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9/18【全日本】18年ぶり武道館メインで宮原が三冠6度目の戴冠 50周年の先へ新時代突入宣言

『楽天チケット Presents 全日本プロレス50周年大会』東京・日本武道館(2022年9月18日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vs諏訪魔×

 全日本50周年記念として18年7ヵ月ぶりに開催された日本武道館大会のメインで宮原が諏訪魔を激闘の末に下し、三冠ヘビー級王座6度目の戴冠。「明日から新たな歴史の始まりだ」と王道新時代突入を宣言した。

 8月の王道トーナメントを制し、9・18武道館大会での三冠挑戦を決めた宮原。「過去も現在も未来も全て背負う」とエースの自負とともに誓った最高男だが、9・15保土ヶ谷大会での前哨戦ではバックドロップ4連発で失神KOに追い込まれ、勢いに乗れないまま当日を迎えた。

 バックドロップ10連発葬を予告している諏訪魔の猛攻はすさまじいものがあり、宮原を苦しめに苦しめ抜いた。

 序盤こそ武道館から巻き起こる三三七拍子を背に宮原が躍動したものの、その後は圧倒的な諏訪魔ペース。リングサイドのスタン・ハンセン氏とにらみ合う余裕までみせた。宮原はエプロンパイルドライバーで流れを引き寄せたかと思われたものの、諏訪魔の闘志に火が点き、ジャーマン合戦から豪快なラリアットを一閃。急角度のバックドロップを3連続で決めて、最高男をKO寸前まで追い詰めた。

 しかし、宮原は4発目のバックドロップを押し潰して防ぐと、丸め込みを連発して揺さぶりをかける。諏訪魔のローリングラリアットにカウンターのスタンディングブラックアウトをねじ込むと、シャットダウンスープレックスが完璧に決まった。

 意地の諏訪魔はキックアウトすると、起死回生のドロップキックから今度こそ4発目のバックドロップで引っこ抜く。勝利を確信して両手を掲げてフォールするが、最高男を沈まない。逆に5発目のバックドロップをヒザ蹴りで防ぎ、スタンディングブラックアウトを連続発射。それでも倒れない諏訪魔を再びシャットダウンスープレックスでぶん投げて3カウントを奪取した。

 宮原が18年ぶり武道館大会のメインにふさわしい激闘の末、諏訪魔を破って三冠王座を奪取。3ヵ月ぶり6度目の至宝ベルト戴冠を果たした。全日本50周年記念の節目に頂点返り咲きを果たした最高男はこん身の最高マイクで武道館大会を締め。「今日で全日本プロレスは50周年だ。全日本プロレスは歴史があって今がある。その歴史があってこの先もこの俺が引っ張っていく」と決意を示した。

 さっそく明日9・19後楽園大会で初防衛戦を控える。相手はセミファイナルでジェイク・リーを破って挑戦権を手にした野村直矢。両者が三冠ベルトをかけて戦うのは2019年9・3後楽園大会以来3年ぶりとなる。メイン終了直後にリングに現れた野村からは「明日の三冠戦、俺がお前を1分以内で倒してやる。そして俺が新しい全日本の顔になる。覚悟して来い、コノヤロー」と予告された。

 「今日、僕たち全日本プロレスは50年の歴史を共に歩み、新たな時代に突入した。見ていればわかるだろ、今日の試合を。明日から新たな歴史の始まりだ」と高らかに宣言した宮原。「全日本プロレスの50周年のメインに立ち、そしてこのベルトを巻いて最後に退場する。これが俺のこれからのプロレス人生の宿命、そして宿題だ」。エースの自負とともにそう自らに課した最高男は50周年を機に新時代に突入した全日本を中心となって引っ張っていく。

【試合後の宮原】
――その腰にベルトが戻った今の率直な気持ちは?

▼宮原「俺が巻いてこその全日本プロレスだ。俺が巻いてから勝負だからな。これは50周年の俺への宿命だ。これからだ、大事なのは」

――18年ぶりの日本武道館のメインを締めくくった気持ちは?

▼宮原「これも必然だろう。俺が全日本プロレスの50周年のメインイベントに立ち、そしてこのベルトを巻いて最後に退場する。これが俺のこれからのプロレス人生の宿命だ。そして宿題だ。俺は今日で終わりじゃないからね。明日からだから。俺らの新しい全日のスタートは。今日の1試合目から見てわかるでしょう。俺だけじゃねぇって」

――試合を振り返ると、バックドロップに耐えてシャットダウンで決めた。試合の流れを振り返ると?

