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11/10【NOAH】GHC王者・清宮がサッチャー突破 「打倒・ムタvs中邑」掲げた拳王と元日武道館で激突へ

『GLOBAL2days WRESTLE UNIVERSE presents Global Honored Crown』後楽園ホール(2022年11月10日)
GHCヘビー級選手権試合 ○清宮海斗vsティモシー・サッチャー×

 史上初の“5大GHC戦のみ"興行となった後楽園大会メインでGHCヘビー級王者・清宮が、ノア無敗を誇ったサッチャーの挑戦を退けて2度目の防衛に成功。元日武道館大会での宿敵・拳王戦が決定的となり、「グレート・ムタvs中邑真輔」のドリームマッチに真っ向から“果たし状”を叩きつけた。

 史上初の“5大GHC戦のみ"の全5試合で行われたノア後楽園大会。メインでは若き王者・清宮が、技巧派サッチャーを迎え撃った。

 鈴木秀樹に導かれ、今年6月からノア参戦を開始したサッチャーは、1ヶ月あまりで鈴木とGHCタッグ戴冠に成功。ノア無敗をキープしながらシングル戦線でも杉浦貴や小島聡を撃破し、前哨戦となった11・3沼津大会では、フジワラアームバーで清宮から直接ギブアップを奪っていた。

 序盤から手足を奪い合う徹底した技巧戦。中盤からジワリとサッチャーが流れをつかみ、多彩なサブミッションや絞め技で清宮を追い込んだ。打撃戦でもエルボースマッシュでも圧倒し、空中迎撃弾も交えて押しまくった。

 清宮も執ようなフロントスリーパーを脱出して反撃に転じ、ウルトラタイガードロップやジャンピングニーを繰り出したものの、ジャーマンで固めたところでサッチャーも待ってましたとばかりに必殺フジワラアームバーで切り返した。

 必死にロープに逃れた清宮も、エルボースマッシュを逆さ押さえ込みで絡め取る。すかさずサッチャーはキムラロックで切り返しにかかったものの、清宮もさらに回転して逃れるや、素早くシャイニング・ウィザードを叩き込んだ。

 それでもサッチャーは続く変型シャイニングをキャッチ。続けざまにみたびフジワラアームバーを狙ったが、清宮も再び回転して切り抜けるや、ノーステップ式のシャイニング弾をズバリ。そのまま今度こその変型シャイニング弾につなげて3カウントを奪ってみせた。

 30分を超える熱闘を制し、ノア無敗を誇った難敵を退けて2度目の防衛に成功。史上初の“5大GHC戦のみ"の大会を王者として締めくくり、ノア新時代の中心を改めて印象付けた清宮だが、そんな美辞麗句をあざ笑うような現実的な問題提起を突きつける男がいた。

 TV解説に入っていた宿敵・拳王だった。「おい清宮、今日のタイトルマッチも頑張ってたな。ただ! 頑張ってた。それ“だけ"なんだよ。頑張るなんて小学生でもできんだよ。今日、お前は何を残したんだ? 何が創れるんだ? ノアに何が創れるんだ?」と切り出すや、「1月1日、日本武道館! グレート・ムタvs中邑真輔に話題を持っていかれてチャンピオン…どうすんだよ!? 頑張った? それだけじゃ勝てねえんだよ!」と突きつけた。

 確かに「ムタvs中邑」決定など、ノア外まで響く話題は“武藤敬司・引退"が圧倒的な発信力を誇っている。7月の日本武道館大会で武藤を破ってシャイニング・ウィザードを継承された清宮ではあるものの、話題面では“武藤引退"に肉薄できていないのが正直な現状だ。

 拳王は続ける。「ムタvs中邑真輔…話題的に勝てるのはブロック・レスナー、ドゥエイン・ジョンソン…ザ・ロックぐらいしかいねえんだよ。いや、ザ・ロックとこの俺・拳王だろ! まぁ俺だってロックにはかなわないことぐらい分かってるよ。でもそのくらいの志は持ってんだ! 俺がノアの危機を救ってやるよ。ムタvs中邑じゃねえぞ。清宮に俺が挑戦して、俺が話題をすべて奪ってやるからな!」と叫んだ。

 唇を噛みながら拳王の言葉に耳を傾けていた清宮だが「ただ頑張ってるだけ、なのかもしれないよ。でも何を創る? 俺が新しいノア創るんだよ! だから俺と拳王で本気の勝負しようよ! SNSだって発信だって何も負ける気ねえから。本気で俺と勝負してくれ」と呼応。拳王も「1月1日・日本武道館、ムタvs中邑真輔を超えるのはお前じゃない。俺一人で超えて。そしてこのベルトを取るのはこの俺、拳王だ!」と宣言してから姿を消した。

 残された清宮は「何があっても頑張ろうって思ってるけど、俺自身もなんだろう…」と口ごもって様々な思いが交錯。それでも観衆から手拍子で背中を押されると「俺が新しいノア創って、清宮めちゃくちゃすげー試合するなってノアを創っていくんで、俺を観にきてください!」と誓いを立てて後楽園を締めくくった。

 いくら話題を呼んでも、“ノアの今"が中心でなければ意味がない。約3ヶ月ぶりとなるライバル対決が、超ビッグカードの“ムタvs中邑"に真っ向から果たし状を叩きつけた。

【清宮の話】「有明からもう本当に前を向いてやってきて。当たり前だけど、この日のためにやってきて。ティモシー・サッチャーというメチャクチャ強くて、すげぇヤツと戦えたこと。本当に心からティモシー・サッチャーありがとう。あと、拳王。マイクで拳王の言葉、俺は本当に自分でもそう思うところがある。でも、もう後ろなんか本当に見てられないんだ。あいつと日本武道館で戦うためには誰にも負けたくない。誰にも負けない戦いを俺は日本武道館でしたい。それは試合以外でも。リング上でも言ったけど、SNSだってYouTubeだってなんだって、この日本プロレス界で絶対に負けない。ノアが一番すげぇっていう戦いを見せるんで。俺を見ててください」

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