはいいですね。来いコラって気合いを入れて殴ったら、彼は今までガードしていたのを落として、ババンと来ましたからね。あれですよ、プロレスの本質というのは。腹の底の怒りというか。だから、そういうルールに縛られないところでの、彼の腹の底の怒りを見られて、今日は無様なUWFスタイルだったと思いますけど、そこだけは良かったなと。あのスタイルに対するちょっとしたアンチテーゼで。以上です」

【試合後の伊藤】
▼伊藤「負けました。旗揚げから連続で1周年、メインイベントを務めさせてもらったけど、また新日本プロレスに負けました。ホンマにこの2つは取り返しのつかないことやと思ってます。でも、この2つを取り返すのは結果しか、結果しかないから! すぐ切り換えるのは気持ちは無理かもしれない。でも、そこだけでも切り換えて、どんどんどんどん結果を積み重ねて、この取り返しようのない敗戦を結果で、お客様にもGLEATの仲間にも認めてもらえるように、どんどんどんどん結果を積み重ねていきたいと思います」

※T-Hawkが姿を現すと

▼T-Hawk「伊藤! この野郎、言葉を裏腹に、下ばっか見やがって。伊藤! こっち見ろ。俺たちによ、下向いてる暇なんかねえんだ、バカヤロー。わかってるな? おい、伊藤。俺はお前を実は買ってんだ。俺たち2人は今日負けたけど、下なんか見ないよな。自分の言葉で言っとけ。下なんか見ねえよな?」

▼伊藤「下なんか向いている暇はない!」

▼T-Hawk「いいぞ、いいぞ。いい声してるな。もう一丁言ったれ!」

▼伊藤「GLEAT伊藤貴則は下なんか向かず! どんどんどんどん結果を出して! 必ず今日失ったものを取り返します!」

▼T-Hawk「いいね、いいね、いいね。俺、こういうところ好きだから。おい、伊藤。今日、新発売の俺のこのシャツと、お前のタイツ。藤色か? お前、カラーも合ってるな。俺はお前のその気合い、気に入ったよ。伊藤、今月の17日、お前の地元、大阪梅田ステラホールで、GLEAT大阪大会あるよな? そこで、俺たち2人でタッグを組もうぜ! どうだ、伊藤?」

▼伊藤「今日の負けから一発目のGLEAT大阪大会。わかりました。あんたと組んで。俺はもう下なんか向いてられねえ。どんどんどんどん上に突き進むからよ!」

▼T-Hawk「シェイクハンド! (握手を交わすと)いいね。伊藤、最後に一発、お前のビッグボイスで届けてやれ。一発突き破ろう! このままいけ!」

▼伊藤「GLEAT1周年、2周年もまだまだまだまだどんどん突き進むからよ! 大阪大会も俺とT-Hawk、俺らのタッグを見とけ、オラ!」

▼T-Hawk「ウオオオ! 帰るぞ!」

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