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8/9【新日本】タイチがアイアンフィンガー投入も タマが正攻法で3勝目

『G1 CLIMAX 32』広島サンプラザホール(2022年8月9日)
Bブロック公式戦 ○タマ・トンガvsタイチ×

 タマがタイチが投入したアイアンフィンガーによる攻撃を拒絶。正攻法の熱戦を制して3勝目をもぎ取った。

 Bブロックにエントリーしているタイチとタマはここまで2勝1敗。白星先行で後半戦を迎えた。4戦目で直接対決を迎えた二人はかつてIWGPタッグ王座を巡る抗争を繰り広げた。

 昨年2月、ここ広島でタイチ&ザックとタマ&ロアのGoDが同王座戦で激突。この時、タイチはベルト獲りはならなかったもののタマに奪われていたアイアンフィンガーを取り戻した。その後、再びタマが強奪したことで、同年5月にアイアンフィンガーフロムヘル争奪ラダーマッチに発展。勝利したタイチが封印していた。

 そのアイアンフィンガーが広島市内で開催中のイベント「シンニチイズム」で展示されていたが、昨日、何者かによって持ち去られたことが発覚。やはり持ち出していたのはタイチだった。入場時、アイアンフィンガーを持参してきた。

 序盤、タイチが早くもアイアンフィンガーを投入し、おびえるタマの右手に装着しようとした。タマが断固拒否すると、タイチはマイクコードで首を絞め上げ、セコンドの邪道に手を出すよう迫る。タマには急所攻撃を要求し、悪の本性をさらけ出せと言わんばかりの行為を繰り返した。

 ここからタイチはチョーク攻撃、サッカーボールキック、ノド輪、スピンキック、ミドルキック連打と攻めまくった。タマがこん身のラリアットで反撃し、バックドロップ、エルボースマッシュ連打と攻勢に出ても、タイチは串刺し攻撃をかわしてのジャンピングハイキックで返り討ち。フロントハイキック、ジャンピングハイキックの連続攻撃を浴びせ、天翔十字鳳の構えをみせたが、ここでタイチはアイアンフィンガーを手に。右手に装着するか逡巡した。

 そのスキをついてタマがデスバレーボムで逆襲。シュプリームフローを放つと、ガンスタンの構えに入った。が、ここでタマの目に飛び込んできたのがアイアンフィンガー。右手に装着しようとすると、邪道が必死に止める。葛藤した末にタマはアイアンフィンガーを投げ捨て、ガンスタンを仕掛けたが、タイチがことごとく阻止してバックドロップで突き刺した。ブラックメフィストをタマが阻止して読み合いに発展すると、ジャンピングハイキックを打ち合い、タイチが天翔十字鳳をぶち込めば、意地のタマもトンガンツイストでダブルダウンに持ち込んだ。

 両者はアックスボンバーとラリアットの相打ちを繰り返し、ローキックとエルボーを打ち合う意地の攻防を展開。タマがドロップキックを放てば、タイチもすぐさまアックスボンバーでやり返す。ブラックメフィスト、ガンスタンがともに不発に終わると、タイチは上手投げをさく裂。横綱式かち上げエルボーを狙って突っ込んだが、タマがガンスタンで迎撃して勝負あり。熱戦に終止符を打つ3カウントが入った。

 タマがアイアンフィンガー攻撃を拒んだ末、正攻法でタイチを撃破。試合後、アイアンフィンガーを手に「これは終わったんだ。もういらないだろう?」と差し出すと、タイチも受け取った。「プロレス界で最も邪悪な凶器であるアイアンフィンガーを前に、自制心を保てるか。それが俺に託された試練だった」と振り返ったタマは「俺はファンのみんなが見守る中、飯塚の魂を振り切った。俺はもう本隊の人間だ。新しいタマ・トンガに生まれ変わったんだ。俺こそがニュージャパンの象徴だ」と強調した。

 3勝目を挙げたタマは首位のジェイを2点差で追う状況につけた。公式戦は残り2試合で、5戦目となる明日8・10広島大会でオーカーンと対決する。

 一方、タイチは2敗目を喫し、勝ち点2で足踏み。この一戦にアイアンフィンガーを投入したのは「あいつが変わったなんて俺は信じたくなかったんだ。散々、俺とザックにしたこと。あんなクソみてぇな連中が今さら本隊だなんて認めたくなかったんだ。だからあいつの化けの皮を剥がそうと思って」というのが理由だった。が、タマはあくまでも正攻法の真っ向勝負を選択。結果、敗れたことで「あいつは変わったのかもしれない。俺の方かもな、何も変わってないのは」と認めた。タイチも残る公式戦は2試合。次戦は8・13町田大会で首位・ジェイと対決する。

【タマの話】「なんで俺が今、ホンタイにいるのか、誰にも疑問に思われる筋合いはない。プロレス界で最も邪悪な凶器であるアイアンフィンガーを前に、自制心を保てるか、それが俺に託された試練だった。そして俺は、ファンのみんなが見守る中、イイヅカの魂を振り切った。俺はもう、ホンタイの人間だ。新しいタマ・トンガに生まれ変わったんだ。俺こそがニュージャパンの象徴だ」

【タイチの話】「(※両ヒザを着き、アイアンフィンガーが入ったケースをフロアに置き、耳を当てると)何も聞こえなくなった……何も聞こえなくなった。(※顔を上げて)結局、(アイアンフィンガーを)成仏させたのは、あいつのほうだったかもしれない……。あいつのほうが、今日は上手だったかもしれない。あいつが変わったなんて、俺は信じたくなかったんだ。信じられなかった。散々、俺とザックにしたこと。あんなクソみてぇな連中が、今さら本隊だなんて認めたくなかった。だから、こいつはあれに憑りつかれた、あいつの化けの皮剥がそうと思って、わざわざ持ってきたのに……。結局、最後まで引っ張られたのは俺だったかもしれない。あいつは、変わったのかもしれない……。俺のほうかもな、何も変わってないのは……。何も変わっちゃいない。結果も変わらない。変わったのは、YouTuberになったぐらいか。あいつはすっかり変わっちまって。認めなくないけど、そうだった、あいつは。去年の5月、俺がコロナで倒れた時、俺とザックはあいつらから挑戦権を奪ったんだよ。(IWGP)タッグの挑戦権、力ずくで。シングルで勝ち越して。タッグ(タイトルマッチ)やるはずだったはずが、俺がコロナで倒れた。あいつらが博多(5・4福岡)終わった後、さっさと帰国すればよかったんだよ。タイトルマッチなんかしないで。あいつら言った。俺がコロナから復帰するまで待ってやるって。日本で待っててやるって。そのまま(6・1後楽園で)タイトルマッチをやった、あいつらと。その時から薄々気づいてたよ。タマ、お前はホントはいいヤツなんじゃねぇかって。どっかで気づいてたよ、ホント。でも、なんとなく今日でわかったよ。今のお前だったら、あるじゃないか? 一発……。楽しみにしとくよ。変わってねぇのは、俺のほうだっていうのか。チクショー……」

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