7/17【新日本】自称US王者・ジュースがG1初戦で鷹木狩り 「これでドラゴンは死んだ」

『G1 CLIMAX 32』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌市)(2022年7月17日)
Dブロック公式戦 ○ジュース・ロビンソンvs鷹木信悟×

　自称US王者・ジュースがG1初戦で鷹木狩り。「これでドラゴンは死んだ」と言い放つと、同じブロックにエントリーしているメンバーを「ショッパイ」連呼で切り捨てた。

　5・1福岡ドーム大会で突如としてBULLET CLUB入りを果たし、US王座を戴冠したジュースは、陽気なベビーフェイスからファイトスタイルも変貌。急性虫垂炎によりUS王座返上を余儀なくされ、ウィル・オスプレイが新王者に認定されたが、ジュースはベルトを返さず、依然として自分が王者だと主張している。そんなジュースがG1初戦で鷹木と対戦。以前とは真逆の荒々しいファイトを仕掛けた。

　ゴングを待たずにジュースが背後から奇襲。鷹木は真っ向勝負で呼応したものの、エプロンでのデスバレーボムは不発に。ジュースはエプロンや鉄柵に投げつけて暴走。鷹木を強引に股間から鉄柵に落とすと、そこにラリアットを振り抜いた。その後もジュースペースで試合は進む。

　劣勢が続いた鷹木だったが、ジュースが右ナックルパンチ連打から左ストレートを狙った瞬間、バックドロップで引っこ抜いて逆転。負けじと右のナックルパンチを乱射すると、一気に試合を立て直した。ジュースが雪崩式ブレーンバスター、フルネルソンバスターなど大技攻勢に転じ、パルプフリクションを仕掛けてきても、体勢を入れ換え、熨斗紙で鎮圧。ぶっこ抜き式ジャーマン、スライディングラリアットとたたみかける。ジュースはタイツを掴んでダーティに丸め込むなどして抵抗したものの、鷹木は左腕ラリアット、鷹木式GTR、パンピングボンバーと止まらない。

　しかし、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンを阻止したジュースはショートレンジパンピングボンバーを食らっても倒れず、逆に左腕ラリアットを連発。鷹木のワンツーエルボーでメッタ打ちにされたものの、不意を突く左ストレートで棒立ちにさせると、パルプフリクションでマットに突き刺した。

　それまでのダメージを引きずり、ジュースがすぐさまフォールできなかったため、鷹木は九死に一生を得る。ラリアットの相打ちから巻き返しに出た鷹木は、頭突きを見舞うと、左ストレートの直撃を受けても意地になって倒れず、パンピングボンバーを一閃。今度こそラスト・オブ・ザ・ドラゴンへ。だが、ここでも背後に不時着して逃れたジュースは、ふらついてレフェリーに抱きつきながらも勝負を捨てず、スキを突いて非情な左ストレートパンチ2連発をズバリ。またもパルプフリクションにつなげて、鷹木を沈めた。

　かつての陽気なキャラクターを封印し、荒々しさを前面に出した新スタイルで鷹木狩りを果たしたジュースがG1白星発進。リング上に倒れながらも、マイクを持つと「これでドラゴンは死んだ」と高らかに宣言。「フィンレー、ショッパーイ! YOSHI-HASHI、ショッパーイ! ユージロー・タカハシ、ショッパーイ!」と他のDブロックメンバーを斬り捨てつつ、「エル・ファンタズモ……はOK」とファンタズモだけは認めると、改めて自分がUS王者だと主張し、「これで1勝。残るは5つ! 誰も俺を止められない!」と絶叫した。

　バックステージでも「生きている限り、俺はこれ(USベルト)を絶対にウィル・オスプレイなんかに渡さねぇぞ!」と主張していたジュース。次戦は7・26後楽園大会。かつてともにタッグリーグを制し、IWGPタッグ王座を戴冠した経験のある元パートナーのデビッド・フィンレーと激突する。

【ジュースの話】「俺が持ってるこれ(ベルト)が見えるか? これはMOI(モイ=フランス語で『me』、正式なフランス語の発音は『モワ』)のものだ。フランス語だよ。お前らは日本人だって知ってるけどさ、意味は『これは俺のもの』だ。わかるか!? シンゴ・タカギでもデビッド・フィンレーでも、もちろんユージロー・タカハシでも、YOSHI-HASHIでも、ELP(ファンタズモ)でもない。生きてる限り、俺はこれを絶対にウィル・オスプレイなんかに渡さねぇぞ! オスプレイがどれだけ文句を言おうが知ったことか。最後に同じリングに上がった時(『Capital Collision』)にお前のイギリス人の肩がイチ、ニー、サンでリングについたんだよ。バカでもわかるだろ、ワン・ツー・スリーだ! 俺がInternational Wrestling Grand Prix United States Heavy Weight Championだ! ほかの誰でもない、俺だ! クソども、(事実を)受け入れろ!」

【試合後の鷹木】
▼鷹木「(※終始、右頬をアイシングしながら)やられたよ。やられた……。言い訳の言葉が、見つからんわ……。いやぁ鷹木信悟、見事! スタートダッシュに失敗だ。ジュースとはよぉ、3年前、俺が初出場したG1の初戦でも当たってんだ(2019年の7・13大田区)。そこで負けて、今日、絶対借りを返そうと思ったが、いやぁ、やられたね。これじゃ3年前と結果がいっしょじゃねぇか。だけど3年前と違うといったら、3年前は(全公式)リーグ戦の1発目だったが、今日は、札幌ビッグマッチの2日目のメインだった。それはお互いにスケールがアップしたから成し得たことだと思うけど、だが! しかし、大事な一戦で、初戦で負けたらいけねぇな。もういいよ。こうなりゃ1戦1敗で、くよくよしてもしょうがねぇからな! まぁ、やるしかねぇだろ。いつもどおりやるしかねぇだろ。お前らオイ、俺は鷹木信悟だぞ。鷹木信悟だ。いつだってそうだ。昨年見てみろ。負けてから這い上がるのがスタイルだ。こっから俺の真骨頂見せてやる。なんか(質問)ある?」

――今回は公式戦の数が6試合となって、勝ち点2の重みが変わってくる

▼鷹木「そうだな」

――ここから立て直すにはさらに力がいると思うが?

▼鷹木「いやぁもう……俺、全勝でいきたかった。全勝でブロック勝ち上がりたかった。甘くないね、新日本プロレス。G1 CLIMAX、ちょうどいいよ、ダメージあっても、精神的にはこれっぽっちも落ち込んでねぇから。今からだ。だがひとつ言っとくぞ、ひとつ。ジュース、お前、ナックル使いすぎだろ、コラ! プロレスだったらな、グーパンチはオーケイなんだ、よく覚えとけ!」