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7/9【NOAH】武道館GHC戦へ拳王インタビュー「自分らで新しい輝きを創らないと未来は本当に見えない」 小島“入り待ち"の衝撃?過去も…

 7・16日本武道館大会で小島聡の持つGHCヘビー級王座に挑戦する拳王。追い続けた武道館メインの舞台にいよいよ立つが、その胸の内は危機感に満ちている。“非ノア"のビッグネームが中心に立ち続ける現状。突き抜けきれない生え抜きの若手。中心世代。Z世代とマッチングアプリまで持ち出しながら問題点を指摘し、ファン時代に小島の“入り待ち"をしていた衝撃?の過去も明かしつつ、武道館決戦へ拳王節がとどろいた――。


【拳王インタビュー】

――小島が潮崎豪を下して獲った直後に挑戦表明したが、判断は瞬時だった?

▼拳王「もともと潮崎に挑戦するつもりだった。なぜなら翌月には日本武道館大会があったからな」

――小島がベルトを獲った瞬間に思ったことは?

▼拳王「予想外だったな。小島聡なんて新日本プロレスの若手の踏み台だろ? ここ最近はメインに絡めず前座しかやってなかった。その選手がノアに来て、ノアのエース級の潮崎豪に勝つなんてまったく予想してなかった」

――『ノアは新日本の天下り先じゃねえ』というフレーズは反射的に出た?

▼拳王「それも前々から感じてることであって。小島に限らず、武藤敬司しかり、藤田和之しかり…選手だけじゃなくて、ノアとか関係先のスタッフも“元新日本プロレス"だらけだろ? 運営組織全体が“天下り先"みたいになってる現状を感じてきたからな」

――やはりノア独自の価値観を作り上げないといけない?

▼拳王「そう。自分たちで新しい輝きを創らないと未来は本当に見えない。小島聡なんて、枯れかけた花に水を与えてちょっと生き返った…みたいな感じだろ? 枯れかけてた花は、水を与えれば少しは生き返っても、やっぱりすぐに枯れるモンなんだよ。だから新しく“芽"から育てていかないといけない」

――それは今に限らず、ノアが抱え続けている命題でもある

▼拳王「ホントにそう思うよな。本来なら俺なんかよりも、清宮(海斗)とか稲村(愛輝)が、どんどん訴えていかないといけないこと。でも足りないから俺が先頭立って訴えていこうと思ってる」

――方舟新章、新生ノア、NOAH the REBORN、新しい景色…あらゆるスローガンが生まれては薄れていった

▼拳王「何年前から言ってんだ!?って。10年以上前から同じようなこと言って、結局はベテラン勢に頼らなくちゃいけない状況になって。いつまで経っても新しい一歩を明確に踏み出せていない。やっぱり勝負をかけるところはベテランで勝負をかけるんじゃなくて、新しいノアの“芽"で勝負をかけなきゃいけないはず。改めて俺が先頭に立って訴えていくしかないと思ってる」

――『どこかで見たことがあるもの』ではなく『誰も見たことがないもの』を?

▼拳王「うん。ベテラン勢なんて枯れて散っていくだけだろ。まず新しいものを創り出す。その創り出された新しいものが、また次の新しいものを創り出していく。そういう循環にしないといけない。ベテランを呼んで、使い切ったらまたベテランを呼んで…そんな循環に未来があんのか?」

――実際に小島と当たってみても『枯れかけた花』の印象は変わらない?

▼拳王「変わんねえな。でも潮崎に勝ったワケだから、強いは強いんだろう。それに新日本で与えられてた水よりは、ノアで与えられてる水のほうが合うんだろうな。だからノビノビ実力を発揮して、眠らせてた力を解放できてるんじゃねえのか? そこに30年のキャリアが合わさってくるワケだから実力としては認めてるよ」

――どんな試合をイメージしている?

▼拳王「言ったら悪いけど、小島聡は“今風の面白い試合"ができる相手じゃない。だからこそ試合を俺のカラーに染め上げてやりたい。小島聡の色に染まったら確実に試合は面白くないと思うからな」

――理想の勝ち方というのは?

