7/27【新日本】好調・後藤が連勝 ヘナーレを真っ向返り討ち

『G1 CLIMAX 32』東京・後楽園ホール(2022年7月27日)
Cブロック公式戦 ○後藤洋央紀vsアーロン・ヘナーレ×

　好調をキープする後藤が開幕2連勝。宣言通りの真っ向勝負で進境著しいヘナーレを返り討ちにした。

　初戦で内藤哲也を破り、会心のスタートを切った後藤。「G1のGは後藤のG」を自ら封印し、14年ぶりの優勝に向けて、「最後の最後まで生きて生きて生きまくるぞ!」と悲壮な決意を吐露していた。2戦目の相手は初戦で棚橋弘至を破っているヘナーレ。日に日に成長を遂げている帝国の“アルティメット・ウェポン"との一戦に向け、後藤は小細工なしの真っ向勝負を予告していた。

　両者は2019年2月の沖縄大会で一度だけ対戦。その時は後藤が勝利しているが、当時のヘナーレはまだ若手の「トーア」時代で参考にはならない。先制したのもヘナーレ。ローキックを左足に連打して出鼻をくじいた。場外戦で鉄柵に振られても止まらず、ラリアットをぶち込む。その後も打撃が猛威を振るい、反転式三角蹴りもクリーンヒット。左足にもさらなる攻撃を加えた。

　ローリングラリアットでペースを奪い取った後藤は、村正、ブルドッキングヘッドロックの連続攻撃でたたみかけるが、ヘナーレはすぐさま挽回。こん身のミドルキックで荒武者を蹴り倒すと、串刺しニー、バックフリップ、ダイビングセントーンとラッシュに出て、早くもアルティマの体勢に。後藤はギリギリで阻止。つま先を踏んでどうにか脱出すると、牛殺しで戦況をイーブンに戻した。

　勝負所を逃してなるものかと、後藤は裏GTR、ラリアット、エルボー猛連打と前に出るが、ヘナーレはカウンターのバーサーカーボムで鎮圧。後藤の串刺しラリアットを絶叫して受け止め、エルボー合戦になだれ込む。後藤は左右の張り手を乱れ打つも、ヘナーレも同じく張り手で応戦。蹴り足をキャッチされても、空いたもう一方の足でヒザ蹴りを見舞い、ランペイジでマットに叩きつけた。そしてアルティマでギブアップを迫る。

　ヘナーレは途中で技を解いて、Streets of Rageの構え。不時着を許してもスピンキックが顔面を捕らえる。しかし、串刺し攻撃を読んだ後藤は、コーナーにヘナーレの両足を固定すると、変型GTWをズバリ。強烈なミドルキックを食らってもすぐさま立ち上がったヘナーレに対してGTWを決めると、正調GTRでダメ押しし、熱戦に終止符を打った。

　棚橋を下して勢いに乗るヘナーレを沈めて、後藤が開幕2連勝。14年ぶりの優勝に向かってまた一歩前進した。「今日のヘナーレからは、新日本の若手から育ってきた、そういう自信というか、“ストロングスタイルを見せてやろう"って気持ちが存分に伝わったね」とヘナーレを評価した荒武者は「まさかヘナーレに、ここまでは火をつけらえるとは思ってもみなかったよ。次、3戦目に向けて、いい闘いができた」と満足げだった。

　さらに勢いをつけた後藤の次戦は8・2浜松大会のKENTA戦。荒武者愛用の邪羅蛇羅棒に熱視線を送るKENTAも返り討ちにし、3連勝を狙う。

【後藤の話】「(フラフラでコメントスペースへ現れ)G1 CLIMAX、2勝目だ。簡単に勝ちを続けられるほど、このリーグ戦、甘くねぇけどよ。今日のヘナーレからは新日本の若手から育ってきた、そういう自信というか“ストロングスタイルを見せてやろう"って気持ちが存分に伝わったね。まさかヘナーレにここまで火をつけられるとは思ってもみなかったよ。次、3戦目に向けて、いい闘いができた」

【ヘナーレの話】「オイ! 見たか!? 俺のアルティマで完全にあいつを仕留めたのにエスケープされた! 次の瞬間、視界が真っ暗になって、目が覚めたら試合が終わっていた。クソ! 何が起こったのかさっぱりわからない。まるで(『ドラゴンボール』の)トランクスがパーフェクトセルと戦ったときのようだ。あいつは今年、間違いなく誰よりも熱心にトレーニングを重ねてきたに違いない。食べて、食べまくって、そうやって力をつけたのか!? それとも俺がガス欠してしまったのか!? Streets of Rageであいつを持ち上げることさえできなかった。話は4年前のオキナワ大会に遡る。そこでシングルマッチがあった。あのときはGTRひとつであいつにやられてしまったが、今日あいつは持てる技すべてを出さないと俺に勝つことができなかった! 俺はお前に勝てるんだ、ゴトー! 首に大きなダメージを食らって、次のテツヤ(内藤哲也)との一戦は俺にとって厳しいものになるだろう! 8・5エヒメは俺の誕生日だ。ナイトー、誕生日プレゼントをくれよ。最高の勝負を俺の誕生日プレゼントにくれ! ¡POR FAVOR!(スペイン語で"please")」