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7/12【NOAH】GHCジュニア挑戦・吉岡世起インタビュー キーワードは“会心の一撃”、武道館セミへ究極仕上げ

 7・16日本武道館大会でHAYATAの持つGHCジュニア王座に挑戦する吉岡世起。

 同志だったHAYATAからベルトを奪うため、約1ヶ月前にSTINGERを電撃的に抜けた。春先の欠場期間が転換期となって肉体改造にも成功。精神的にも肉体的にも“キャリアハイ"の状態で武道館セミファイナルの舞台を迎える。

 王座戦に向けては実に4度に渡ってHAYATAをKOしている。キーワードは“尖(とが)らせる"。オフも東京・水道橋のジム『Nature Body Plus』で、ダミー人形の側頭部を蹴り抜き続ける日々。“会心の一撃"の一瞬に向けて、ひたすら刀を研ぎ続ける吉岡に、その心境を聞いた――。

【吉岡世起インタビュー】

――まず、STINGERを抜けた理由というのは? 1回の誤爆だけで脱退してしまうことに違和感を感じた部分もあった

▼吉岡「誤爆は単なる“きっかけ"でしたね。進祐哉は昔からずっと一緒にやってきたパートナー。そのパートナーが任せてほしい場面で任せてくれなかった。そして結果、誤爆した。誤爆したことに対する怒りではなくて、信頼関係の問題ですね。そこに失望したことがまず一点。あとは前々から抱いていた危機感ですね。今のノアジュニアは流れが速い。行動を起こさなければすぐに埋もれてしまう。そうなるとやっぱり“ベルト"は外せないですよね? でもノアジュニアのベルトは今、STINGERが独占している。だったらSTINGERに居るよりは、ここで抜けて反目に立ったほうが一気に狙える立場に行けるし、退路も断てる。自分を追い込むことができるんじゃないか。そう思って“脱退"という結論を出しました」

――ノアジュニアはユニットが多いが“一匹狼"を選んだ

▼吉岡「確かにSTINGERでは多くのことを学びましたけど、小川良成とかHAYATAに心のどこかで“頼っちゃってる"自分に気づいたんですよね。その甘えがあるうちは彼らには勝てない。甘えを取っ払って背水の陣を敷かないと、今のノアジュニアではトップに立てない。誰かと組んでたら、また同じことになると思うんで、覚悟を尖(とが)らせる意味でも今は一人で」

――肉体的にも研ぎ澄まされているように見える

▼吉岡「それも春先に欠場したことが良い“きっかけ"になったんですよ。欠場期間中もジムには行ってたんですけど、どうしても松葉杖だとできないことが多すぎて、体が若干しぼんでしまった。それで思い切って糖質制限とか食事面を変えてみたら、ガラッと停滞から脱して上向いた。脂肪が落ちて筋肉量が上がったんですね。トレーニングでも慣れって怖いんだな…と思いましたね。思い切って環境を変えてみないと一回り大きくはなれない。ある意味、ボディメイクもプロレスと相通ずるところがあるのかもしれない」

――そしてGHCジュニア挑戦、しかも武道館のセミファイナルというチャンスをたぐり寄せた

▼吉岡「精神的にも肉体的にも追い込んだことで、これまでのキャリアのなかでも“ベスト"な状態ですね。かつてなくハングリーだし、本当にあらゆるタイミングが重なって迎える大チャンスだからこそ“万全"じゃなくて“ベスト"で行きたい。いろんなものに応えて結果を出したいし、武道館のセミでジュニアの凄みを見せつけないといけない」

――改めてチャンピオンHAYATAをどうみる?

▼吉岡「昔から知ってる仲ではありますけど、意外と対戦経験は少ないんですよ。昔、一緒の団体に居た時から含めて、組んだことは何度もあるんですけど、試合をしたことって数えるほどしかなかった。昔から動きが綺麗だったんですけど、もう以前とは“違った選手"になってる。STINGERで技術を学んだことでより“芯"が通ったというか、盤石な選手になった。そこを同じSTINGERとして近くで見続けられたのは攻略するうえで大きいですね。でも僕もSTINGERで学んだことは多くあるし、成長できた実感もある。STINGERでの経験を活かして、STINGERのHAYATAの首を獲りたい」

――穴は少なそうだ

▼吉岡「確かにオールマイティな選手になった。だから万能な相手に万能で対抗しても、なかなか勝てない。何かをより尖(どが)らせて、穴をこじ開けるしかない。僕のパラメータを作ってみると、スピードとキックが突出した“いびつな形"になると思うんですよ。だから、その“いびつさ"を徹底的に磨いて勝負するしかない」

――タイトルマッチに向けては、時には乱入して試合を壊してまでHAYATAをKOしてきた

▼吉岡「あれも感情に任せて襲ってるワケじゃないですよ。もちろんプレッシャーをかける狙いもありますし、これまで4回、HAYATAをKOしてきましたけど、全部技が違う。バズソーキック、クラッシュドライバー、ネリョチャギ、そして右ハイキック。決まれば一発ってことを証明してきたし、一個だけなら対策も立てやすいでしょうけど、そこを“散らす"こともできたと思うんで」

――なるほど

▼吉岡「スピードなら誰にも負けないし、試合は一発、一瞬で決まると思う。あとはその“会心の一撃"の発生確率をどれだけ上げられるか。そのためにあらゆるものを研ぎ澄まして、“尖らせて"いく作業を繰り返してます」

――昨年の武道館では原田を破ってGHCジュニアを獲ったが、その後すぐに落として流れが続かなかった

▼吉岡「今度こそ(自分の時代を作る)スタート地点にしないと。今のノアジュニアは群雄割拠ではありますけど、HAYATAが一歩突き抜けた感はありますよね。その位置をベルトと一緒に奪えたら、こんなにオイシイことはない。そのためにも、まずは勝たないとどうにもならない。そして『ノアジュニアと言ったら吉岡だろ』って誰もが思うところまで、今度こそ持っていきます」

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