▼宮原「そりゃそうだろ。あっちも時代を築いてきた男だからね。意地はあっただろう。ただね、もう時代は動いてんだよ。いつまでもその意地、思い入れを入れ込んでも未来はないからね。ここ10年の全日本プロレスを引っ張ってんのは俺だから。それが一度道を外れただけだ。今日、1試合前からメインイベントを見てわかったでしょう。新たなニュースターが誕生しているだろ。今までは俺だけだったけどな。今日の1試合目からVTRで見たけどな。スターが少なくとも二人は誕生してたな。明日から楽しみだ。今まで俺一人で突っ走ってきたからな。心強いよ。ようやく気付いたかって、他のレスラーは」

――51年目を引っ張る第一人者として、どんな全日本プロレスにしていきたい?

▼宮原「全日本プロレス、何か時代の流れ的に過去の歴史を嫌がる傾向がある。俺は言った。ジャイアント馬場さん、ジャンボ鶴田さん、四天王、武藤全日本、秋山全日本、あえて口に出したんだ。何も触れちゃいけない過去じゃない。その過去があって今があるからね。俺はその触れちゃいけないことなんて関係ねえし、それを踏まえて今があるんだ。ファンあっての俺らだからね。そんな隠したらファンが嫌でしょう。まあ、今日が始まりですよ。誰でも過去があるわけで」

――さっそく明日から始まる

▼宮原「始まるね。早すぎるだろう。おい、野村直矢。いただろう、レジェンドの二人が。早えしよ、入場するのがどう考えても。そういうところだぞ、お前。まあ、個性があって素晴らしいんじゃないでしょうか。リングで向き合えば、明日は真っ向勝負だ。マイクは80点かな。これ今、流れるんでしょ? 明日は東京・後楽園ホールだ。俺を見たかったら見に来い、明日。そして、新しい全日を明日から見に来いよ。見なきゃ損だぜ」

――新時代の手応えを掴めた?

▼宮原「俺だけが1人で突き抜けようかと思ったんですけどね。ただ、今日の試合を1試合目から見てたら、パワーをもらったね、若い選手から。もう彼らは若い選手なんて一括りにされたくないんじゃないですか。明日から見てたらわかるでしょう。1試合目から素晴らしい戦いばっかりだった。彼らの中でもう上の世代に任せちゃいけないと思ったんじゃない? その中に俺が入ってたらやばいけどね。ただ、それぐらいのものを感じたよね、今日。凄いよ。新しく生まれ変わってるよ。感じたでしょ? なんか全日らしくねえなって感じたよ、俺も。最高だよ。いい気分だ。さぁ、全日本プロレス50周年、歴史があって今があるからね。過去の偉大な先輩レスラーに敬意を払うよ。ただ、俺らは全日本プロレスというブランドに頼ってるつもり1ミリもないからね。違うんだよ。よくそう思われがちだけど、全日本プロレスの意地ってのがあるんだよ。ブランドに頼っているわけじゃねえんだよ。そんなもんはクソ食らえだ。ただな、俺らは全日本プロレスというプロレス界で位置するメジャーの意地があるからな。その先頭を切る俺がスーパーメジャーだ。そして、スーパースターだ。明日始まるぞ。新たな歴史が始まる。明日からだ。まずは日本武道館に戻ってきてくれたこと。最高だ。ただ、日本武道館にすぐにでも戻ってきたい気分だな。1年に1度、1年に3度、1年に6度、1年に12度と、俺らはこの日本武道館にいっぱい戻ってくるからな。明日、野村直矢、真っ向勝負や、お前」

【ハンセン氏の話】
――特別立会人として見守った三冠戦の感想は?

▼ハンセン氏「素晴らしい試合でしたね。また日本に戻ってくることができて、マットを踏むというのも非常にうれしかったですね。本当に素晴らしい試合でした」

――今日は全日本50周年で、ハンセンさんが何度も激闘を繰り広げてきた日本武道館での開催だったが?

▼ハンセン氏「数々の激闘はよく覚えていますよ。本当に戻ってこれて本当によかったと思いますし、ニュージェネレーションが頑張ってるところを見れたのもうれしい気持ちでいっぱいですね。戻ってこれて誇りに思っています。いい思い出がいっぱい詰まった会場です」

――ハンセンさんにとって全日本で一番の思い出の試合は?

▼ハンセン氏「一つの試合と言っても無理ですね。特定できないです。全ての試合がよかったわけで、対戦相手が良かったんですね。天龍選手、三沢選手、とにかく当たった選手はみんな素晴らしかった。だからすべての試合がいい思い出として印象に残ってますね」

――51年目に入る全日本に望まれることは?

▼ハンセン氏「特にアドバイスというのはありませんが、50周年おめでとう。51周年に入る、またここに戻ってきて一緒にいい試合を見たいと思っています。願わくばあと50年頑張ってほしいけど、その時、私はこの世にいないので。もしかしたら今日出場した選手で元気にやっている選手がいるかもしれませんね」

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