▼拳王「勝ち方じゃなくて、勝つことが理想であって、日本武道館で俺のベルト姿を日本武道館に来たクソヤローどもに見せることが一番の理想だな」

――武道館のメインは改めて特別な舞台

▼拳王「でも何度も言ってるけど、俺が言い続けてきた目標は『武道館のメインで“最後に"入場すること』だから。これはまだ通過点。もうベルトは獲るつもりだから、1月1日の次の日本武道館大会まで防衛し続けるよ」

――ベルトを獲ったら、外部の人間ではなく、ノア内でやりあって新しい価値観を作り上げていきたい?

▼拳王「もちろん。清宮でも稲村でも、なんなら岡田(欣也)でも全然いいし。若いヤツが発言できるような空気もチャンピオンとして作っていきたい」

――今回の武道館から始まる武藤敬司引退ロードとも話題的に戦わないといけない

▼拳王「そうだな。でも良い時期に引退発表してくれたよな。俺が日本武道館でベルトを力ずくで奪い取って、チャンピオンとして新しい時代を見せつけてる最中に武藤敬司が引退していく。世代交代を印象付けられる。武藤引退ロードは、ノア新時代を印象付けられるロードにもなると思ってる」

――とはいえ自身ももう若くない

▼拳王「そう。それは自分自身が一番理解している。清宮とか稲村にはむしろ、そこをツッコんでもらいたいよな。そこをツッコんで若い人間に噛みついてきてもらいたい。そうすりゃ少しは“プロレス脳"も発達するんじゃないか。考え方がまだ若いよ」

――そのノアの若い世代に足りないものとは?

▼拳王「欲だろうな。欲がないのかな…“Z世代"ってヤツは。なんだかんだで甘えてる世代なのかも。課題や問題意識すら与えられてて、自分から考えたり奪い取るって感覚が薄いのかもな。なんなら女子をナンパするのだってそうだろ? 昔は路上で声かけるしかなかったけど、今はマッチングアプリがある。スマホが“行けそうな人"を教えてくれて、声までかけられるんだぞ!? でも俺らの世代だったら路上で“マッチングしない人をどうやってマッチングさせるか"って勇気出して工夫するしかなかった。でも今はもうナンパできる女子を機械に“与えられてる"状態だろ? なんでも与えられることに慣れてんだろうな」

――プロレスのリング上はデジタルではなく…

▼拳王「アナログな世界じゃないとダメだろうな。人間が生み出す欲。それを見せていくのもプロレスだし、それがないとリング上じゃ行きていけないと思う。リング上にAIは無いからな」

――小島戦に話を戻すと、前哨戦では舌戦も激化しているが、小島聡の人間性についての印象は?

▼拳王「“凄い常識人で人当たりが良い"っていうのが一般的な認識だと思う。ただ、俺の感覚だと、そういう人間ほど心が腐ってることが多いな。実は俺がファンだった頃、入り待ちしていたなかで一番対応が良かったのが小島聡だった。だから子供心に『最高に良い人だなあ…』って思ってたけど、大人になって人間の裏表が分かってくるようになると、こいつはマジで汚い人間だな…って感じるようになった」

――…そもそも拳王選手が“入り待ち"をしていたことに衝撃を受けている

▼拳王「当時は入り待ち、出待ちは当然。なんなら新日本プロレスの選手が泊まってるホテルまで知ってたぞ? nWo JAPANの頃だったな。当時、小島聡にサインをもらいに行ったら『あーいいよー!!』って二つ返事でしてくれて。でも蝶野正洋は寄っていっても殴らんばかりの勢いで怒鳴ってきた。でも大人になって、プロレス界で時を経てきた今は蝶野さんのほうが“良い人"だと思ってる。その小島の化けの皮も俺だったら剥がせそうな気がしてる」

――先日は『金に汚い』と指摘して『倹約家ナメんな』とも返された

▼拳王「あのアンサーの早さには驚いた。かれこれ20年くらい同じこと言われてきたんだな…ってちょっと同情したぐらいだったぞ? ずっと『セコい』とか言われ続けてきたんだな…。でも武道館では“倹約家"な試合はさせねえから。小島聡にはこれまでのツケをたっぷり払ってもらうし、お客のクソヤローがたっぷり観戦料を払いたくなるような試合もしてやるからな」

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